第27話 オニキスとの初コンタクトと第2層ボス手前
「可愛い!!ぷにぷにしてる」
「本当に真っ黒ですね。オニキスちゃんは」
ぽよん///
オニキスを2人に見せたら、最初は警戒していたが2分後にはもう触れ合っている。
オニキスは落ち着いているからな。戦闘以外では。
「シエルはもういいのか?」
ヒン
「俺の頭の上のほうが落ち着くって・・・大きくなったら乗せられんよ」
ヒン!?
大きくなったら俺の首が間違いなく死ぬからな。勘弁してほしい。
とオニキスと2人が触れ合っていた時だった。
グギャギャ
「っ!?お姉ちゃんゴブリンが」
「あっ!?本当ね」
と2人が戦闘準備に取り掛かろうとした時だった。
ヒ~~~ン!!
グギャ!?
「「えっ?」」
シエルが俺の頭の上から飛び出して、風魔法で一気に壁までぶっ飛ばしたのだ。これが初見の2人は呆然としていた。
ヒンヒン
「よくやったシエル!!」
ヒヒ~~~ン♪
俺が頭をなでると喜んで気持ちよさそうにしている。それを見たオニキスがちょっと嫉妬しているのも分かる。本当に可愛いなお前たちは。
「え~~~っと、優馬さん」
「どうした真奈美?」
「シエルちゃんは・・・強いんですね?」
「俺が言ったの忘れたのか?1層のボスをシエル1人であっさり倒したことを」
「そうですけど・・・」
「シエルちゃんすごすぎだよ」
どうやら、2人はシエルが本当に強いことを疑っていたみたいだった。けど実際に見たもんだから脳の処理が追い付いていないのだろう。
「分かる。お前たちの気持ちも。俺も最初は目を疑ったからな」
「優兄もだったんだ」
「これが何度か続くと慣れちゃうんだよ」
「それは・・・」
「ちなみに、オニキスもゴブリンやコボルトをワンパンするからな」
「「えっ!?」」
うん、2人が絶句する気持ちも分かるよ。
「もしかして、優兄はここまで全然苦戦してない感じなの?」
「シエルとオニキスが出てくるモンスターをワンパンしていくからな。俺はドロップしたものを回収するだけだよ」
「探索ってより作業になっていませんか?」
「作業は前職で慣れているからモーマンタイ」
「そこはかとなく闇を感じるよ優兄」
前職では同じ作業を何度もやらされたりしていたからな。こんなことはお茶の子さいさいだ。
「このままノンストップで行けば2層のボスのところまで行けそうなんだよな」
「そうなんですか?」
「うん。シエルとオニキスが乗り気でな。2人も一緒に付いてくるか?」
「私たちは大丈夫です」
「ついていこうよお姉ちゃん」
「ダメよ。私たちは今日は2層の探索をするだけって決めてたじゃない。これで抜け駆けすると亜理紗ちゃんに怒られるわよ」
「それは・・・嫌だなぁ」
「2人はパーティーに入っているのか?」
「はい。1年前に中学の同級生と入っていて、一昨日に1層を攻略したんです」
「それで今日は2層を軽く探検しようってことで来たんだよね」
「なるほどな」
真奈美と瑠莉奈はちゃんと青春やっているんだな。お兄さん関心関心。
「優兄。コボルトが5体も・・・ってえっ!?」
「嘘」
「う~~~ん。力の暴力」
コボルト5体のうち3体をシエルが風魔法で吹っ飛ばし、オニキスが残り2体を突進攻撃で吹っ飛ばした。どっちもワンパンである。
「優兄の・・・心配はしなくていいよね」
「最強のセコムがいるからな」
「凄い過ぎますね。シエルちゃんもオニキスちゃんも」
「じゃあ俺たちはまだ進むよ」
「はい。頑張ってくださいね」
「シエルちゃんもオニキスちゃんもファイトだよ!!」
ヒン!!
ぽよん!!
「他の人には言わないでくれよ」
「「はい(分かった)!!」」
と従妹たちと別れ、俺たちはダンジョン内を進んでいった。
「まさか従妹たちが探索者になっていたとは。そういえば、俺は正月もお盆も仕事で実家に帰省できなかったからな。親戚の近況を知らないし当然だよな」
そう考えながらダンジョンを進んでいった。そして10分ぐらいかな。
「・・・到着しちゃったよ」
まさかの第2層のボス部屋の前に到着しちゃうのだった。
「戦いたいですか?お前た」
ヒン!!
ぽよん!!
「めっちゃやる気だよこの子達」
高橋さん。約束破りますが謝れば許してくれますか?
高橋「・・・嫌な予感が」




