第87話 甲府ダンジョン・4層配信 1
「本当にありがとうね。波多野君」
「どうってことないですよこれぐらい」
「けど波多野君のおかげでストーカーに怯えずに済んだからね」
「あともう少しですべてが終わりますから・・頑張ってください」
「波多野君もダンジョン配信頑張ってね」
ということで、足立先輩のストーカーが捕まった次の日、俺は足立先輩を甲府県警に連れて行った。
これから事情聴取が行われ、その後近くのホテルに泊まることになっているそうだ。
家はストーカー野郎のせいでぐちゃぐちゃになっているとのことで、警察がお金を出してくれるらしい。
「・・・示談とかになるんですかね?」
「それが・・・あの人が捕まったことで、他に被害があった人達も一気に出てきたみたいでね」
「・・・示談ではどうにもならないってことですか」
「そうなるわね」
親族の力でやりたい放題していたみたいだし、自業自得だろうな。
「それじゃあ行ってくるわね」
「頑張ってくださいね」
「そっちこそ」
と足立先輩を送った後、俺は従魔を連れて甲府ギルドに向かうのだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「到着!!」
ヒンヒン!!
ワンワン!!
ピィピィ!!
とギルドに到着した瞬間、探索者たちがこっちを見てきた。
今回から従魔たちを外に出している。問題はないと思っての行動だったのだが。
「おい・・・あれって」
「あの従魔たち・・・ってことは?」
「マジかよ・・・CGじゃなかったんだ」
「今頃そういうのかよ・・・けど」
「うん・・・分かる」
ヒン?
ワフ?
ピィ?
「「「「めっちゃ可愛い!!」」」」
何か凄い合唱だったな。けどわかるぞ。
俺の従魔たちはめっちゃ可愛いからな。
「受付お願いします」
「はい・・・あの~~~」
「何でしょうか?」
「その従魔たちってことはもしかして」
「ユニモンチャンネルです」
「デスヨネ・・・撫でたりしてもいいでしょうか?」
「ここでこの子達を撫でたら・・・嫉妬の視線がめっちゃ刺さりますよ?」
「・・・・・止めときます」
めっちゃ悩んでいたな。けど実際ここで1人に撫でる権利を与えると、
めっちゃ人がこっちに来て他の人の迷惑になるのだけは避ける。
だけど・・・ファンサービスぐらいはしてもいいか?
「シラユキ。こっちに来て」
ワフ
とシラユキにお願いをして、サインを書いて受付嬢に渡した。
「これを飾ってください」
「いいんですか!?」
「はい・・・サービスってことで」
とサインを渡し(そのときめっちゃ視線が刺さったがここはフル無視することに)、
俺たちは甲府ダンジョンに入るのだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「皆さん・・・ダンジョン内では久しぶりですね」
『救世主の配信だ!!』
『出会え出会え!!』
「私たちは大名か何かですかね?」
配信を開始した瞬間、結構なコメントが来ていた。
『ここは?』
「あるダンジョンの4層に来ています。今日はここを攻略しようかと」
『オニキス君はお留守番?』
「そうなんですよね。家の掃除をするからお留守番をするって言って」
めっちゃ張り切っていたからねあの子は。
「実はプライベートでここのダンジョンの3層を攻略しまして」
『あのゴブリンパーティーをか?』
『教えて有識者』
『前衛が盾持ちのゴブリンソルジャーが2体に魔法を撃ってくるゴブリンメイジと影から狙撃してくるゴブリンアーチャーの4体を相手にするんだよ』
「最初は苦戦するからなと思ったんですが、意外と楽勝でしたね」
『初心者パーティーなら1週間は必ず苦戦するのを1戦で突破って』
『やっぱ強くないか?』
実際、苦戦という苦戦はしなかったからな。
「従魔たちのおかげですよ。本当にありがとな」
ヒ~~~ン♪
ワンワン♪
ピフィ♪
『めっちゃ照れてる』
『かわわ!?』
『本当に癒しの配信だよな』
『それを見に来ている視聴者しかいないからな!!』
「それじゃあ行きますか!!」
ヒヒ~~~~ン!!
ワオ~~~ン!!
ピィィィ!!
ということで4層攻略スタート!!
4層からは3層のボスで出てきたゴブリンソルジャーやゴブリンメイジが出現するが、パーティーとして出てこず1体で出現するんだとか。
その他に出てくるモンスターとして。
ぴょんぴょん!!
この<ホーンラビット>が出てくる。
見た目がウサギだから弱いと侮るなかれ。
このウサギの突進はめっちゃヤバいと聞く。
翠曰く、このウサギの突進は鉄の鎧を貫通するほどの威力らしい。
けどな・・・・
『・・・・ヤバ』
『ホーンラビットが一撃で飛んでる』
『今度はナイトちゃんが燃やしてる』
『・・・強すぎない?』
う~~~ん。いつも通り。
ホーンラビットが燃やされて、吹っ飛ばされて、カチンコチンに凍らされている。
俺はそれを見ながら魔石を回収している。
「いつも通りだけど・・・本当にわが子たち強すぎるよね」
『その一言でいいのかユウよ?』
『けど、実際そうだから何も言えないよな』
『一方的な蹂躙だもんな』
と視聴者と見ながら、従魔たちの強さに感服するのだった。




