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5 朗報

「急な招集で申し訳ありません。先程、父上より書簡が届きましたので内容について報告を」


 翌日の午後。領主代行であるソレイユの呼びかけで、ルミエール家に仕える臣下、使用人たちが屋敷の会議室へと集められていた。絵師であり戦力でもあるニュクスも当然この場に参加している。


「書簡の内容は?」


 臣下を代表し、クラージュが問う。


「アマルティア教団という共通の脅威が現れたことで、我がアルカンシエル王国とシュトゥルム帝国側との関係は、一時的にではありますが安定的なものとなりました。これに伴い、シュトゥルム帝国の動きを警戒して結成された対策会議の解散が決定。父を含め、地方から出向していた貴族はそれぞれの領地へと帰還することが決まりました。アマルティア教団がどこを狙うか分からぬ以上、中央に人材を集中させるよりも、各地の守りを固めた方が合理的だという判断のようです」

「それでは、フォルス様が」

「はい。藍閃らんせん騎士団共々領へ帰還予定だと、書簡には記されていました」


 ソレイユの言葉に会議室はざわめいた。

 領主であるフォルスおよび、領の主力である藍閃騎士団が帰還する。これで領の守りは盤石なものとなるはずだ。

 ヴェール平原での一件やアマルティア教団による大陸全土に対する宣戦布告。頭の痛い問題ばかりが続いていただけに、領主と騎士団の帰還は何よりの朗報だった。

 余所者であるニュクスは場の熱量に馴染めず、壁に背を預けたまま目を伏せている。柄じゃないのか、カジミールも腕を組んだまま平静を保っていた。


「ルミエール領には一週間後に到着予定だそうです。当日も普段と変わらず、領の治安維持に全力を尽くすようにとも」

「フォルス様らしい」


 ここに来て、カジミールがどこか嬉しそうに頷いた。

 領の平和を第一に考えるフォルス・ルミエールにとって、王国からの命令とはいえ領を離れざるおえなかったこの半年間は、心苦しいものだったに違いない。


「父上のお言葉にあるように、決して油断はしないように。父上たちがご帰還されるまでの間に、大規模な襲撃が起こらないとも限らないのだから」


 ソレイユの言葉に一同が表情を引き締め、即座に力強く頷いた。


「私からの報告は以上です。これにて解散としますが――」


 言いかけて、ソレイユは壁際のニュクスを見やる。


「ニュクスはここに残ってください。大事なお話しがあります」

「お嬢さんのお願いとあれば」


 ニュクスは短く頷いた。



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