第16話 ・・・特定されませんように(無理だろなby健太)
中高の親友である健太から、俺が探索者として第1層のボスを初日で倒したことが掲示板から流出されていることを知った。
「・・・たかが1層だから別に騒がなくてもよくね?」
『お前は知らないからそう言うけどなぁ。1層のボスを探索者になった初日で突破した人はいないんだぞ』
「・・・マジで?」
『大マジ』
「てことは・・・俺って結構ヤバいことやったってことか?」
『当たり前だバカ野郎。しかもソロだしよ』
・・・健太に言われて今更ながら俺・・・というかシエルがやったことなんだけども、すごいことをやったんだという自覚が湧いてくる。
『こうなると・・・お前の家が特定される可能性も出てくるぞ』
「それは絶対ヤダ!!」
『なら、今日にでも探索者ギルドに行って相談したほうがいい。個人情報の流出はそれで防げるかもしれないからな』
「分かった。電話でも大丈夫かな?」
『それは・・・俺も知らんさすがに』
個人情報の流出だけは防ぎたい。それと同時に。
「行くとしても、もしかしたら俺のことを待っている人たちもいるってことじゃ」
『そうだった・・・なら逆に行かないほうがいいかもな』
「そうだよな」
『で、お前は本当にソロで突破したのか?』
「俺っていうよりかは従魔かな」
『従魔・・・ってネットの写真に載ってる小さい馬のぬいぐるみっぽい奴だよな。そんなに強いのか?』
「・・・」
健太に俺のスキルのことを説明してもいいのだろうか?こいつは口が堅いからな。問題ないかな。もう一人の親友が軽いから話したくはないが。
「健太。お前は昔から口が堅かったよな」
『そうだが・・・どうした急に?』
「これから俺が話すことを墓場まで持って行くと約束してほしい」
『・・・・・お前がそこまで言うなら約束する』
「オッケー。いうぞ」
と俺は健太に自分のスキルのことと、シエルのことを説明した。
『マジか!?・・・本当にペガサスなのか?』
「あぁ。めっちゃ見た目はぬいぐるみだけどよ。強いのよ」
『お前がそこまで言うのか・・・信じるけど、そのペガサスが公園にいたのが謎だよな』
「本当にそれ。けど、こいつと一緒に頑張るって決めたからな」
『・・・それならいいが、マジで気をつけろよ。ペガサスなんて初めて見つかっているからな』
「それは・・・ギルドの受付の人にも指摘されているからな」
『なるべく、外出る時は探索者ギルドに行った時の恰好だけはするな』
「バレる可能性があるからか?」
『そうだ。それに掲示板の写真がガビガビなのが救いだが、それでも気づいてお前の名前を特定しようとする人は必ず現れるからな。メガネとか掛けて変装したほうがいいと思うぞ』
「ありがと健太・・・ところで、お前は探索者になったのか?」
『3年前にな。一応今はD級だ』
「それは・・・頼りにするぞ先輩」
『やめろ』
探索者の階級はFからスタートしてアルファベット順に上がり、Aの次にSがくる。S級が一番強い探索者となる。健太のDは中級者扱いだ。
『・・・最悪配信者として活動するのもアリだけど』
「配信者ね」
探索者の中には配信して活動している人もいる。投げ銭とかでお金を稼ぎ、それで剣などを買うんだとか。
『配信で、自分は探索者として真面目に活動はしないって言えば収まる可能性もあるけど』
「コラボしてくださいがたくさんきそうだな」
『美女とできるかもよ』
「それは・・・魅力的だけど、今はゆっくり暮らしたいんだ」
『お前ならそう言うよな』
「ただ、配信者はアリかもな。仕事やっていないし」
『その時は応援するわ』
「よろしくな」
と健太とはそこで会話を終了するが、何かどんどんゆっくりのんびり暮らすから離れているような・・・・・気にしないでおこう。
次回、新たなモンスターをテイム!?
お楽しみに!!




