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1話:出会い

ゲームをやったことのある人間なら分かるかもしれない。


「攻略サイト」


自分には高嶺の花で、お付き合いなんてできるはずもない女子も、


どう行動していけばゲットできるか書かれてるWebページがあれば楽勝だ。


ぞれが現実になった世界。


恐ろしくもあり、歓喜に震えることもある。


普通の男子高校生が、そんなWebページを見つけてしまった。


誰が書いているかは分からないが、実験をしてみたら実際にそうなってしまった。


これは、嘘偽りない本物の「人生の攻略サイト」。


それに翻弄されてく、一人の高校生の話。

第一話:出会い



赤塚あかつか 愛杜あいと」9月10日生まれ。

高等学校に進学した。

所は、宮城県仙台市のある高等学校。

言ってしまえば「仙台東原第四千高等学校」。

今日は高等学校の入学式。

陰キャである愛杜は、中学では陰キャとして扱われ、気味悪がれる毎日。

そんな愛杜にも、入学式で見たあの少女は物凄く気になる。言ってしまえば『美少女』と言っていいだろう。

芸能人でもあれだけ可愛いのは見たことがない。

物凄い・・・物凄い『高嶺の花』である。

そして同じクラスになった。

今まで陰キャとして無視されてきた毎日だったが、高等学校に進学し、人間関係もほぼリセットだ。

ただし、やっと名前を知っても、これだけの美少女に話しかけるだけでも相当勇気のいることだった。

ともかく悶々とした気持ちで高等学校初日を終え、なんとか、名前だけは覚えられた。

その美少女の名前は「由崎ゆざき 祐紀ゆき」。

いわゆる陰キャである愛杜は祐紀に一目惚れをしてしまったわけだ。

自宅に帰り、BTOで組んでもらった「確実にオーバースペック」のパソコンを立ち上げ、愛杜は思った。

『由崎さんは、FaceBookとかしてないかな。』

思むろに検索サイトで「由崎 祐紀」と打ち込んだ。

FaceBookはしてないな・・・。でも名前は検索で引っかかる。

「う、これは・・・。」

愛杜は若干戸惑った。

サイトはどうやらダークウェブへの入り口かと思えた。

「あるものはある。」

ウイルスが付いてくるサイトかもしれないが、勇気を持ってクリックしてみる。

次の瞬間、トップに大きなフォントサイズで

「由崎 祐紀」という名前、

「ゆざき ゆき」という読み方と、

通常のサイトで使われているフォントサイズで、

由紀の「住所」、

「自宅の電話番号」、

「携帯の電話番号」、

そして、

「誕生日」と血液型が書かれている。

サイトの背景は黒で、文字は赤。

「誕生日は・・・。って、こんなサイトあっていいの!?ネット上に個人情報駄々洩れじゃん。」

でも、内容がリアルだ・・・。

でかでかと書かれた攻略法という文字。

「攻略法・・・?」

そして好感度と書かれ、その右に数字が書いてある。

そして、戻るボタンがリンクでクリックできるようになっている。

読んでみる。

☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※

「由崎 祐紀」の攻略法。


■4月5日(月曜日)


パソコンを立ち上げる。


「由崎 祐紀」という文字列で検索をかける。


攻略サイトを見る。


夜更かししないで寝る。


■4月6日(火曜日)


学校に登校する。

放課後まで授業を受ける。

放課後、下駄箱を開ける。

ラブレターを開ける。

桜の木の下に行く。

櫻崎さくらざき 詩杏しあ」をふる。

由崎ゆざき 祐紀ゆき」と話をする。

☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※

なんだこれ?。

全然話したこともない、「櫻崎さくらざき 詩杏しあ」をふるって。

意味が分からないし、「櫻崎 詩杏」って誰?

このサイトは危険だが、知りたい欲求には勝てない。

「戻るボタン」がある。どこかのページに戻るのか??。

愛杜は「戻るボタン」を押した。

次の瞬間、表示された情報に愛杜は強烈な驚きを隠せない。

「うっ!」

「クラスメイト全員の名前」が書いてある。先生も含め性別関係なく全てだ。

同じ中学校の生徒の名前もある。

愛杜の背中は汗でびっしょりだ。

出席番号、名前、読み方、誕生日、血液型、簡単な注意事項。

一つ一つにリンクがあり、愛杜は単純に思った。

「これは、見ていいモノなのか?」

だが、正直、愛杜は心が躍る。

でたらめに書いたにしては芸が細かすぎる。

白い文字で「質問のある方は直メにて。info■project-△△〇〇.com ■は変えてね♪」

理解するまで時間が掛かる。

恐ろしい。

『いや、これはフェイクかもしれない。普通に考えたら先に起こることなんて予言とかできるはずないじゃないか。』

先ほど見た「櫻崎さくらざき 詩杏しあ」の名前をクリックしてみた。

☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※

4月6日(火曜日)


