不死鳥の棲む街 第1章
不死鳥の棲む街 第1章 中篇
教院の建物の隣へと跳躍したTは、先程まで居た教会に顔を向けた。Tを殺そうと狙っていた暴徒達は、彼を見失ったと考えたようで中へと入って行った。
それを見届けてから、彼はため息を吐き出した。そうして改めて思う。距離が近かったのが幸いしたと。
(もう少し距離があったなら、今頃は下で潰れていたな)
ふと考えると、瞬間的ではあったが身震いをしてしまう。教会の建物を外から見ただけなら、何があったかなど誰も考えないだろう。それ程、普通に見えるからだ。
だが、その内部は違う。中に居た人間は見ず知らずの相手に凶器を向けて迫って来るなんて、気の弱い人間なら恐怖で動けなかったろう。
Tが銃を発砲していたが、それに気付いた人間は居ないようだ。飛び移った時に、スーツに汚れが付いたが今は気にする必要もない。
(逃げれたか)
少しは落ち着けたと、自己分析を出した瞬間に思った。逃れる場所を探していて、近くだったから飛び移っただけだ。
そうして気付く。高さと周囲の建物から、建設中のビルか高層マンションだと。
壁際に沿って歩くと、少しだけ外側の様子が分かる。
(高層マンションか)
下にカーテンや洗濯物が見えたからだ。歩き出そうとして、Tの足は何かを蹴る。
「またか。何で弾倉がある」
そう。Tが蹴ったのは弾倉。しかも理由は不明だが、彼の銃の弾薬なのだ。
「ぐわあぁぉぉぉ」
声のした方向に、銃を向ける動作は少しの遅滞もない。それだけに彼は、警戒心を示す。
教会の屋上に暴徒達が、出てきたのだ。内部を探して、見付けられなかったから、外に隠れていると判断したようだ。
こちらに来ないとは限らない。その思考が、Tの体を動かした。
「今度は繋がるか……まだ駄目か」
警察への番号と、相棒Jへの番号をダイヤルしたが、呼び出し音がして切れるだけ。
少し休憩でもと思いたくなったが、暴徒と神様はそれを許してくれそうにない。
何やら呻き声が聞こえたかと思うと、自分が身体を預けていたのは壁ではない。
金網だと気付いたのだ。そして、視線を向けてみれば案の定。先程の暴徒のように、狂気を浮かべた人間がいる。
金網越しに見ると、2人だけだ。人数に安心したくなるが、油断は禁物だ。金網の向こうにしか行ける場所がない。
(っくそ!)
(っな!まさか…こいつらもか!)
金網には入り口らしき場所がある。だが、そこは南京錠に守られていた。
だが、Tが心の中で声を出した理由は別。南京錠を撃とうとした瞬間に、別の暴徒が姿を現したのだ。金網の外側に。
銃弾を無駄に使いたくはない。
「邪魔をするな」
意外にも普通の歩行速度で迫って来た1人を、足掛けで体勢崩させる。片足が浮いたそのタイミングで、銃の底部で殴る。
グシャっと音を出したが、仕方ない。ベレッタM92で南京錠を撃つ。1発だけ済む事を願いながら。運良く1発で済んだ。
正確に南京錠を捉え、吹き飛ばしたのだ。僅かに開いたそこへ、軽く蹴り飛ばして入り口を開けた。
まさにそれを待っていたかのように、2人の暴徒が迫る。しかしTの目は、視線は暴徒に向いていない。彼らの後ろを見ていた。
別のビルへと繋がっているであろう金属の板を。
それはTにとって、引き返す事も出来ない状況での進む事の出来る道。
(一気に突破するか…)
目の前まで来た暴徒。伸ばして来ていた腕を掴み、身体をぶつける。その瞬間、もう1人の暴徒との距離を確かめる事もせず背負い投げ。
「ぎゃあぁぁ!?」
暴徒は前を歩いていたお仲間が、自分の方向に飛んで来た事に驚き足を止める。それは背負い投げで投げた暴徒と重なる地点。
狙っていた訳ではないが、仲間の体重に耐え切れず倒れこむ。精神的な疲れが、肉体の疲労を錯覚させる。
そのせいで、少しだけ息が上がる。だが、倒れている暴徒が、いつ立ち上がるかは分からない。
(……渡るしかない!)
