第62話 さいたまダンジョン配信
「皆さん、昨日ぶりです!!」
『待っていたぜ!!この時をよ!!』
『従魔たちがみんな後ろで待機している』
『待機姿も可愛いよ!!』
待機・・・ってよりは、全員が俺のほうを見て「まだ?」って感じで早く挑みたいっていう戦闘意欲で見ているからな。ちょっと怖いんだよ。
「実は、ギルドに到着して結構見られたんですが・・・誰も話しかけてこなかったんですよ」
『迷惑を掛けないようにしたいって配信で言ったからでは?』
「それでも、破る人も絶対とは言わないですがいると思うんですよね」
『あぁ~~~それは確かにそうだ』
『マナーを守れない探索者は一定数はいるからね』
『ってことは今回挑むダンジョンのギルドの人たちは良識人ってことか』
「めっちゃ助かりますからね。後でサインを書いて飾る予定ですよ」
『うわ~~~絶対行きたい』
「ちなみにサインにはシエルの足をハンコにする予定です」
『生のサインを見たいんだが』
『場所がどこか探すのかよ』
『特定班とか動きそうだけど』
「・・・それは勘弁願いたいな」
場所の特定はヤメテケロ。
俺は騒がしいのは苦手なのだよ。
「もしこれが東京のギルドだったらと思うと」
『拡散&長蛇の列』
『帰還後にサイン会開始』
『疲労でぶっ倒れる』
「嫌なコンボだなおい」
マジでそうなりそうで怖いんじゃが。
って今はネガティブな考えはやめたほうがいいな。
「今回は、シラユキの配信デビュー戦だからな。頑張るぞ!!」
ワン!!
ヒン!!
ぽよん!!
「シエルとオニキスは張り切り過ぎないでね」
ヒン!?
ぽよん!?
お前たちが戦闘狂なのは分かっているが、今回はシラユキが主役だからな。
って何回か説明したんだがな。
ヒンヒン!!
「どうやらモンスターがこっちに向かってきているみたいだな。
シラユキ、やれそうか?」
ワン!!
と返事をした後、俺たちの前に出てきてうなり声をあげた。
ガルルルル!!
そして現れたのはゴブリンが3体。
こっちにはまだ気づいていないみたいだ。
ワン!!
グギャ!?
『シラユキちゃんの爪が光ったぞ!?』
『あの体でゴブリンを一撃で倒したぞ!?』
『シラユキちゃんマジパネェ』
何かコメント欄にチャラ男がいたぞ?
ワンワン
ヒン?
ワフ
ヒヒ~~~ン!!
とシラユキとシエルが何か作戦を考えているようだ。
それと同時に残り2体のゴブリンが突っ込んできた。
ギャギャ!!
ギャーーース!!
次の瞬間
ワオ~~~ン!!
ヒヒ~~~ン!!
とシエルが水魔法で大きな水の塊を作り、それをシラユキが凍らせたではないか!?
もしかして・・・自分たちで考えて新しい魔法にしたのか?
ヒヒ~~~ン!!
ギャァ!?
グギェ!?
とシエルが飛ばした大きな氷の塊は見事ゴブリンの体をぶっ飛ばして倒すことができた。
「オニキス」
ぽよん?
「シエルもシラユキも本当にすごいな」
ぽよよん♪
『見ごたえ十分すぎるんだが』
『まだ配信始まって10分も経っていないぞ』
『さっきの魔法攻撃は凄かったけどな!?』
『シラユキちゃんの魔法って氷?』
『ユウの所の従魔が特殊過ぎ』
「それはそうだよね。俺もそう思っているから・・・けど」
ヒヒン!!
ワン!!
「可愛いは正義というじゃない?」
ヒン♪
ワフ♪
とシエルとシラユキの頭を撫でながら答える俺だった。
『それはそう』
『可愛いは許される』
『それでも・・・普通に強すぎる気が』
『今日はどこまで進むの?』
「出来れば行けるところまで行きたいよな・・・オニキス?」
ぽよんぽよん!!
「どうしたんだ急に?」
『オニキス君が何か見つけたみたいだぞ』
『何を見つけたんだ?』
「ここの壁がおかしい?」
ぽよん
「分かった。お前を信じる」
ということでオニキスが怪しいという壁に目掛けて思いっきり剣で斬りつけた。
すると・・・
ガラガラガラ!!
という音共に出てきたのは何と!?
「・・・まさかの隠し部屋?」
『マジで!?』
『これはニュースでしょ!?』
『やっぱりダンジョンにはあるんだ。隠し部屋が』
現れたのは何と隠し部屋だった。
ゲームのダンジョンとかではお約束だが、まさか実際に体験することになるとは思わなんだ。
「オニキスはどうして気づいたんだよ?」
ぽよん・・・ぽよよよん
「さっきの魔法でゴブリンが壁にぶつけられたとき、ここの壁から反響した音が聴こえたって?」
ぽよん
「・・・オニキスは凄いな」
ぽよん♪
これは・・・現実逃避をしても仕方ないと思わないか?
まさかの隠し部屋を引き当てるとは夢にも思わなかったよ。
「隠し部屋に宝はあるんかね?」
卵から生まれてくるモンスターは一体!?
次回もお楽しみに!!




