第五話〜街へ〜
けっこう人間の姿に慣れてきた。
あっ、でも人間の言葉は話せるのかな?
「あ、あー。わ、た、し、く、ろ、ね、こ、」
話せる!これなら気持ちを伝えられる!
早速、街へ戻ろう!
すごい!これが人間の見る世界!
街に戻った私は始めて見る世界に圧倒されていた。
いつも歩いている道に立っていたが、人間の高さから物を見るといろんな物が変わって見えた。
あれだけ煩わしかった人間の声が全く気にならない。
近くに女性がいたので声をかけた。
「すみません。人を探しているのですが…」
「誰?特徴は?」
「名前は分かりません…男性です。背は高くて茶髪でした」
「うーん。それだけじゃあわかんないなー。そうだ、似顔絵描いてみて」
「似顔絵ですか?」
「うん、紙もペンも持ってるし」
似顔絵って確かその人の顔を絵に描くことよね。絵なんて描いたことないけど大丈夫かなあ…
紙とペンを渡されたのでとりあえず描いてみた。
「分かりますかね?」
「な、なにこれ、チョーうまい。この人知ってるよ。あの家に住んでる」
そう言って女性は一つの家を指差した。
似顔絵は初めて描いたのだが、とても上手く描けていた。多分、物事を観察する能力が猫の方が人間より優れているからであろう。
私は女性にお礼を言ってその家に向かった。
すみません、投稿が遅くなりました。
これからもよろしくお願いします。