第11話 はじめてのダンジョンへ
畑を見て、魔法の力に驚きつつも俺はシエルを連れて、ダンジョンギルド甲府支部に到着した。
めっちゃ見られているんだよな。俺が馬?みたいなぬいぐるみを抱えているからな。バカにしていたり、馬の目が動いているからモンスターなのかという目と、可愛いっていう話が聞こえてきて気まずいにもほどがある。
俺はブラック企業勤務だったからな。こんな視線は平気・・・ではないな。好奇な視線にさらされるのは結構きついんだよ。俺には。
「甲府ダンジョンに潜ります」
「探索者カードを」
「どうぞ」
探索者カードを受付に渡し、許可を貰った後はダンジョン入り口に向かった。こうやってダンジョンに潜るときは一度受付しなければならない。無謀な人間を減らすことと、行方不明者を確認するためだ。
「初めて見るけど・・・テレビで見たまんまだなぁ」
ヒン?
「・・・ここで立ち止まっても仕方ないよな。行くかシエル?」
ヒヒン♪
と俺たちはダンジョンに潜ったのだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・
「何か・・・洞窟みたいだな」
入った目の前は本当にテレビで見た通りの洞窟みたいだな。手で触ってみるとごつごつしている。
「これは・・・本当にすごいな」
ヒ~~~~ン!!
「めっちゃ駆け回っている。シエルにとっては気持ちがいいか」
ヒン!!
「俺は・・・こんなところにずっとはいられないな。しかし、ダンジョン内って結構明るいんだな」
暗いと聞いていたが、意外と明るく、もしかして探索者に覚醒したから見えるようになったからかなと疑問に思いつつ、進むことにした。
「結構一本道なんだな・・・って、道を忘れないようにしないとな」
ヒン?
「えっ・・・・シエルどうした?・・・ってモンスターか」
どうやら俺たちの目の前にモンスターが現れた。・・・ファンタジー定番のゴブリンだな。
グギャ!!
と叫び声を上げながらこっちに突っ込んできた!!
「シエル!!逃げ・・・る・・ぞ」
ヒヒーーーン!!
「・・・マジか」
おれは呆然としていた。まさかシエルが魔法でゴブリンの体を真っ二つに斬ったのだ。めっちゃグロイんだが、一撃で倒すなんて。
「シエルは・・・もしかしてめっちゃ強い?」
ヒヒン♪
「めっちゃ喜んでいるな・・・って魔石がドロップしたか」
倒した魔物は消えて魔石が現れる。たまにその魔物固有の特別アイテムがドロップするときがあるんだとか。そういうアイテムはめっちゃお金になるんだとか。
「このまま進んでみるか?」
ヒンヒン!!
「・・・スゲーーー消化不足って顔をしているぞ」
・・・本当にこの子が戦闘狂だった。ダンジョンには階層ごとにボスがいるらしく、それを倒すことで先の階層に行けるみたいらしい。そして階層ごとにポータルがあり、そこで入り口に戻ることができる。もしかして、ボスを倒す気ですか!?




