第七話〜告白〜
「すみませーん。誰かいますかー?」
「ん?誰?」
ドアが開いた。出てきた男は紛れもなく私を助けてくれた男性だった。
…この気持ちを伝えなくちゃ。
「こんにちは。初めまして…ではないんですけど…突然ですみません。私、あなたのことが…」
胸がドキドキする。伝えるんだ!
「あなたのことが好き!」
「えっ!…えっとその前にあなた誰?」
「そうなりますよね…じゃあ私の正体を明かす前に聞きたいことがあります。黒猫についてどう思いますか?」
「黒猫?…うーん、みんなは黒猫は不幸の象徴だとか言うけど、僕はそんなふうには思ってないよ。というか僕は黒猫が大好きだからね。どうして?」
「黒猫が大好き…か。初めてだな、そんなこと言われたの。実は私、黒猫です。昨日あなたが助けてくれたあの黒猫です。昨日は本当にありがとうございました。今は魔法で少しだけ人間の姿を借りています」
「えっそうだったんだ…」
体から綺麗な光の粒が溢れてくる。体がどんどん薄くなっていく。
ああ、もうこの人とは話せなくなっちゃうんだな。
涙が溢れてくる…
「最後にお願いがあります。もし、もし叶うのならば、私と…」
とある町に1人の男が住んでいる。いつからだろう、その男の家から猫の鳴き声が聞こえるようになった。
嬉しいそうな猫の鳴き声が。
今回で連載終了です。少しの間の連載でしたがありがとうございました。