2話:告白の御断り
2話:告白の御断り
櫻崎 詩杏から、いきなり告白された。
愛杜は正直、面くらってしまった。
攻略サイトを見ていたのもあるし、実際サイトの通りに物事が起こるなんて信じていなかった。
攻略サイトが本物だったという事実。
そして、突然の、しかも生まれて初めての女の子からの告白。
高校デビューを通り越して、陰キャから陽キャへの道が開かれたように思えた。
だが、「由崎 祐紀」との交際が可能になる。
そんな大事なシーンに本当にNoと言えるのか。
しかも、初めて告白されて、しかも、滅茶苦茶可愛い女の子を目の前にして振るだなんてできるの?
だが、断らないと待っているのはバッドエンド。
この子を付き合ってもすぐに別れるルートなのだ。
だが、可愛い・・・。
どうすればいいんだ~。
うーん、うーん。
ドモリそうだ。
ここは勇気だ。勇気を持って断るのだ。
そして、本当に勇気を出して、言った。
「ご、っつ、ごめんなさいぃい・・・。」
愛杜は泣いてしまった。両目から涙を流してしまった。
そして続けた。。
「滅茶滅茶嬉しんだけど・・・めっつちゃ嬉しんだけど!。」
愛杜は泣きじゃくった。
「滅茶滅茶うれしいぃ・・・うれしぃんだけど。ここでOKしちゃダメなの!」
愛杜はポロポロ泣いた。
「ここでOKしたら、また会ったばかりの君とも別れなければならないの!全然迷惑とかじゃなくて、全然迷惑とかじゃなくて、君とも一緒に居たいけど、居たいけど。僕みたいのを好きになって貰って有難いし、全然、全然、全然迷惑とかじゃないし!」
愛杜は続けた。
「だから、だから、君のことが知りたいし、だから、だから、お友達でいたい。これからお友達になりたいぃ・・・。」
愛杜はまた泣いた。
何年振りだろ泣くなんて。こんなうれしいシーンで泣くなんて。
目の前の可愛い女の子(詩杏)を見て、また絶句した。
泣いてる・・・。
女の子を泣かせてしまった。
僕、最低だ・・・。
詩杏は泣きながら言った。
「うぅうん。大丈夫。付き合ってくれるとは思って・・・。思ってなかったし・・・。ずっと見てたの。私、私・・・。愛杜君が仙〇コミケで、コスプレしてるの知ってたの。コスプレし始めた「デビュー」の頃から知ってるんだ。何度か話したことあるよ。顔を覚えてくれてなかったというか、私もばっちり化粧してたし。レイヤーネームでしか顔を合わせたことがなかったし。」
続けてこれを言った。言われてしまった。
「OK貰えるとは思ってなかったんだ。だって、愛杜君。うぅうん。レイヤーネーム『愛羅さん。』」
コスプレがバレてる~~~~~~~。しかも女装コスプレ。今風に言うと『男の娘』。
「ちゃんというね。愛杜君。私のコスプレネームは伽栖だよ。覚えててくれてる?。今年のこないだのコミケでも話したことあるよ。でも、顔弄ってたから今の私じゃわからないよね。」