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第十三回井戸端会議

作者: 孤嶺

うさぎ・やぁやぁ僕はうさぎ、キミはだれ?

かめ・僕はかめ、先輩こんにちは

うさぎ・これはこれはご丁寧にありがとう。あれれ?キミはいつからここにいたっけ?

かめ・先日、先輩の机から井戸端会議なるものを見つけて参加させていただきました

うさぎ・あやや、みつかってしまったかね。……ややや、これはこれはお恥ずかしい。どうしてここに書き込んできたんだい?

かめ・先輩、勝手ながら第二回井戸端会議読みました。その、面白かったです。

うさぎ・ふふふっ、面白かったなんて稚拙な感想じゃないか。でもそれもまた味があってよいね。

うさぎ・またまた質問攻めで悪いんだけど、どうしてココに書き込みを?

かめ・えっと、『キミはだれ?』のメッセージでこの本の物語が終わってましたし、第二回井戸端会議の物語も第十二回井戸端会議もその始まりでしたので、書き込んでしまいました。

うさぎ・おおっ!キミのその洞察力、感歎に値するよ!第十三回目の会議、僕はキミ…いやいや、かめ君の参加を歓迎するよ!

かめ・ありがとうございます。

うさぎ・参加してくれたキミに一つ、偉大なる先輩からお話してみようじゃないか。ふむ、どれがいいかな。コレかな?いやいやこれもまたいいな悩む。

かめ・何でもいいんですよ。

うさぎ・これはこれはすまない。久しぶり過ぎて悩んでしまった。ふむ、そうだ、コレにしよう。『とある授業風景』だ。

かめ・授業風景…ですか?

うさぎ・そう!授業風景。これでも私は学生だ。勉強と日々の授業や日常もあったんだ。これはその一部のお話だ。聞いてくれるかな?

かめ・はい、なんなりと。

うさぎ・はははっ!随分と僕は偉そうだね!……そうだ、これはいつかの日常だったんだ。

0:間

うさぎ・僕はいつものように仲の良い友達と駄弁っていた。何気ない内容の話から、『昨日、何のテレビを見た?』なんてそんなありふれたもの。特別なことなんてない普通の日常。

さる・おい!今日の授業は自習らしいから外で遊ぼうぜ!

うさぎ・いやいやさる。キミは先日のテスト赤点だったのだから、勉強はやるべきてはないかな?

さる・そんな固いこと言うなって優等生!たまには俺たちにも息抜きは必要だろ!

うさぎ・ふむ、その考えも一理あるな。きじ君はどう思う?

きじ・たまにはそんなことあってもいいんじゃないかなー。

うさぎ・ふむ。キミはいつにも増して気怠げだね。

きじ・だってさー。こう陽だまりの中の学校って眠くなってさぁ…。正直眠いし、どーでもいい。

さる・そんな事言うなって!優等生第二!くっそ、うさぎはいいとしていつも授業で寝てるきじはなんでそんなに成績がいいのか俺は分からねえ!この世は不公平だっ!

うさぎ・いやいやさるさんや。もしかしたらこう見えて、家では猛勉強してるかもしれないじゃないか。こう見えて。

さる・何で二回言ったの?

うさぎ・いやはや私も猛勉強してるきじのビジョンが見えなくてだね。

さる・分かる分かる!気づいたらいつも寝てるもんな!

きじ・もー、君らそんな風に思ってたのー?ひどいなー。でも家ではゴロゴロしてるよ。

さる・なっ!?どこで勉強してんだよ!そんな良い方法、俺も知りたい!

きじ・えー?どうしよっかなー、さるには出来そうにないんだけどなー。

さる・なんでよ!俺でもやれば出来るんだぜ!?

うさぎ・なら、普段からやってみせなよ。

さる・ノンノン!普段からやってたら俺の凄さが垣間見れないだろ!

うさぎ・いやいや、全教科赤点のさるが言っても何の説得力にもならないだろう

さる・ひでぇなおい!…まぁそんなことより、そんな最高な攻略法どんなもんだよ!?きじ!

きじ・仕方ないなぁ。…んっ

さる・あん?なんだよこの手

きじ・この手と言ったらそりゃお金でしょ。1000円でいいよー。

さる・いや、たけーよ!でも、うぅむ、これで点数があがるならば…コレでどうだ!

きじ・……ゼロが一つ足らなくない?

うさぎ・ついに計算能力まで失ってしまったか。これは目も当てられない。

さる・ちげーよ!花の高校生がそんな大金持ってるわけねーだろ!

