第67話 小夜さんと協会の状況、そして・・・
社長からの忠告があった次の日に
『協会について、更新したい情報があります』
と小夜さんから連絡があったので甲府ギルド支部に向かった。
ちなみに、一緒に乗っているのはシエルだ。
オニキスとシラユキはお留守番である。
今日はダンジョンに潜らないことをあらかじめ約束はしている。
まぁ、ちょっと不貞腐れてはいたが。
「小夜さん。来ましたよ」
「優馬さん。こちらへ」
と個室の部屋に向かった。
実はここ最近、名前で呼ばれている。
自分が「小夜さん」って呼んでいるから、こっちも名前でいいですよと伝えた結果だ。
「それで協会から何かアクションがあったんですか?」
「・・・実は、優馬さんの情報を渡してほしいと協会から連絡があったんですよ」
「それは本当ですか?」
「はい」
俺が山梨に住んでいることはバレている。
探索者登録もここでしていることも向こうは知っているってことだ。
「スキルについては配信でも言っていた剣術スキルにしています」
「それは・・・いいんですか?」
虚偽報告になっちゃうんじゃ?
「もし、これでテイムのスキルを正直に伝えると、否応なしに協会に連れていかれる可能性が高いですよ」
「そう・・・ですか」
「えぇ。向こうも、優馬さんに特殊なスキルがないっと分かった場合、狙うのは」
「シエルたち従魔の方になるんですか?」
「はい」
三枝社長も言っていたことだな。
協会が人を雇ったりして、俺に難癖をつけてくる可能性のことだろう。
俺に攻撃してくるだろうし、従魔たちがそれで怒る。
そして、従魔たちが反撃したのを、あたかも向こうからやりましたよっていう風にして、俺の従魔を危険モンスターとして取り上げるって寸法か。
「協会は良くなる可能性ってあるんですかね」
「だから、世界で日本の協会は腐っているって言われるんですよ」
「世界で知られているんですね」
なら、早く改善しろよ・・・って言っても、政府もグルだからな。
本当にどうしようもないんだな。
「最悪、アメリカかイタリアとかに行くことも視野に入れたほうがいいですよ」
「どうして、その2か国を?」
「この2か国が探索者制度がしっかりしていて、協会も腐っていないからですね」
「なるほど、社長とも相談します」
それはいいことを聞いたな。
最悪そのことも考えないといけないな。
「協会は今の幹部の親族とかで構成されていて、腐り散らかしている現状です」
「はい」
「しかし、その現状を打破しようと動いている人たちもいます」
「相馬さんですよね」
「はい・・・それだけではなく、実は佐野翔さんも動いているみたいです」
「佐野翔・・・って相馬さんと同じS級の!?」
まさかであった。
そうまさんだけではなく、俺と同世代で最強と言われるS級探索者も動いているなんて。
「彼も、このままでは日本の探索者事情が遅れることを危惧しているみたいですね」
「そうなんですね・・・このまま後1人のS級が動いてくれればってところですか」
「そうなりますね」
日本のS級探索者4人のうち2人が動いている。残り1人が動いてくれれば。
もしかしたら。
「今の協会は古い考えの人が多く、若い活力がある人は潰されている現状、このまま黙っておくわけにはいかないって人達も立ち上がりつつありますからね」
「後は、協会の幹部を叩くだけですかね」
「そうなりますね」
これは光明が見えてきたかもな。
・・・ってそうだ。このままもう一つ、話したいことが
「すいません。それとスキル鑑定を今使えますかね?」
「また、どうしてですか?」
「実は・・・」
従魔たちをテイムしてから、体の調子が良くて、動きが良くなっていることを話した。
「それは・・・体調が良くなっただけでは?」
「にしては良すぎるなと思って。いいですか?」
「・・・分かりました」
ってことでスキル鑑定をしてもらうことに。
もし、新しいスキルが手に入ったらどうしようかな?
と思っていたら。
スキル鑑定の水晶に触れて映し出された項目には。
波多野優馬
スキル:テイム、共鳴
うん?何か聞いたことがないスキルが?
「・・・・小夜さん」
「・・・優馬さん。あなたはまた」
「ははは・・・ってことは」
「はい。まさかのレアスキルですね」
「良かった。俺以外にも持っている人はいる・・・ってレアですか?」
「世界で10人にも満たないレアスキルですよこれは」
・・・どうしてこういう運は良いのかな!?




