第18話 黒い・・・スライム?
1時間前
俺は1人でダンジョンに潜った。一応中高では剣道部に所属はしているが、防具とかもつけていない状態で来ているため、なるべく戦闘をしないように立ち回ろうと考えながら、甲府ダンジョンの2層にダンジョン前に設置されている転移ポータルを用いて着いた。
「・・・ダンジョンの中はどの階層でも変わらないんだな」
1層と2層ではあまり違いがないらしい。壁も洞窟みたいでしっかり安全確認しないとすぐにやられそうだな。
「そういえば、結局この剣の鑑定はしていなかったし、後で鑑定してもらうか」
ホブゴブリンを倒した時にドロップした剣。しかもなぜか鞘付きでドロップした剣は抜いたら綺麗な銀色で、どんな効果があるのかがまだわかっていないんだよな。
「って油断しないように動かないとな」
と言いながら、リュックにある程度の食料や1000円で買った(ダンジョンの地図は探索者ギルド内で売られている。階層が深くなるほど高い)2層の地図を見ながら進むのだった。
「大体出てくるのはゴブリンとコボルトっぽいよな・・・それとスライム」
出てくるのはゴブリンにコボルト、そしてたまにスライムが出てくる。この中だとスライムが一番安全だ。こいつは突進攻撃しかしないのと、動きもそこまで早くない。実際に1体戦って見たが、安全に倒せることができた。
「ふぅ~~~結構しんどいな。改めてシエルの強さが分かるよ」
ダンジョンに進むのに結構神経を使う。これがパーティーとかだったら問題ないだろうが、今の俺は1人だからな。神経使わないと後が怖い。
「・・・テイムをどのモンスターに使おうかな」
と考えているその時だった。
ぽよん・・・・ぽよん
と俺が休憩していたところから20m先にスライムらしき影が。
ただ、このスライムの色が通常の青じゃなく真っ黒なのだ。
「黒いスライム?・・・こいつは一体」
ぽよん・・・ぽよん
何か落ち込んでいないか?もしかして、色が違うからスライムの群れからはじき出されたのか?何か、会社員時代の仲間外れ扱いになった俺と重なるな。
「お前は」
ぽよん
「1人ボッチはさみしいからな。俺のところに来ないか?」
ぽよん?
「え~~~っとな。俺のスキルを使って、お前と友達になりたいんだよ。だから、使ってもいいかな?」
ぽよん
う~~~~ん、何言っているか分からないが、物は試しだ。いくぞ!!
「テイム!!」
俺のスキルが発動した。俺とスライムとの間に何かしらのパスがつながる感じがした。
「もしかして・・・成功したのか?」
ぽよんぽよん!!
「そうか、これからお前と俺は友達だ」
ぽよん!!
と勢い強く俺のところに突進したスライムを抱きしめながら、これをどう報告しようかなと悩む俺なのであった。
色が違うだけで仲間外れのスライムを主人公はテイムに成功。
そのスライムの力が次回明らかになります。




