第94話 甲府ダンジョン・5層ボス 1
ボス部屋に到着した俺たちは一旦休憩をとった。
「確か5層のボスは」
『ゴブリンキングだよ』
『ゴブリンの中でも強かったよな?』
『キングの名前がついているんだから当然だろ』
ゴブリンキング。
通常のゴブリンの背丈が俺たちと変わらないが、ゴブリンキングはオーク並みの大きさがある(大体4mぐらいかな)。オークと違って太っているわけではないため動きも俊敏らしい。そして何より厄介なのは。
「能力として手下を召喚するのが一番厄介だな」
『ほんとそれ!!』
『初見突破は絶対無理!!』
『手下を全部倒したと思ったら、また召喚してくるんだもの。こっちが息切れするよ』
召喚。
ゴブリンキングは手下のゴブリンを召喚することができる。
最大7体一気に召喚してくるため消耗戦になりやすいんだとか。
これに苦しめられる探索者は少なくないらしい。
FからEへの昇格において一番の鬼門になる。
「だから、一番はゴブリンキングが召喚した手下を一瞬で倒す必要がある」
『どうするんだ?』
『失敗のリスク・・・って言ってもシエルちゃんたちなら問題ないのかな?』
そう。俺は問題ないと思っている。
シエルたち皆火力が高いからな。一瞬で倒すことができるだろうし、
隙を簡単につけるんだよね。
「気になったのは・・・ゴブリンキングの手下の召喚って上限があるんかな?」
『確かに・・・聞いたことないかも』
『今となっては召喚される前に倒せって感じだからな』
『隠密スキル持ちに隠れてもらって、無防備な背中を斬るのが一般的な倒した方になったもんな』
実験してみたいが・・・小夜さんに絶対に怒られるのは確定するから、辞めておこう。
「それじゃあ行くぞ!!」
ヒヒ~~~ン!!
ぽよんぽよん!!
ワオ~~~ン!!
ピィィィ!!
皆も気合十分!!ゴブリンキングを倒すぞ!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ボス部屋の扉を開いた先にいる。
グギャァァァァァーーーー!!
という咆哮と共に俺たちを睨んでいる。
開けた瞬間に気づかれるのは初めてかもしれないな。
「さてと・・・ってやっぱりデカいよね」
グゲゲ
と笑っているあたり、俺と従魔たちを見た目で弱いと判断して舐めている様子だな。
これなら先制攻撃が通るかも?
「まずは・・・シラユキ!!頼む!!」
ワオ~~~ン!!
とシラユキは氷の玉じゃなくてつららみたいなものを生み出してキング目掛けて放った。いつの間にそんな技を!?
けど、さすがはキングだ。
グギャギャァ!!
ブンッ!!
『殴って壊した!!』
『さすがは馬鹿力』
『オークより力が強いからな。当然だろ』
という音とともに持っていた棍棒を振り回してつららを破壊したみたいだ。
けど、これに気をとられたな?
「今だシエル!!」
ヒン!!
ビュウ!!
ギャス!?
『何今の!?』
『シエルちゃん・・・凄い』
とシエルが風の斬撃を飛ばした。
横からの攻撃に警戒してなかった(というより、シエルたちが小さいから見えていなかったっぽい)のか、足のほうに切傷を与えることができた。
けど・・・シエルの攻撃で切傷ってどんだけ皮膚が堅いんだ?
「これは・・・長期戦必須かな?」
ぽよんぽよん!!
「うん?オニキス・・・ってうわ!?」
ビュン!!
ギャギャァ!?
『オニキス君も斬撃飛ばしたぞ!?』
『どんどん物騒になっていないか?』
『戦闘狂がさらに強くなるなんて・・・』
とオニキスは光の斬撃を飛ばした。
それでも・・・切傷だ。途中でよけやがったぞ。
グギャギャギャァーーー!!
『ユウ!!召喚がくるぞ』
『うわ!?フルに7体召喚しやがった』
『どうするんだ?』
「シラユキは地面を凍らせて足場を奪え!!」
ワンワン!!
「ナイト!!炎の渦を全体にぶつけるんだ!!」
ピィピィ!!
と召喚されたゴブリンに向けて、シラユキが地面を凍らせることで足場を奪い、
ナイトによって真っ黒焦げに。
ギャァ!?
グギャァ!?
「シエルとオニキスは斬撃をキングに飛ばしていけ」
ヒンヒ~~ン!!
ぽ~~~よん!!
と2体はキングに向かって斬撃を飛ばした。
切傷とはいっても血は流れるからな。どんどん血を奪って弱らせればいいと思っていたんだが。
グギャギャギャァーーーー!!
「マジか!?」
『召喚した手下を盾にしやがった!?』
『卑劣だけど・・・王を守る手段としてはアリなのか?』
『これは召喚の仕様次第では我慢比べになるぞ』
これは・・・どうするべきか?
シラユキの氷は無理矢理砕いてくるみたいだし、ナイトの炎ならいけるかな?
「けど・・・ナイトに行かせるのもな」
この子生まれてまだ1カ月ぐらいなんだぜ。
そんな子を特攻させようとするのもな。ヤバいだろ。
「本当にどうしようかな」
・・・ワフ
「シラユキ?何か作戦があるのか?」
ワン!!
どうやらシラユキが何か作戦があるらしい。どんな策をってマジで!?
「それは本当にできるのか?」
ワンワン!!
「よし・・・分かった。その作戦で行くぞ!!」
ワン!!