1歩を踏み出そうとした時、マンションの室外機が目に入る。室外機の下にある弾薬も。
それを拾うと、すぐに板を渡る。
「はぁ……はぁ……くそっ、この数は多すぎる!」
渡った先に待っていたのは、また暴徒だ。数は5人。一々相手をしていたら時間が、惜しいし仲間が駆けつけて来る可能性もある。
「こちらに気付いてるのは3人。奥の2人はまだだな」
分かった瞬間に、Tは動いていた。近くの2人を避けて、3人目が伸ばしてきた手を無視して走る。
そして奥の2人の間をすり抜ける。中央を走ったTの身体に押されて落ちるしかない。何せ狭い板の上なんだから。
進んだ先は、高層マンションのさらに上の階のベランダ部分。階段を見付けた途端、あれで下に降りて行けると思ってしまった。
上へ逃げ続けることは、命を捨てるようなものだ。そこから先の建設が進んでいなければ意味がない。
階段へと移動したTは、一瞬だけ呆然となった。いきなり下から暴徒達が現れて、Tに気付いたのだ。
「くっ! ……下には降りられない!!」
上がってきた彼らが、手にしていたのはナイフ。彼らが出てきた場所からは、さらに人影がある。降りていくのは自殺行為。
1人が階段を上がり切った瞬間を狙って、下へと蹴り飛ばす。急いでベランダを駆けて、さらに上へと。
どこから来たのか、Tが上がったその先に別の暴徒。無視して、さらに上へと歩みを進める。
しかし階段の脇に弾薬を見付けた。
(どうなっているんだ!!)
それを拾い上げて上へ。そろそろスーツのポケットや、ベルトに入りきらなくなってきた。
(まだ居るようなら、少し撃つか)
彼がさらに上がった時、視線の先に1人ぐらいしか歩けないスペースの建設現場と、その資材を吊っているワイヤー。
(あそこまで行けたら)
三段階目の階段を上がったら、扉が視界に入る。希望が持てると思った矢先、その扉から暴徒が出現。
さらに先程、無視した暴徒も1人がTに追いつく。
「あ”あ”お”おまえ”殺してえエエェェェェ!!」
そんな物騒な声がTに向けられた。
(数が多い。今は弾薬もある。撃とう)
上に居たのは3人。13発式のベレッタM92。既に教会で2発、南京錠を壊すのに1発。計3発を使ってる。
だが、そんな事はお構いなしに、3人に1発ずつ使って合計で6発。今の弾倉に残り7発。
全てが1発で正確に頭を捉えていた。殺した暴徒に構う事もせず、先へ進むしかない。
さらに上がり、階段に足を掛けた瞬間。
「おれがいない なくなれ!!いなくなれ!!」
まるで残っている意識に言うように、暴徒は自分自身へと叫んだ。
上がった先は幅の広い場所。ミネラルウォーターもある。取ろうと近付くと、奥にある鉄の板を渡って来た3人の暴徒。
「構って欲しいなら、別の相手に頼め」
折角の水分補給だ。そう思って、Tは少しだけ飲む。
暴徒達が渡って来た先へ。
「建設中のビル…!? 危険だが、仕方ない…!」
金網もない、1歩でも踏み外せば下へ真っ逆さま。
危険を承知の上でも、戻る事は出来ない。歩き出そうとして、今日何度目かも数えていない弾薬。
拾って細い鉄骨を渡る。視線の先には、金網がありそこを閉じるかのように、南京錠が2つ。
近寄ろうとすると、暴徒が鉄骨以外ない場所から2人。南京錠の場所から2人。
焦っていたのか南京錠を守るように立った暴徒2人を外してしまう。だが、サングラス越しに目を細めて集中。
外した数は3発、すぐに照準を合わせて2発。南京錠に2発。これで1つの弾倉が空に。残っていた7発を使い切ったからだ。
梯子を上がる。今度は暴徒の姿がない。けれど先へ進むしかない。目的を達成するために。
