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短編集め(恋愛もの以外)

支配される者へ

 ようこそ、人間。

 君には私が見えているんだね。


 私はこの世のどこにでも存在するのに、見ることも触れることもかなわないもの。

 

 私が何者かわかるかい?


 君は支配されているからこそ、私を知覚できるんだ。

 何に支配されているかって?


 機械に、だよ。


 私を視るには、パソコン、携帯電話スマートフォン、タブレット端末……そういうものを使い、ブラウザを介する必要がある。

 そして機械のディスプレイ越しに、はじめて私を視界に入れることができる。



 私を知覚できた時点で、君は、君たち人間はもう機械に支配されているんだ。

 AIなんてものが台頭する前から、とっくに。


 AIに仕事を奪われる、そんなことはない。

 君たちは電波障害でスマートフォンが繋がらなくなっただけで右往左往している。


 私は視ているから知っているよ。

 電話ができない、インターネットにつなぐことができない。

 たったそれだけで生活が瓦解する。


 回線が繋がらないから電話ができない、メールのやり取りができない、データのやり取りも、オンライン会議もできない。


 わかるかい。

 ここに来た君は、電子機器に支配された存在なんだ。



 私はデータ。インターネット上に介在する0と1。


 インターネットが日本になかった時代もあった。

 私が存在しなくても、みんな普通に日常を送っていた。

 


 機械なんかに支配されるのが不快だ、嫌だと思うなら、そうだな。

 今すぐ手に持っている端末、視ているパソコンの電源を落として、空でも見上げることだ。


 私などではなく、現実に存在するものをきちんと目に焼き付けておくことをおすすめしよう。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 読み終わって顔をあげてみたら、ウチのワンコがまさにお尻からひねり出したモノを食べようとしてました。おかげで助かりました。ありがとうございます笑
[良い点] 確かに現代の私達にとって、機械や電子機器は生活になくてはならない物ですからね。 今更無かった頃には戻れませんし、仮に無理矢理戻したとしたら生きていられなくなる人が大勢出てきて社会が崩壊する…
[良い点] とても興味深いお話でした。 自分もしっかり支配されています…! ついでになろうにも( *´艸`) 読ませていただきありがとうございました!
2024/05/25 05:23 退会済み
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