第3話 子馬?を家に連れて帰る
公園に変な鳴き声が聞こえてきて、寄って見たらあら不思議、何とダンボールの中に子馬?がいたのだ。
ヒン?
「スゲーーー小さい馬だな・・・ぬいぐるみみたい」
いや、本当に小さい。さっき携帯で調べたが、生まれたての仔馬の身長は約100㎝ほどらしいが、この仔馬は大体50㎝も満たないぐらいの小ささだ。しかも特徴的なのは。
「目が青いし・・・何よりこの背中の羽だよな」
全体的に白だが、ちょっと汚れていて灰色ぽい感じになっている。目が青く背中には羽があるのだ。これは間違いない。
「十中八九モンスターだろうな・・・けど、どこから来たんだ?」
山梨のダンジョンは県庁所在地である甲府市とかにしかない。そこから来たのだろうか?
「どうするべきか・・・ダンジョン協会に連絡を入れるべきなのかね」
ダンジョン協会は簡単に言えばダンジョンを管理している団体組織であり、探索者たちは倒したモンスターの素材や魔石を協会に渡して換金し、生計を立てている。
「けど・・・こいつの見た目がなぁ。なんというか可愛すぎるというか」
俺がしゃがんで頭をなでると、嬉しそうに頭を俺の手にこすりつけてくる。離そうとすると目をウルウルしてもうおわりなのという目をしてきて良心が痛む。
「・・・こんなに可愛い見た目のこいつを協会に渡したとしても、モンスターとして倒される可能性が高いよな・・・よし」
ここは男として覚悟を決めよう。
「なぁ。行く当てはあるのか?」
ヒン
こいつは悲しそうに顔を横に振った。まぁ行く当ては実際ないだろう。ここにいたのも休憩のためだろうしな。
「今俺は広い家に1人で住んでいるんだ。だから、一緒に住まないか?」
と提案した瞬間、眼がキラキラして俺に突っ込んできた。慌てて荷物を下に置いて、飛びついた仔馬をキャッチした。そいつはペロペロと俺の頬を舐めてきたのだ。
「こいつ・・・俺の言葉を理解しているみたいだな。来るんだな?」
ヒン!!
と嬉しそうに鳴きながら、俺の頬をずっと舐めるのだった。・・・あのもうそろそろやめてもろうて。
「なら、早速家に帰るぞ」
ヒヒン!!
「・・・背中の羽は飾りじゃないんだな」
うん、それについては考えないでおこうかな。
こうして、ペガサスっぽい見た目の可愛い仔馬を新しい家族として迎える俺なのであった。
帰って最初に行ったのは、仔馬の体を洗うところからだった(お湯で体を洗った瞬間、すごい汚れが流れ落ちて綺麗な白になった)。