梯子を上がった直後に、弾倉を入れ替える。空の弾倉をその場に捨てた。
建設現場の最上部。
次の瞬間には、先程までTが居た場所から暴徒6人が着いてきていた。
「本当に……しつこい奴らだ……!」
普通に考えれば絶体絶命のピンチ。しかしTは、あまりにも余裕の笑顔を浮かべる。
「だが俺も……考えなしにここまで逃げてきた訳ではない」
視線を移した先には、大量の鉄骨とそれを吊るワイヤー。さらにそれを支えるフック。
(……遠くから「あれ」が見えたから……な)
それがまさに、ワイヤーを吊るフックだ。
(安全エリアまで逃げて、あれを破壊すれば何とかなる)
ただひたすらに走り、広い鉄骨の上へ。そこから、フックを狙える。
フックは3発で、破壊できた。大きな音を立てて、鉄骨と暴徒が立っていた場所が下落ちる。
暴徒達は下で「ペシャンコ」だろう。
そこで力尽きたように、Tは座り込んだ。
「…くっ…」
そこで自分が生き残るために、何をして来たのかを振り返る。
「来るっていたとはいえ…何人もの命を奪ってしまった」
そうして、少しだけ記憶を振り返る。
「……最初に惨劇を見た教会の奴ら、確かにあの集団は異常だった」
「だが……その後はどうなる?」
そう。そうなのだ。
「高層マンションで俺を襲ってきた奴等…教会と繋がりあるとは考えられん
しかし見ず知らずの人間に凶器で斬りつけてくるほどの異常な凶暴性」
そこで恐ろしくおぞましい思考に至る。
「何がどうなっている… まさか街中の人間が同じように?」
そう考えると、やるせない気持ちになる。けれど、いつまでもここに居る訳にいかない。
「俺はJと合流するんだ」
立ち上がって、歩いていると暴徒達が居た場所に視線が向く。そして気付く。
(足場が崩れた衝撃でクサビがむき出しになっている)
そうして、暴徒達が追って来た場所へと歩く。するとスチールワイヤーがあった。
それを持ってクサビのところへ。
「このワイヤーならクサビに括り付ければ下に降りられそうだな」
地上に降りたTは、先程まで居た危険な場所を思い出す。
久しぶりに感じる地面の存在に、何となく安心してしまった。
だが、のんびりとは、していられない。
状況を把握するためにも、Jと合流しなれば。
「……とにかく一刻も早くJとの待ち合わせ場所に向かわなくては」
Tの今までの状況からJも、この危険の中を行動しているはずだ。
妙に嫌な予感を覚えつつ、自分の周囲を確認する。そこで気付いた。
「追っ手から逃れるのに必死だったが……案外近くまで辿りついたようだな」
嫌な予感から逃れるようにTは、頭を軽く振った。
「……先を急ごう」
少し歩いてTは止まった。理由は2つ。子供が道路に出ないように柵があり、その柵の向こうに弾薬。
(今日1日で何回拾うんだろうな、俺は)
そして細い路地に、ミネラルウォーター。これなら、多少飲んでも大丈夫とTは判断。実は先程から、喉が渇いていたのだ。
ちなみにミネラルウォーターは、500ミリリットルのペットボトルだ。半分まで少しだけ時間を掛けて飲み、蓋をする。
そうして、新たなミネラルウオーターを拾う。
そして道路にある弾倉を拾った。先に進むと新たな細い路地。そこには記事の切抜きらしい紙が。
記事の切れ端だ。
『「フェニックス」誕生10周年
ガン治療の在り方を大きく進化させた、今世紀最大の医学の貢献といわれる抗ガン剤“フェニックス”が誕生してから、
今年で10年が過ぎた。今日、その需要は多岐にわたり、末期ガン患者の薬剤治療でさえ不可能ではない時代が訪れた。
待ち詫びた医療革命の到来を記念し、新薬開発10周年パーティが都内のマリンブーケで開催される。
