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日常
天野余裕は、仕事ができない。
普段は都内の大型書店で働いているが、甘利の無能ぶりに上司からは叱られ、後輩からはナメられる日々。
しかし、そんな余裕には裏の顔があった。
定休は勇者として、異世界の平和を守っているのだ。
剣を片手に魔獣を狩り、その報酬で女を抱く。温泉に入るもよし、異世界グルメを堪能するもよし、仕事終わりに満天の星を眺めるだけもよし。
異世界を満喫したら、また書店員としての日常に戻る。そんな日常。
だから、職場でどれだけボロクソ言われようと問題ないのだ。
仕事のストレスは異世界で発散できるのだから。