「櫻崎 詩杏」の攻略法。


■4月5日(月曜日)


パソコンを立ち上げる。


「由崎 祐紀」という文字列で検索をかける。


攻略サイトを見る。


夜更かししないで寝る。


■4月6日(火曜日)


学校に登校する。

放課後まで授業を受ける。

放課後、下駄箱を開ける。

ラブレターを開ける。

桜の木の下に行く。

櫻崎さくらざき 詩杏しあ」と付き合う。

由崎ゆざき 祐紀ゆき」と話をする。

☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※

さっきの「由崎ゆざき 祐紀ゆき」のと何が違うんだ・・・。

ん…?付き合う?。

愛杜は混乱した。

えー。付き合う?付き合うって、手をつないだり、一緒に学校から帰ったりすること?。

え~。付き合うってことは付き合うってこと!!!

え~~~。

顔も知らない女の子と付き合うってどういうこと。

ちょっと気になる点があった。

表示されていない空欄が少し多い。

怪しいな・・・。

愛杜は「Ctrl+A」を思むろに押した。

予想した通り、文字を見せないために黒で書いてある。

その文字列は、以下の通りであった。

☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※

櫻崎さくらざき 詩杏しあ」と付き合うことを選択すると、「由崎ゆざき 祐紀ゆき」と付き合うことはできない。この二人は小さい頃からの親友同士で情報が筒抜け。

また、「上原うえはら 未菜みな」との同時攻略も不可能。


由崎 祐紀

櫻崎 詩杏

上原 未菜


この3人との高等学校における3年間の9割は同時進行で進んでいく。


また、「櫻崎さくらざき 詩杏しあ」と桜の木の下で告白され、「付き合う」を選ぶと、次の仙〇コミケで別れることに。

別れるルートは実際にはダミーで、フッた後、3年生まで3人と一緒に行動すると再度告白されるので、その時に「付き合う」を選ぶと、結婚ルートまでいける。


☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※☆※

注意事項だった。

というか、なぜ、仙〇コミケの話が。

まさか、仙〇コミケで×××××をやってることにバレてる?

それはないはず。化粧でガッチガチに弄ってある顔を通常の冴えない当時中学男子とイコールだと判断できる余地はない。

まぁ、いい。とりあえず、寝よう。

しかし、ドキドキするなぁ。攻略サイトが本物だったら面白いけど、まあ、クラスの誰かが書いた偽物でしょ?

面白がって損したなぁ。でも気になるなぁ。

※★☆※★☆※★☆※★☆※★☆※★☆※★☆

朝起きて学校に行った。

昨日のWebページのところが気になるが、まさかとは思う。

最初のイベントは下駄箱にラブレターだが来るはずはないと思う。

どうせ誰かのイタズラサイトだ。

だが、愛杜は「攻略サイトの恐ろしさ」をその時は全く理解していないのだった。

放課後帰ろうとした。

下駄箱を開けると、長方形の白い紙が入っていた。

「うっ・・・。マジか。」

だが、手紙をいれるくらいであれば男共のイタズラくらいで済む。

手紙を開けてみると・・・。

「うっ・・・。やはり、マジか。」

『放課後、桜の木の下で、何時までも待っています。』

だが、これでもまだ攻略サイトの事は信じられない。

この時点においても、攻略サイトのことは誰かのイタズラだとしか思えない。

しかし、行かない限りはサイトが本物かどうかわからない。

「いくか・・・。桜の木の下。どこだっけ・・・。」

陰キャなわけで、上級生に聞くわけにもいかなかったので、自力で探した。

15分待つと告白ってほんとかいな。

腕時計を見る。

15分待って、誰も来なかったらすぐに帰ろう。

昨日からあまり体調は良くない。

あんな黒くて、赤いページを見せられたら精神的にきつくもある。

10分待った。

まだ誰も来なさそうな雰囲気だ。

あと5分。

ん?、足音がする。

女の子が現れた。

顔は覚えている。かなり可愛い。

確か、クラスメイトだと思う。

「愛杜君。待たせてごめん!」

こいつが「櫻崎詩杏」。

顔は覚えている。かなり可愛い。

「は、は、はい!?」

どもってしまった。

「愛杜君!。不躾なんですけど・・・。私と付き合ってください!。」

ぎゃー、攻略サイトに書かれてる通りのことが起きている。

あのサイトは本物か!



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