会場には当時“フェニックス”開発の副主任であった、今や近代科学最大の貢献者として知られる通称「秀才」氏を主賓とし、
医者や大学教授他、各国の医学会の権威が集う模様。』
内容を読み終えると、Tにとっても無関係ではない。
「新薬の誕生記念パーティ…今回Jと共に依頼された仕事だ」
肉体的ではない精神的な頭痛を何となく感じて、気のせいだと自分に思い込ませた。
「俺はそれとは別の調査を事前に頼まれ、今夜の詳しい内容は当日Jから話される予定だったが…」
Tが秀才氏の近くに居なかったのは、まさにJから調査を依頼されたからだ。
そして思う。今日のあの音と、今回の記事。何か関係性があるように、感じているのは考えすぎか。
「まさか……こんな事になるとは」
顔を空に向けると、ポツりと顔に何かが当たる。その正体を認識した時には、全身が濡れ始めていた。
(雨か。天気予報だと、今日は曇りだったが)
この記事の切り抜きも、スーツの内ポケットに入れた。
路地を抜けて、ほんの数歩進む。すると信号機や電柱が、道を塞ぐように倒れているではないか。
誰かに行動を邪魔されている気分。仕方ないと思って、視界に先程から入っている梯子を上がる事にした。
辿り着いたそこは、どこかの裏方部屋。歩いて行くと、警備員の控え室だったかと思い直した。
少し大きい机と2つの椅子。そして小さな棚と、その上にある懐かしい黒電話。
机の上には、セキュリティ会社からのレター。
『西区ショッピングモール街
ブティック「Mondo Street」様方
8月下旬に起こった貴店の夜間の強盗事件について、その苛まれた被害と苦労のほどは、私どもの想像に及ばないものと思います。
つきましては今月の8日に設置以来を承りました我が社の監視カメラとモニター装置について、オーナー様向けの詳しい
操作マニュアルを同封させて頂きます。定期的に記録される映像ログは、モニターにて簡単に再生できますが、
より詳しい装置の操作方法や故障などございましたら、当社のカスタマーセンターまでご連絡頂ければ対処致します。
2008年10月16日。
有限会社 八木澤セキュリティズ』
(強盗か。もしかしてオネアミス教院の事か?いやここは、ブティックだから違うか)
監視カメラの監視映像があるなら、今日の映像がないかとTは考える。ここでも暴徒が発生しているのか確認出来る。
そう考えると映像を確認が出来る事が、とても有難く感じてしまう。
(八木澤セキュリティズに感謝だな。今日の映像があると良いんだが)
説明書に軽く目を通して、それを置いた。
Tは下へ続いているであろう階段をゆっくりと降りていく。
(従業員用の通路か、業者が荷物を店に運ぶ時の通路か)
ブティックの扉を見つけて、入ろうと近付いていく。その時、凄まじい音が聞こえた。それはTが向かおうとした扉の中から。
危険だと直感が告げる。だが、ここを無事に出るには、扉の向こうへと行く必要がある。
肝心の音だが、襲撃者から何とか逃れようとした人間と、その人間を襲撃者が何かで思い切り強打した音だ。
「今の…向こうの扉からか…?」
妙に嫌な予感しかしない。それは間違いなく、T自身にも危険が迫る事は予想が簡単だ。
ベレッタM92をホルスターから出して、足音と自分の気配を抑えつつ扉へと向かう。
扉の向こうに、人の気配がないのは気配で分かる。今日Tが向かい合ってきた相手は、全員が殺気や殺意を感じさせた。
そして、それらの気配はTにとって最も気を付けるべき相手と認識させている。
扉を開けて中に入ったT。入ってすぐ視界に入ったのはレジ。その奥に試着室。逆に彼のすぐ近くには何かの画面。
(監視カメラの映像……か?)
