第69話 卵からヒビが!? 生まれてきたのは・・・
俺が共鳴スキルと試して3日後。
俺は家で配信をしていた。
『まさかの2回連続のんびり配信』
『ダンジョンに潜らないんですか?』
「今は卵を孵すまではちょっと潜れないですね」
『卵の中にいたモンスターは大丈夫なの?』
『確かに。魔力が少ないって話だったけど』
「今は、シエルたちが魔力を与えているので問題はないですよ」
だいぶ魔力を分け与えていたからな。
卵も最初はちょっと冷たかったけど、今はあったかく感じたからな。
前よりも状態はいいと思う。
「問題は・・・何が生まれるかですよね」
『それはそう』
『ゴブリンとかではないだろうしな』
『宝箱から出てきたんだぞ!!絶対レアモンスターだよ』
「だとしたら、俺の従魔は全員レアですよね」
色んな人が羨ましがる図が見える見える。
だとしても、俺は何もしていないからな。
偶然に偶然が繋がった結果だぞこっちは。
「今は、オニキスとシラユキの駆けっこを縁側で見ている俺と一緒にゆっくり見ましょうよ」
『そうだね・・・ってオニキス君すご!!』
『シラユキちゃんも速いけど、オニキス君も負けていないぞ』
『それにしても・・・走るの好きだよね?』
「じっとするのが全員苦手っぽいんですよね。ちなみにシエルは卵の方でかんさつしています。様子も兼ねて行ってみますか」
と立ち上がろうとした時だった。
ドタドタドタ!!と足音が聞こえてきた。
この足音はシエルだが、一体?
ヒン!?ヒヒン!!
「・・・卵にヒビが入ったって!?」
ぽよん!?
ワフ!?
『マジで!?』
『早く急ごうぜ!!』
『これはもしかすると』
と俺の声に合わせて、追い駆けっこをしていた2体もこっちに向かい、ドローンを連れて卵を置いている場所に向かった。
「本当だ。卵にヒビが入ってる」
『綺麗なヒビ跡』
『何が生まれるのかな!?』
『世界で初じゃないか。こんな配信は』
『ユウ!!この配信みている人が10万人超えたよ!?』
「マジか。めっちゃ拡散されているみたいだな」
Tw〇tterの方を見るとめっちゃ拡散されているや。
トレンドの上位にチャンネル名があるんだが。
「・・・生まれたら歓迎しないとな」
ヒン?
「この卵が冷たかったことを考えると、生きることを諦めていたのかもしれない」
ワン
ぽよん
「だから、俺たちで歓迎しよう。生まれてきてくれてありがとうってな」
ヒン!!
ぽよん!!
ワン!!
と返事をしてもらった瞬間。
ピシッ、ピシシシッ!!
とどんどんヒビが大きくなっていくのがわかる。
もう少しだ。もう少しで生まれる。
「・・・・・」
『ユウも従魔も黙って見てる』
『こっちも緊張してきたよ』
『スゲェ。視聴者が15万超えたぞ』
『ガンバレ!!』
『俺たち視聴者も生まれてくるのを望むぞ!!』
と配信を見てくれている視聴者も見守る中。
遂に。
ピカァ!!
「うわ。まぶし!?」
ヒン!?
ぽよん!?
ワフ!?
『目が目が!?』
『それは古のネタだぞ!?』
『けど、まぶしくて何も見えねえ』
『これを間近で見ているんだぞチャンネル主は』
『どうなったんだ!!』
と急な光に目を当てられ、とっさに腕でガードをした。
横ではシエルとシラユキが目をつぶり、オニキスは触手で目を塞いだ。
10秒ぐらいは光っていたが、どんどん弱くなるのを感じ、
遂に光が収まったのを確認し、腕を下げるとそこにいたのは。
ピィ?
「・・・小鳥なのかな?」
ヒン
ぽよん
ワン
『小鳥だ!!』
『卵の大きさより小さいぞ』
『卵の半分ぐらいか』
大体20㎝ぐらい。シエルとシラユキよりも小さいな。
赤ちゃんだから仕方ないかもしれないが。
「それにしても・・・真っ赤な小鳥だな」
『可愛いけどね』
『小さい鳥だな』
『こんなモンスターっていたっけ?』
ピィ?
「よいしょっと・・・そっとそっと」
目線を合わせて(めっちゃ腰が痛い態勢になったが)、眼を見るとヒスイ色のいい目をしていた。
「よしよし」
ピィィ♪
「気持ちいいか?」
と頭を撫でつつ、持ってきていたタオルで体を包んだ。
めっちゃ触って気づいたがあったかい。
動物の赤ちゃんは体温が高いと聞くが、この子はとんでもなく熱い!!
「・・・・名づけをどうするべきか」
ピィ?
『・・・考えていなかったのか?』
「生まれるのはまだかなぁと思っていたので、こんな早く生まれると思っていなかったんですよね」
・・・全身真っ赤だし、それにちなんだ名前にしたいよな。
ガーネット?それともルビーとかか?
「う~~~~ん、赤赤・・・」
と携帯でちょっと調べてみる。そして・・・
「よし!!今日からお前はナイトだ」
『普通過ぎないか』
『まさかの騎士かよ』
「ロードナイトという赤の宝石が由来だ。石言葉で友愛や博愛を意味する。
これから家族を愛し守り続ける騎士という意味も込めてね。どうかな?」
ピィ!!
「気に入ってるのかな・・・今日から俺たちは家族だ!!」
ピィピピィ!!
ヒン!!
ぽよん!!
ワン!!
今日から宜しくね。ナイト。




