第12話 1層のボス撃破・・・嘘!?
ルンルン状態のシエルと一緒にダンジョンを進んでいくと、門らしきところに着いた。
「確か・・・この門に1層のボスがいるんだったよな」
各エリアごとにボスが存在し、そのボスを倒すことで下の層のポータルを使用することができる。ポータルを使用するとダンジョンの入り口に戻ることは前回説明したが、ここまで進んでいくとは思わなかった。
「シエルが・・・強すぎるんだよな」
ヒン?
出てくるモンスターを風魔法か何かで真っ二つにしているんだよ。ゴブリンが基本真っ二つになっているからヤバすぎる。
「シエル・・・まだまだいけそうか?」
ヒン!!
「この門を開ければ、この階層のボスモンスターが現れるけど倒せそうか?無理なら諦めてきた道を戻るけど」
ヒンヒン・・・・ヒン!!
「・・・戦いたいのか」
俺が諦めてもどる選択肢を入れたことに、首を横に振って拒絶して、すぐに挑もうよと高らかに鳴き声を上げながら俺の目を見ていた。
「そうまでして戦いたいか・・・・分かった。安全を第一に考えて挑むか」
ヒヒ~~ン!!
こうして、俺とシエルはボスモンスターに挑むのだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「あれがボスか」
門を開けると中にいたのは1体のゴブリンだ。ただのゴブリンじゃない。ゴブリンの上位種であるホブゴブリンだ。
こいつは体が通常のゴブリンより一回り大きい。大体身長は3m近くはあるな。持っているこん棒も厳ついな。これにシエルが挑むのか・・・本当に大丈夫なのか?
「シエル・・・ムリならすぐに俺のところに来いよ」
ヒヒン!!
「分かった・・・いってこい!!」
ヒヒ~~~ン!!
とシエルは鳴き声を上げながら、ホブゴブリンへ飛んで行った。後俺にできることは見守るだけだからな。
ホブゴブリンもシエルの存在に気が付き、棍棒を振り回しながら突進してきた。シエルはそれを飛んで躱して、風魔法を撃ったが、威力が弱かったのかダメージをあまり与えられていなかった。
「シエル・・・このままだとジリ貧になるぞ」
ヒヒン・・・ヒヒ~~~~~ン!!
「うおっ!?めっちゃまぶしい!?」
シエルが光ったと思ったら、翼のほうがめっちゃキラキラしている。ホブゴブリンは何かを察したのか、めっちゃ怯えている。何をするんだ?
ヒヒン!!
と同時に今までの風魔法がそよ風だとしたら、今度の風は暴風並みの威力を誇る魔法を放ったのだ。ホブゴブリンも耐えられず吹っ飛ばされて、二度と立ち上がることはなかった。
・・・・まさかの1日でダンジョンのボスを倒したことに放心してしまう俺なのであった。




