第70話 ナイトの力
「・・・・・」
「あの・・・・小夜さん?」
ピィ?
ワフ?
ナイトが生まれた次の日。
俺は従魔登録のため甲府ギルドに来ていた。
お供でシラユキも一緒だ。
シエルとオニキスがお留守番である。
「・・・もしかして、フェニックスでしょうか?」
「フェニックスって言うとあの不死鳥のことですよね?」
「はい」
ナイトの種族の話である。
フェニックス・・・これが本当なら、俺の従魔にはペガサスとフェニックスがいるということになるんだが。
「実際、ナイトちゃんは戦えるんですか?」
「実は・・・」
今日の朝にダンジョンニュースをやっていたのを一番近くで見ていたんだよね。
多分この子も戦闘狂だ。うずうずしていたのをシラユキがまだ行かないよって抑えてくれていたんだよね。
「なるほど・・・まさかのナイトちゃんも戦闘狂だったと」
「そうなりますね」
「・・・しかし、可愛いですね」
とナイトの頭を撫でた小夜さん。
ナイトも人に恐怖心がなく、されるがままどころか、もっと撫でてとアピールもしている。撫でられるのが好きなんだよね。
「・・・可愛すぎませんか?」
「俺が生まれてすぐに頭を撫でながら抱いたからなのか、撫でられるのが好きなんですよね」
「そうなんですか」
ピィピィ♪
と撫でるのを止めない小夜さんと撫でられるのがうれしくて気持ちよさそうにしているナイトを見てほっこりする俺でした。
ちなみに、シラユキが「クゥ~~~ン」と悲しい顔をしていたので、俺が頭を撫でると嬉しそうな顔をしているのを見て。
(うちの従魔はみんな撫でられるのが好きだよな)
と実感する俺でした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
あの後、正気を取り戻した小夜さんに従魔登録をしてもらい、
ナイトに赤いスカーフが巻かれたのだが、
「シエルやシラユキは白だったから分かるけど、ナイトの場合、スカーフの色と体の色が同じだから遠目から見ると分からんな」
ピィ!?
そう。見た目が真っ赤なナイトに真っ赤なスカーフはミスマッチすぎるんだが。
遠くから見ると、マジで分からん奴だな。
「小夜さんからも規則事項なのですみませんって言ったけど、こればかしは仕方ないよな」
ピィ・・・
凄いへこんでいる。スカーフを巻かれたときめっちゃ嬉しそうだったからな。
似合っているって言われたかったのだろうな。
ちなみにナイトも雌です。
そして、テイムも完了しています。
「さてと・・・本当に戦うんだよな?」
ピィ!!
「やる気十分だが・・・お前は赤ちゃんだから無理しなくていいんだぞ?」
ピィピィ!!
僕だって戦えるんだよ!!って言っているな。
本当に大丈夫なのかね?
スンスン・・・ワン!!
「モンスターがこっちに来ているようだな。行けるんだなナイト?」
ピィ!!
「・・・分かった。頑張ってこい!!」
と応援してナイトを行かせる俺だった。
この子がここまでやる気を出しているんだ。
卵の中にいた時は生きることを諦めかけていた子が、ここまでやる気を見せているんだ。その覚悟を無駄にするような真似はしないぞ俺は。
グゥ?
現れたのはコボルトだ。
言っていなかったが、ここは甲府ダンジョンの2層にいるぞ。
前に1層に行っていたからな。今回2層でチャレンジだ。
ピィーーー!!
という鳴き声と共に、コボルトに向かって突進しに行った。
それと同時に全身に炎を纏わせながらの突進だ。
見た目通り火属性持ちか。
ピィィィ!!
グギャァ!?
と突っ込んだ結果。コボルトが全身を炎に包まれて黒焦げになった。
そして炭のように消えた。
・・・威力ヤバ。
ってナイトはどこに行ったんだ?
「ナイト?」
ピィ!!
「おぉう!?・・・大丈夫か?」
ピィ
と頷きながら、褒めて褒めてっと頭を差し出してきたので撫でた。
小さい体になんて力を秘めているんだこの子は!?
「凄すぎじゃないか!!かっこよかったよ」なでなで
ピィィ///
凄い、モンスターも赤面するんだね。
全身真っ赤なのにより赤く感じて・・・って熱い!!
「フゥフゥ」
手が火傷になりかけたんだが。
ワン!!
「ありがとなシラユキ」
シラユキが氷を作ってくれたのでそれで冷やすのだが、
めっちゃすぐに溶けてなくなるんだよね。
だから、何度も作ってもらっている。
ピィィ
「そんなに落ち込むなって。お前が強いってことが分かっただけで十分だよ。
ところで・・・体当たり以外には何ができるんだ」
と言った瞬間にコボルトがもう一体現れた。
そのコボルトに向かって。
ピィィ!!
ボォウ!!
ギャウ!?
と炎の渦みたいなのを出して、コボルトを一瞬で灰にした。
・・・この子ヤバいかも。
「・・・シラユキ。ナイトと戦ったらお前は勝てるか?」
フリフリフリ
と首を横に振るシラユキをみつつ、ナイトの力に戦慄する俺だった。




