第13話 めっちゃ驚かれたよ
シエルが1層のボスを苦戦することなく倒したことに、驚くことしかできなかった。
「シエルはすごいな!!」
ヒヒーーーーン!!
「ってうわっ!?」
倒したシエルに駆け寄ろうとしたら、向こうから突進された。
・・・めっちゃ痛いよシエル。
「シエル・・・お前は強いんだな」
ヒン!!
「最後の技?はめっちゃかっこよかった」
ヒヒン♪
俺がほめているのが分かったのかめっちゃ機嫌がいいな。ルンルンしているよ。
「ただ・・・倒した後の突進はやめてくれ」
ヒン!?
「めっちゃみぞおちに入ったから」
・・・本当に痛かったの一言に尽きる。俺は長男だからまだ耐えることができた(嘘、今もじんじんして痛い)。
「これからお前が俺より大きくなった時、吹っ飛ばされる可能性が高いからな。本当にお願いな」
ヒ~~~ン
めっちゃ落ち込んでいるな。・・・けど躾をするなら甘やかしすぎず、厳しすぎずだな。
「って、ホブゴブリンを倒したから・・・魔石があるな」
ダンジョンで倒したモンスターは魔石や特殊な道具とかをドロップするんだとか。解体とかはないらしい(俺としてはグロイのは無理だから助かる)。魔石は今は新しいい資源として使われている(家庭機器からダンジョン探索用の道具にまで幅広く)。
・・・てあれ?
「魔石の隣に・・・何かあるな」
倒したホブゴブリンの魔石の隣に何か箱みたいなのが・・・これが宝箱ってやつか?
「シエル・・はまだ落ち込んでいるのか。なら1人で見てみるとしようかな」
ということで魔石と宝箱がある場所まで歩いた。魔石の大きさは大体60cmぐらいか。通常のゴブリンの魔石の3倍以上だな。そんで宝箱の方は。
「これは・・・剣か?」
素人目線でもわかるぐらい結構よさそうな剣が出てきたのだ。めっちゃ銀色で持った感じも軽く感じた。
「これは・・・どういう剣なんだろうなシエル」
ヒン?
「・・・シエルじゃ分からないよな。今日は帰るか」
ヒン
ということで魔石と剣を回収して(宝箱は剣をとったら消えた)、ボスの奥の部屋に2層へ続く階段と出口に戻るポータルを見つけ、戻るのだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ここが鑑定所か」
受付の右側の方に鑑定所があり、ダンジョンで回収した魔石などを買い取ってくれる。そこにシエルと一緒に待っていた。やっぱり、小さい仔馬を一緒にいる俺を奇異な目で見てくる人が多いな。
「次の方」
「俺だな。行くぞシエル」
ヒン!!
と同時に俺の頭に乗ったシエルと一緒に鑑定所に向かった。
「それでは鑑定するものを出してください」
「これを」
「また・・・凄い量ですね・・てそれは」
「ホブゴブリンの魔石です」
「・・・・1人で倒したのですか?」
「いや・・・この子が」
ヒン!!
「・・・・・本当にですか?」
「本当です」
と信じてもらえなかったのはショックだが・・・シエルの見た目から仕方ないのかもしれないな。
「しかも・・・その剣は」
「ホブゴブリンを倒した時に一緒にドロップしました」
「すぐに鑑定します!!・・・つかぬ事をお伺いしますが冒険者になられて何日でしょうか?」
「なったのは3日前ぐらいかな。ダンジョン潜ったのは今日が初めてだけど」
「えっ!?今日が初めてで、1層のボスを倒したんですか!?」
と鑑定の受付をしていた男の人の大きな声が響き渡り、周りが一気にざわざわしだして、俺はすごい気まずくなるのだった。




