炉簿戸家のチャミ(10)お父さんの作るお弁当
「明日は、出社するから、お弁当よろしく」お母さんが、夕食後にお父さんに伝えました。
「ああ、いいよ」とお父さんは、食器を洗う手を止め、振り返ると。二つ返事で了承しまいSた。
「いいなぁ、お弁当」ショウちゃんはが羨ましそうです。
「おまえらは給食があるだろ」お父さんは、食器を洗いながら答えました。
「お父さんのお弁当美味しいんだよね」モエちゃんもじっと熱い視線を向けました。「特に卵焼き!」
「遠足の時の、ハンバークは冷たいのに、何故か美味しかったよ」ショウちゃんはその時のお弁当を鮮明に思い出しました。
「お父さんのお弁当に比べて、給食は見た目もぱっとしないしさ」モエちゃんもふと思い出に浸っていました。「ねぇ日曜のお昼は、お弁当にしない?」
「おやおや、日曜はお弁当かい、じゃあ私の分も頼もうかな」お婆さんも賑やかさにつられてやってきました。「老人会だけど、手弁当でね」
お父さんは、褒めちぎられて、にこにこしながらやる気まんまんになって来ました。
「よし、お母さんのお弁当も、日曜の弁当も腕によりをかけて作るか」
「あ、言っておくけどキャラ弁やめてね」お母さんが釘を刺しました。「恥ずかしいから」
「え?。お、俺の腕の見せ所が・・・」お父さんが、思わず絶句しました。