きじ・まぁそーだよね。ちぇっ良い金蔓になったと思ったのに。

うさぎ・万年遊び人のさるが持ってるわけないわな。

さる・おいおいさっきからお前らひでーぞ!

きじ・でも、100円はいただき、まいど〜。

うさぎ・やれやれ、さるよ。己自身で勉強せねば身にもならんだろう?

さる・勉強方法さえ教えて貰えればいいんだよ!

きじ・じゃ〜教えてしんぜよ〜。

さる・お、おう!

きじ・授業中…。

さる・授業中…。

きじ・目を瞑りながら授業を聴くだけさ〜。

さる・は!?そ、そんだけ?

きじ・そ、そんだけ。

うさぎ・ふふふっ、そんな事だろうと思ったよ。

さる・黒板も見ずに?

きじ・別に見ても見なくたっていいじゃな〜い。先生、全部言ってくれるじゃ〜ん。

うさぎ・確かにそうだがね。

さる・結局それ勉強してるのと一緒じゃんかよ!

きじ・?…そりゃまぁ、一応勉強してますし〜。

さる・はーっ、もっと楽に覚えられたらいいのにな!でも参考にするぜ!100円分のためにな!

うさぎ・まぁ頑張りたまえよ。

うさぎ・(まぁ、その勉強方法が出来るのはきじだからなのだろうがね)

きじ・じゃ僕はまた寝かせてもらうさ〜。


0:間


うさぎ・どうだった?コレが僕らのいつかの授業風景さ。

かめ・先輩達、すごく楽しそうだったです。

うさぎ・ああ、とても楽しかった。そう、楽しかったんだ。もし時が戻るならば、あの頃に帰りたいとさえ思うよ。

うさぎ・さて、僕はここまで話してみたんだ。次はキミの物語を聴かせてもらおうか。どんな物語があるか興味津々なんだ。

かめ・そんな、僕なんかの話はつまんないですよ。

うさぎ・いやいや人生というものはどんな物語でも意味はあるんだ。それに、キミはこうして生きているだろう?そうじゃなきゃここには参加出来ないのだからな。

かめ・ほ、ホントに毎日無駄な時間ばかりを無為に過ごしてきちゃったのかもしれません。

うさぎ・ふむ?毎日無駄とはそんなことないと思うけどね。自信のないキミに三つアンケートを取ってみようじゃないか。

かめ・アンケート?

うさぎ・何、少し答えてくれるだけでいいんだ。

かめ・分かりました。

うさぎ・よろしい。一つ目、学校には毎日来ていたかい?

かめ・それはまぁ、授業出ませんと単位取れませんし。

うさぎ・ふむ。まぁそうだね。二つ目、部活動はしていたかい?…いや、違うな。何か複数人で活動するような事柄をしていたかい?

かめ・えっと、それは、委員会活動でもいいんですか?

うさぎ・それはそうともさ。していたんだね?

かめ・はい。ずっと書紀でしたけど

うさぎ・それはそれは素晴らしいな。さて、最後に三つ目、学校は楽しかったかい?

かめ・……えっと。それは、分かりません。すみません。

うさぎ・別にいいじゃないか。分からないことも一つの答えだ。ふむふむ、そうだな。三つのアンケート取ってみたわけだが、物語が書けないなんてものはないと思ったがね。

かめ・そうですか?自分にとっては何にもなくて変わらない日々でした。

うさぎ・そんな卑下しなくてもいいと思うがな。よし、この私が助け舟を出してしんぜよう。委員会活動の話を私は聴いてみたいな。

かめ・委員会活動ですか?

うさぎ・そうともさ。委員会活動なんてもの、早々なれるものじゃないしいい社会勉強になったと思うのだよ。

かめ・えっと、そんな立派なものじゃないです…。みんなから書紀をやれって言われて、断ることも出来ずにやってただけですから。

うさぎ・だが、キミは書紀を辞めずに今まで従事してきたのだろう?

かめ・え、どうしてそれを?

うさぎ・そりゃ、このノートにこんだけ書いて疲れるだのめんどくさいなども言わないし、こんな綺麗な文字書き続ける芸当なんて誰もが出来るわけないじゃないか。

うさぎ・だからこれはキミの今まで努力で勝ち得た一つの能力だ。むしろ、誇っても良いものなんだ。

かめ・それでもそれしか…。

うさぎ・それだけがどうした!僕にはキミの右手にあるだろうペンだこさえ感じられるがな。

うさぎ・キミの努力の結果なんだ。僕はお膳立てはしたよ。さぁ聞こうじゃないか。

かめ・気は進みませんが、わかりました。タイトルは『委員会活動』でいいですか?

うさぎ・いいとも。自由に語ってくれたまえ。

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