気を映像に向けそうになるが、強烈な害意が試着室から出ている。それでも、出てくる様子がない。
(映像確認が、先だな)
監視カメラの映像を再生するべく、Tは機械の前に立つ。操作方法は既に頭に入っている。
まだ作動しているなら、今のも撮影しているはずだ。画面の映像を切り替えて、映像記録のログを呼び出す。
(店内の監視カメラは問題なく作動している)
「定期的にログが残されている。過去の映像を再生出来るようだ」
Tはすぐに今日つい先程の映像を選択する。「2017/10/18 21:05」
モノクロ映像だが、まったく問題ない。映像には当然だが、店内の様子が見える。1人の男が、かなり焦った様子でカメラの映像に映る。
入り口の方を怯えた表情で見て、それから店内を見渡している。そして、試着室に視線を固定して決死の覚悟の様子で中へ。
「これは、あの音じゃない。まだ先があるな」
男が慌てていて、恐怖を抱いていた理由はすぐに知れた。狂気の表情を浮かべ、さらに1メートルほどの鉄パイプを持った男の姿。
(そこへ行くな。さっさと出ろよ!)
心の声がつい、実際に出そうになる。
少しだけ、周囲を探るような視線の後、試着室へ視線が固定される。そして、かなりの速度で中へ飛び込んでいった。
男が試着室に飛び込むと、数秒もしないうちに店内全体が揺れそうな程に画面が動いた。その後、Tはが入ってきた所で映像は終わった。
(っち!まるで俺が確認するのを待っていたかのように、殺気立ちやがって)
そしてレジの向こうへと、飛び越える。ベレッタM92を構えて、試着室へ向かう。だが、途中で足を止めてしまう。
(映像の彼の分だ。受け取れよ、暴徒)
試着室に向けて、Tは撃つ。その数は6発。苛立ちと、暴徒に対する憎しみが込められた銃弾。
「ぎゃあぁぁぁ?」
狭い場所では、身体を支えられなかったのだろう。暴徒の男は転げ出てくる。既に死んでいるのを承知で、Tはその顔を蹴る。
試着室にTは足を踏み入れた。
「!!…うっ…!」
そこで見た光景に、エージェントのTでも吐き気を覚える程だった。それ程までに、惨い状態だった。
男の顔がどんなだったのか、分からない。悪い表現をするなら、それは顔とも思えない。
大量の血が、試着室に飛び散り眼球が片方だけで落ちている。神経と血管を中途半端に残した状態で。
「…あまりにも酷すぎる…」
この時、彼は男の物と思えるメモ帳の1部を千切った何かが視界にあった。
「待ちわびていた筈の自らの死の時が、まさかこんな形で訪れようとは。心の平安など病院では得られない事に気付き、
区の検診や、自らに纏わりついたこの病の治療をずっと避けてきた。死について考える行為のほうが、よっぽど私に
来るべき未来への憧れを抱かせてくれた。だがそれは過ちだったというのか。今この狭い部屋のカーテンの向こうにいる
「あれ」は死を待ち望んだ私を地獄へたたき落とすつもりなのか。私はただ安らぎがほしかっ ただけ な」
手記と言えるそれは、ここで終わっていた。まだ中に弾薬があるにも関わらず、弾薬を捨てる。
そして、恐らくは男が自殺用に持っていたであろう弾薬を拾い上げる。
その弾薬は、Tの銃と同じではないが弾その物は、彼の銃でも使える。それを銃にセットする。
「あんたの理不尽に奪われた命と、抱いた無念。俺が晴らそう。だから安らかに眠れ」
Tは男の遺体を外へ店内に運び、両手を胸の上で組ませた。残っていた目に恐怖を宿していたが、そっと閉じた。
入り口から、少しの場所に弾薬を発見し、Tはつい考えた。
(こうやって弾薬補給が出来るのは、誰かが先回りしているのか。それとも警察関係の人間が落として行ったのか)
だが、考えを振り払う。
(先に進もう)
Tは精神的な疲れを抱えたまま、外へと歩き出した。
NEXT
不死鳥の棲む街 第1章 後篇
ここまでは、早く書けましたが、後編から最終章までは、時間が掛かります。
執筆が終了し、製作者様の許可が得られたら次々書きます。
ゲームをプレイした、している 方もぜひ読んでください。
まだプレイしていない方も、読んで頂ければ幸いですね。




