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婚約破棄された悪役令嬢は北の修道院に往く  作者: 鳥鼠 ゆき


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二十二話 新しい加護の力

「失礼致します」


「呼び出して済まないね、最近どうかな、ここでの生活には慣れたかい」


「はい、神官長様。皆様丁寧に指導して下さいますので」


そうですかっと言って微笑まれると、レイギス神官長様は聖堂の天空の女神様へと、視線を移されました。

差し込む光を受けて、女神様の象も優しく微笑まれています。


「他に何か変わりはありませんか?」


「先日フェリスさんとお茶会を致しましたわ」


「そうですか、それは良かった」


神官長様の聞き出したい事は、解っておりますわ。

昨日、治療に来ていた貴族方、詳しくは教えていただけなかったので、名前までは解りませんが。その方が乱暴を働かれたとかで、少し騒ぎになっていたのです。


「若い美しい女を出せ、居るはずだ」っと言われて暴れたのだとか。


驚く事にその様な事は、たまに有るそうなのです。

しかし問題は、どこからともなく清浄な水が出現して、殴り付けられそうになった修道女を包み込んで守った事でした。


ええ、私が新しくザハエル様に戴いた加護による効果です。


掛けた相手を一度だけ、どんな攻撃からでも守って下さるという、守護神術だそうです。

ただし、ザハエル様の力を超える攻撃は、貫通してしまうのだそうなので、注意が必要と。

そんな存在は、そうそう居りませんから、略どんな攻撃からも守って下さる神術ですわ。


加護を戴いて、先ず自分に試してみたのですが、見た目には何の変化もありませんでした。

魔力をかなり消費致しましたが。


それで重ね掛けが出来ないようでしたので、練習をかねて皆様に神術を掛けて行っておりました。祈りの時間に順番に。

お世話になっておりますので、何かのおりにお役に立てばと。


しかしまさか、修道院に勤めていらっしゃる神職の方々が、こんなに直ぐに危険な目に遭われるとは思いも寄りませんでしたわ。

やはり予言だったと言う事なのでしょうか?


それは兎も角、大勢の前で効果を発揮してしまいましたから、誰かが何かしらの術を使ったのだと考えられたのでしょう。


面談という形で、皆様に聞き取り調査をされていらっしゃるのです。

そうして今は私の番と言う事。


私は嘘つきマリーですから、確りと誤魔化して見せます。


「昨日少し騒ぎがあったのは知っているかな」


「は、はい。乱暴な方がいらしたとか」


「そうなのだよ。困った事にね、マリーさんはそういう場面にあった事はありますか」


「ありませんわ。修道院の皆様は優しい方ばかりです」

そして修道院外の人と、接触する事はありません。

ここに来て以来、暴力を受ける事は有りませんでしたわ。回復神術が欠かせなかった、実家に居た頃とは大違いでした。


ですから、もし万が一何か事故などが起きた時のためにと、水の守を掛けたのです。

その事は、後悔はしておりません。きちんと発動して良かったと思っておりますわ。


名乗り出るつもりは、ありませんけれど。


「あの、この後どうなるのでしょうか?」

しかし、暴れた人物は取り押さえられ、襲われた修道女は無事だったそうですが、貴族と揉め事を起こしてしまって大丈夫なのでしょうか?


「この後、とは?」


「相手は貴族だったと、先輩方から伺っております。修道院は、襲われた方は大丈夫なのでしょうか?」


「ああ、それは心配有りませんよ。流石に無体が過ぎますから、女神教として強く抗議しております。問題の人物はもうここに立ち入る事は有りません」


「そう、なのですか」

神殿は、貴族との関係を重んじていると思っておりましたが、そう言う訳でも無い。いいえ、件の人物がやり過ぎたのかも知れませんね。

所属する神職の方を、公然と傷付けられては、黙っている訳には行きませんもの。


天空女神教は沢山の信徒を抱えております、対抗する力と、誇りがあるのでしょう。


「安心して下さい。マリーさんも何かあったら、遠慮無く何時でも相談して下さいね」


「はい、ありがとうございます」


「では次の方を呼んできて下さい」


「解りました」


頭を下げて、退出致します。

しかし、私が椅子の間を中程まで来た時に、ああそうだっと言われて、レイギス神官長様は呼び止められました。


「警備のために、新しく冒険者を雇いましたので後ほど紹介致します、承知しておいて下さい」


「はい、解りました、わ」

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