第92話 真奈美たちとダンジョンへ
古川さんからのお願いにデジャブを感じた俺はとりあえず話を聞くことに。
「どうして俺なんかにお願いを?」
「実はですね・・・」
今の探索者学校は協会の腐敗を摘発したことにより、前よりだいぶましになったそうだが・・・
「今まで上級国民によって学校に落ちた人や辞めてしまった人たちを補償しているんですよね」
「呼び戻しているってわけか」
「その結果、教える人たちが全国で足りなくなっているみたいで」
「あぁ~~~」
探索者の教師不足ってわけか。
「上からの圧で辞めた教師も再雇用して運営しているみたいなんですが・・・それでも足りないみたいです」
「それだけ、一部の人たちが独占していたのが分かるな」
「私たちの次にダンジョンに潜れる日は来週になるんですよね」
「今は週1回なんだよね。潜れるの」
探索者学校に通う生徒はダンジョンに行くときは必ず教師が1人同行する。教師が足りない現状、こうなるのも無理はないな。
「・・・それで、どうして俺に同行を?」
「私たち生徒は教師が同行しないと潜れないんですが」
「知り合いに探索者の方がいて、一緒に潜ることは問題ないんです」
「・・・伝手を作るのも探索者の基本の1つってことらしいんだよね」
「私たちの知り合いで探索者って優兄たちしかいないんだよね」
「ここは1つ受け持っていただけると嬉しいんですが、どうですか優馬さん?」
「う~~~ん」
俺としては真奈美と瑠莉奈がお世話になっているから問題ないが、
「俺もまだF級だからな」
「・・・優馬さんはF級詐欺ですよ」
「詐欺って・・」
「優兄の従魔の実力がFを軽々と超えているからだよ!!」
「それは・・・否定しないな」
実際、健太からも社長からもシエルたちの力は認められているからな。
これは俺も否定しないが。
「俺自身は弱いからな」
「優兄もすごい動けているけどね」
「配信を見させてもらいましたが、結構キレキレですよね?」
「これでも動けていないほうだが」
「・・・尚更お願いしたいです」
とさすがに自分より年下の子たちがここまでお願いしてきたからには、
ここで断るのは気が引けるしな・・・仕方ないか。
「分かったよ」
「「「ありがとうございます!!」」」
「本当にありがとうございます。優馬さん」
「ありがとね優兄」
「・・・情報をうっかり漏らした瑠莉奈には後で叔父さんに連絡は入れさせてもらうがな」
「ゲッ!?」
ということで引き受けることを決意するのだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「そういえば、真奈美と瑠莉奈のスキルは知っているけど、古川さんたちのスキルって何?」
「え~~っとですね」
とダンジョンに入る前に彼女たちのスキルを確認することに。
真奈美 火属性魔法
瑠莉奈 槍術
古川さん 剣術
赤石さん 弓術・風属性魔法
柊さん 斧術
となっている。
「赤石さんはスキルから完全にエルフ感があるな」
「それ瑠莉奈にも言われましたね」
「・・・瑠莉奈と同じレベルの発言か」
「その残念な感じで言うのはどういうことかな優兄?」
「スマンスマン。・・・この感じから、瑠莉奈と古川さん・柊さんが前衛で真奈美と赤石さんが後衛か」
「そうです!!」
「う~~~ん」
「どうしましたか?波多野さん」
このスキルから、もしかしてタンク役はいない感じか?
「この中で相手の攻撃をひきつけたり、耐えたりするタンク役は誰になる?」
「・・・私になりますね」
「・・・剣術スキルを持っている古川さんより柊さんが盾を持った方がいいと思うけど」
「私ですか?」
「斧術は一撃必殺だけど、当たらないほうが多いと思う」
「それはそうですけど」
「剣術スキルは身軽で相手の動きを躱して斬る方がスキルをより強くするのにいいと同じスキルを持っている幼馴染が言っていたからな」
「翠さんですか?」
「そう。そして、斧術ってことは力に余裕がある柊さんがしっかり攻撃を受けて反撃で一撃入れたほうが相手モンスターに混乱を入れられて、真奈美や赤石さんが狙いやすくなるからな」
「確かに。けど・・・私で大丈夫かな?」
「まずは盾だけを持つことに集中して慣れてきたら斧を持つって感じにした方がいいかな」
「分かりました」
「けど・・・これは素人意見だからね。一度モンスターで試した方がいいと思う」
ってことでダンジョンで試した。
3層に到着し、ゴブリンを相手に練習してみた結果。
「とにかく、真奈美と赤石さんは前衛の3人の隙を埋める形で攻撃を」
「はい」「分かりました」
「柊さんは攻撃を盾で受け止めることに集中して」
「はい!!」
「古川さんと瑠莉奈は相手が1体なら、柊さんが受け止めている隙をついて攻撃を
2体以上ならヒットアンドアウェイで」
「オッケー!!」「やってみます!!」
という感じで何度も練習した。
危ないところはオニキスがカバーをしてくれているので安全面に問題はない。
その結果・・・柊さんの動きがどんどん良くなり、何なら盾で受け止めてそのまま吹っ飛ばしていくように。
「やったよ!!」
「・・・ほなちゃんすごい」
「保奈美・・・かっこいいわよ」
「エヘヘ」
いや、本当にすごい。多分これは・・・スキルを覚えたんじゃないかな?
「そういえば真奈美」
「何ですか?」
「パーティー名って決めているか?」
「<ガールズスカイ>です」
「波多野さん」
「どうしたの?」
「今日は本当にありがとうございます」
「別に問題ないよ。俺も軽いアドバイスしかしていないしね」
「それでも十分ですよ。本当にありがとうございます」
これからのガールズスカイの活躍を祈っているよ。




