第88話 甲府ダンジョン・4層 2
甲府ダンジョン4層を配信しながら、シエル・シラユキ・ナイトと一緒に攻略していく。
今は休憩中で俺はコメントの返信をしている。
シラユキは俺の膝の上でぐで~~~んとしていて、シエルとナイトは飛んで追いかけっこをしている。
「このままのスピードで行くと後何分でボス部屋に行けるかな?」
『確かに』
『このままいけば、後10分ぐらいで着くんじゃないか?』
『俺D級探索者なんだけどさ。4層を攻略するのに1週間はかかったんだが』
『やっぱシエルちゃんたちは凄いな!?』
本当にそうなんだよね。普通の探索者なら1層を攻略するのに時間がかかるんだが、
この子達の場合、ガンガン倒して前に行くんだが全然疲れていないんだよな。
ダンジョン内は魔力で満ちていて、従魔たちは強化されるらしいんだが、この子達の場合、とんでもない強化になっているみたいだ。
「従魔たちはダンジョンに1週間に1度はダンジョンに潜らないといけないんだよな」
『魔力欠乏症になるんだって』
『なにそれ?』
『モンスターって魔力を体に取り入れて生きているからな。人で言う呼吸ができなくなるんだよ』
『1週間は耐えられるんだ』
『逆に言えば、1週間経ったら死ぬ可能性があるからな』
それが一番怖い。だから定期的にダンジョンに潜る必要があるんだが・・・
「最近、魔力を空気中に発生させる魔道具ができたみたいですよね」
『それだ!!』
『それがあれば、家で愛でられるのでは?』
「魔石を交換する仕様上、ダンジョンに潜るのは確定ですけどね」
『しかもめっちゃ高かったぞ。確か・・・1000万はするってよ』
『それ誰が買うんだよ!?』
本当に最近できたばっかりで、大量生産はまだできないらしくめっちゃ高いんだよね。俺の従魔たちのおかげか、需要は高いらしい・・・マジで?
「時々質問とかコメントできますけど・・・従魔たちとの出会いって結構偶然ですからね」
『それでも羨ましいぞ!!』
『本当にその運を分けてくれ!!』
『俺も可愛いモンスターに出会いたいな!!』
めっちゃ羨ましがられている。俺も視聴者の立場ならそう思うのも無理はないかな。俺自身も異常だと思っているしな。
「シエルとの出会いが俺を変えたんだよな」
ヒン?
ピィ?
「シエルと出会えたことが俺にとっての一番の宝だよ」ナデナデ
ヒヒ~~~ン♪
追いかけっこが終わったシエルの頭を撫でながら、今までのことを振り返ると、
本当にこの子に出会えてよかったと思う。何度も思っていることなんだが、
家族になってよかったって心の底から思っているよ。
ワンワン!!
ピィピィ!!
「うおっ!?・・・お前たちのことも俺にとっては宝だよ」ナデナデ
ワフ~~♪
ピィィ♪
と私は私は!?って感じで俺に迫ったシラユキとナイトを撫でつつ、この子達と一緒に配信を頑張って稼いで、たくさんのお礼をしないとな?
『めっちゃてぇてぇ』
『従魔たちとの絆が見えてくるよな』
『本当に硬い絆で結ばれているよな』
『パーティーよりパーティーだろこれ』
『パーティーの中では報酬とかでもめたり、仲間との連携で亀裂ができるからな』
『そういう意味でも最高のパーティーだろうな』
とコメントも俺たちの絆をよく思っている様子。
本当に嬉しい限りだ。
「さてと・・・このままボス部屋まで行くぞ!!」
ヒヒ~~~ン!!
ワオ~~~ン!!
ピィィ!!
このまま突っ走るぞ!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「・・・・・・」
『・・・着いたな』
『・・・着いちゃったね』
『・・・ここまで何分だ?』
『・・・まさかの休憩から5分、配信初めて20分も経ってないぞ?』
「・・・俺の言葉でやる気に満ちたみたいですね」
うん・・・ここまで猛スピードで攻略できるとは思ってもみなかったよ。
どんだけ張り切っちゃったんだこの子達は?
「このまま・・・ボス戦行きますかね?」
『・・・行きましょうよここまで来たら』
『シエルちゃんたちのテンションが高い高い』
『これで行かなかったらブーイングの嵐ですね』
「ですよね・・・行きたいか?」
ヒン!!
ワン!!
ピィ!!
うん。全員やる気十分。いつも落ち着いているシラユキも戦闘意欲マシマシだ。
こうなったら行くしかないのかね?それに・・・
「配信初めて20分も経っていないですからね・・・ここで終わるのもね?」
『それはそう』
『ここまで来たら4層攻略だ』
『4層のボスってなんだっけ?』
『確か・・・オークのはず』
「オークか・・・変異種とか出ませんよね?」
『一度この人引いているからな』
『それはない・・・と信じたいな』
『それも運ですよ』
「そうですね。その時は俺の運が悪かったってことで割り切ります」
とコメントを確認しつつ、ボス部屋に入るのだった。
オークとは聞いていたが、見た目はどんな感じなんだろうな?




