閑話 高橋さん視点での主人公
私はこの甲府ダンジョンの受付嬢の高橋です。名前はまだ秘密でございます。
この甲府ダンジョンの受付嬢になって早3年ではございますが、1つ言えることがあります。それは・・・
(私ってそんなに怖いのかなぁ?)
受付嬢は全員で4人立ちますが、私のところが一番列が少ないのです。
同僚に聞けば、「あなたの目がキリッとしていて、雰囲気ができる女感があって初心者の探索者が怖がっているって」とのこと。
これは私のデフォなのですがと言いたいが、ここはグッとこらえて我慢することに。誰か私の内面を見てくれる人はいないのだろうかと。
そんな中で4月の平日に、ある男の人が受付の方に来ました。その方は受付が空いていた私のところにやってきたのです。
「スキルを獲得したので、鑑定をお願いしたいと思いまして」
と。私はすぐに鑑定所のほうまで案内したところ、まさかの未発現スキルの「テイム」のスキルを所持し、しかも1体テイムをしているというのだ。ダンジョンに一度も潜ってもいないのに!?
その後に連れてきた従魔の見た目が馬のぬいぐるみで、実はペガサスだと知り私の頭はパンクしました。
(世界初のスキルに未発見のペガサスって・・・この人は何か大きな徳を積んだのですか!?)
と思い、ここに至る経緯を聞き、まさかのブラック企業務めで限界がきて辞めて、ここの田舎に住もうとしたら、捨てられていたペガサスを発見し連れて帰ったとのこと
もう・・・おかしいを通り越して何がどうしてこうなったのでしょうか?
ペガサスが捨てられていたって・・・そんなことがって段ボールの中に入っていた?しかも、スキルを手にしてからペガサスと意思疎通ができる?もう規格外すぎて口がポカーーーンですよこっちは。
その3日後ぐらいに初めてダンジョンに潜って、1層のボスを倒すなんて・・・私が担当してきた探索者の中で一番の規格外なのではと思い、私はこれから担当するのに気が重く感じてしまいましたよ。
ただ、今の探索者たちのレベルは落ちているというよりマナーが悪い人が増えているので助かる部分ではありますが・・・ってそこまでダンジョン探索に興味がない?ってそうですよね。ブラック企業に勤めていたんですよね。しっかり休んでください。
「どうだったの?あなたが担当した探索者は?」
「全部が規格外で面白いですよ」
ただ・・・何かしら無自覚にやらかすのではないかと思ったんですよね。その結果
「・・・・また、新種を見つけているよ」
何で、2度目のダンジョン探索で、未発見のモンスターを見つけて従属にするなんて誰が分かりますか!?こんなことを・・・ってあぁ。凄いひんやりしてこのスライム凄い気持ちがいいよ~~~。
受付嬢の高橋さん(24歳・独身)は今日も優馬に振り回されるのであった。




