第9話 シエルとのんびり
探索者登録と従魔登録を完了させた俺とシエルは家に戻ることにした。
本当はダンジョンに潜ったほうがよかっただろうが、凄い視線がこっちに刺さってきたからな。あんな状態でダンジョンに行こうとすれば面倒ごとが起きる可能性が大である。
「ダンジョンに行くのは・・・明後日にしようか」
ヒン♪
「シエルも分かったみたいだし、今日はゆっくりしますかね」
明日は休日で明後日が平日だからな。休日はギルドも多いだろうし、平日に行くほうが人の視線にさらされずに済むもんな。
「シエルは人込みは大丈夫か?」
ヒン?
「・・・人混みが分からないって感じか。さっき、たくさんの人に見られていたと思うけど大丈夫か?」
ヒヒン♪
・・・問題なさそうだな。結構人懐っこい感じだからな。受付嬢の高橋さんにも撫でられてうれしそうだったし。
「・・・ダンジョンに挑むのに俺は役に立たないからな。シエル。俺を守ってくれよ」
ヒン!!
フンスとやる気があるのは何よりです。
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家に戻った俺は昼を軽く済ませた後に、これから何をしようかなと考えることに。
「今までは会社とアパートを行ったり来たりで休みの間も仕事で趣味という趣味が全然なかったからな」
本当に何も浮かばないんだよな。マジでこれからどうしようかな。
「さてと・・・真面目に何をしようかな?」
ヒン?
そういえばシエルとの出会いで忘れていたことがあるな。それは、
「ここで畑を耕して、農業をやろう!!」
と思い立ったが吉日ということで、シエルにお留守番をお願いし(お留守番の意味が分からないため、家を守ってくれと言ったら喜んで返事をしてくれた)、一度ホームセンターまで運転して、畑用の農具を一式買って家に帰った。
「よ~~~し、耕すぞ!!」
30分後
「ぜぇ・・・ぜぇ・・・おわ・・・った」
最近運動をしていなかった弊害で、体力が切れるのが早くこまめに休憩しながらやったが、それでも息切れ状態である。ちなみに畑の大きさは大体5㎡ぐらいで、家の裏側に作った。
「・・・あとは、種をまくだけだな」
種は玉ねぎとジャガイモを撒いた(列は4列で玉ねぎ2列、ジャガイモ2列)。
「後は水を撒くだけだな・・・ってシエル?」
ヒヒーーン!!
とシエルが飛び出してきて、俺に何か訴えようとしている。
「もしかして、水を用意してくれるのか?」
ヒン・・・ヒヒン!!
とこくりと首を縦に振り、鳴き声ともに水を生み出して器用に与えているではないか。
「・・・シエルは凄いな」
ヒヒン♪
と水やりがすぐに終わった俺はシエルの頭を撫でながら、残りの時間をのんびりとするのだった。




