0:プロローグ
宜しくお願いします。
はじめまして、というべきだろうか。
それともこんにちは?
……いや、時間によっては、おはようございます、こんばんはなどもありえる。
そもそも僕は今まで疑問でならなかったのだが、「こんにちは」は漢字で書くと「今日は」になってしまうし、「おはようございます」は「お早うございます」、「こんばんは」は「今晩は」になってしまう。
挨拶とはその一言で終わってしまうものだが、そもそも「こんにちは」とは「今日はご機嫌いかがですか?」の略であることを日本人は知っていて使っているのだろうか?
おはよう、こんばんはも結局は略されている。
……と、いけないいけない。
これは僕の悪い癖だ。
どうしても話を少し…いや、かなり、大幅に脱線してしまう。
では申し訳ないが、出だしから。
はじめまして。僕は名無し。
別にふざけているわけではない。
本当に名がないのだ。
いや、実際はあったのかもしれない。
しかし今の僕にはその「記憶」がない。いや、その記憶「のみ」ない。
どういうことかと聞かれると、語るのが好きな僕は延々と話してしまうのだが、しかし簡潔に、簡単に説明するとすれば。
僕は今までの自分の人生、関わってきた人間、やってきたことは全て覚えている(これはただの自称だ)が、自らの名前だけ忘れてしまったのだ。
いつからかは分からない。
ずっと昔だった気もするし、昨日だった気もする。
まあようするに僕は適当な人間だ。
正直名前がなくとも不自由はない。
名前という鎖に縛られずに生きていけるのだから。あぁ、そういえば言霊という言葉があるがもちろん人の名前にも―――……おっと失礼。
また脱線してしまうところだった。
とりあえず言っておこう。
今から僕が語るであろう物語は物語ではない。
痛快なんて言葉はどこにもない。
主観的なんてものは見当たらない。
あくまでも。
僕ではない「誰か」にとっては当然他人事であり、「客観的」な物語なのだ。
これは僕がこれから起こるであろう奇妙な出来事を文字にしたものでしかない。
ここまで読んでくださりありがとうございました( 'ω')