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転生先は一文無し  作者: 羽華
ー序章
2/6

第一話 目覚めの時間

『ボディーバイタルを検査中・・・異常なし。オペレーターシステムのインストールを開始します・・・インストール完了。では、この後は任せます、オペレーター76』

『了解です!では、マスターを起こします』


うぅ…腹減った…

腹減った?

私は死んだはずじゃなかったっけ?

死んでも腹は減るもんか?


『おはようございます!マスター』

お、おはよう?

『はい、おはようございます、そして転生おめでとうございます♪』

転生?

何を言ってんだ、私は死んだんだよ?

『そうですね、マスターは元の世界ではもう亡くなっています、死にたてホヤホヤです!』

死にたてホヤホヤって、パンじゃ無いんだから…

だが死んだのは確かなのか。

『そうですね、死んだのは確かです』

レナ()にはもう会えないんだな…

『はい、もう妹さんには会えません』

…クッ

元々レナ()の為に殺し屋やってたのに、自分がやられては元も子もないじゃ無いか…

『…だけど、妹さんが現世での安泰は我々オペレーターの名にかけて保証します。』

それでも…

…いや、そっか、ありがとう。

さてと、既に終わったことだし、悔やんでも仕方ないか。

『そうですよマスター、しっかりしてください』

あぁそうだな

って、お前誰だ?

さっきからずっと喋ってくるけど

『あっ、紹介し遅れました、私は―オペレーター76

異世界補助システムからサポートとしてマスターに配属されました!』

そっか、オペレーター76…よろしくなナロ。

『ナ…ロ?』

オペレーター76って長くて言いずらいからな、これからお前はナロだ。

『ナ,ロ…ナロ!はい!マスター今日からナロはナロです!』

何言ってんだこの子…

まぁ気に入ってくれてなりよりだ。



さてと…さっきから腹が空きすぎて今でも餓死しそうだ。

さっきから動いて無いままだが私は今うつ伏せの状態、この体がどう言う状態か分からない。

まず動いてみようか…

指は…よし、動く。

次は腕、肩、首…

(ー1分後)

全部大丈夫そうだ、ただ腹がめっちゃ減ってるだけ。

立とうか。


「うわぁ!あっぶねー」

足がガタガタだ、ここまで体が貧弱とわ…


(ぐぎゅううーー)


ナロ、サポートって言ってたな

『はい!』

飯をくれ。

『…無理です』

じゃあ金。

『無理です、ナロ達オペレーターのサポートはあくまで情報や能力、食事や金とかはサポート出来ません。』

「チッ」

『あー!マスター今舌打ちましたね!』

ナロ、お前なぁ…

大事なマスターが餓死しそうなのに、サポート出来ませんとか…

「チッ」

『しょうが無いのです!ナロは実体無いので物お持つことが出来ないのです!舌打つのやめて下さい!』

「チッ」

『もう!!!』


しょうがない、自分で探すしか無いか、ここは森だし木の上に果実とか出来てるだろう。

薬草とかあれば尚更だ、取っといて損はない。

(ぷーん)

ヴェ…

にしてもこの体の元主人はどうなってんだ?

さっきから腐ったような臭いが自分の体から漂ってる…ヴェ…

まずは身体を綺麗にすることだな。

ちょうどいい、右側からドシャドシャと水の音がする、見てみようか。

そのまま私は音がなる方向に向かって歩いてった。


それから歩いて10分、木の上に桃みたいな果実を見つけた。いや、それは絶対に桃だ間違いない、ナロ。

『はい、マスターそれは桃です、その桃の木の少し奥にマンゴーの木もありますよ!』

お!本当だ、じゃこここにある青いのはブルーベリーか?

『いかにも!』

ん〜〜甘い!

まじか…相当潤った地だな。

『この世界は至るとこに魔素があるので、こう言う魔素が高い森は色んな植物が出来やすいのです!』

なるほど、つまり魔素は栄養剤って訳だ、にしてもこの世界とこの元の世界の植物は全く同じなのか?

さっきから見慣れた植物しか無いが。

『いえ、そうではありません、魔素があるゆえ、この世界特有の植物もいっぱいあります、例えばマスターの足元に生えてる花』

足元…これか。綺麗な白い花だ。

『はい、綺麗な花ですよね。それはエンジェルフラワーと呼ばれています』

エンジェルフラワー。綺麗だか…どこにもかるような花じゃ、

『NO.NO.NO.』

『フッフン…このエンジェルフラワーは貴重な薬草としてこの世界では☆高価☆な物なんですよ』

金!!!

取っとこ。あっそこにもある、全部取っとこ。



うん…にしてもこのまま登って木の上にある果実を取りたいが、流石にそんな力が出ないな。

ナロ、どうにか出来るか?

『はい、マスターには魔法が使えるので果実を取ることなんて容易い事ですよ〜』

そっか、私も魔法を使えるのか。

で、どんな魔法が使えるの?

『マスターはこの体が所持してた一つの魔法と、異世界補助システム本部からマスターの前世を参考して追加した3つの魔法が使えます。』

ほう、今役に立ちそうのはあるか?

蜘蛛の糸(スパイダーシルク)、これがいいと思います!』

蜘蛛の糸(スパイダーシルク)…なるほど、私がワイヤーを武器にしてたのを参考したのか。蜘蛛の糸は強靭だと言わられる、なかなか使えそうだな。


蜘蛛の糸(スパイダーシルク)


ペタッ

糸が飛び出し果実にくっついた、そのまま糸を戻すと、そこに立つだけで果実が取れた。

中々いい魔法だ!


(ー10分後…)

興奮しすぎて取りすぎた…まぁ良い練習にもなったしよしとしよう。

そ・し・て・いろんな果実や薬草を取りながら進んでたら運良く目的地にも辿り着いたしな!!まさかこんなに大きな湖があるとはラッキーだ、しかもここ、滝まであってシャワーまで出来る!最高だ!


そして私は勢い良くジャポンと湖に飛び込んだ。

「冷た!」

でも多分夏だからかひんやりしててかなり快適だ、これでやっと腐ったみたいな臭いから解放される。

暇だからさっき取った果実でも食べながらナロにこの世界について話しを聞こうか。

『呼びましたか?マスター』

ナロ、この体について教えてくれないか?

『了解です、この体、つまりマスターのこれからの名前はタラッサです

―タラッサ・レーテカイロス

親は大手薬会社社長で彼女は一人娘です。』

お嬢じゃないか、そんな人が何でこんな有様に?

『破産です、二年前、彼女が16歳の時に親の会社が破産しました。』

なるほど…

で、親はどこに行った?

『お亡くなりしています、倒産した後謎の人たちに目の前で殺されてしまいました、タラッサだけは両親がその時匿ってあげたおかげでかろうじて逃げ出すことができたのです』

なるほどかなり…重い話だな、

胃もたれしそう…

そして元のタラッサはどうした?

『先ほど、マスターがこの身体に入る前に餓死しました』

…だろうな。

16歳、大手会社の社長な親が育てた世間知らずのお嬢様が突然全てを失ったらパニクってどうするか分からなかっただろう、2年足掻けただけでも奇跡だ。


(…復讐)

耳の横で誰かが囁いてきた。


「!誰かそこにいるのか?」

(復讐してください!)

「うわっ!」


声の正体は1人の浮いてる少女、顔立ちがはっきりしてきれいだがあまりにも痩せている、服もボロボロだ……

って、この服、さっきまで私が着てたやつじゃないか!

私がさっき脱いだ服はまだ元の位置に置いている、て言う事は…


「推測だが…間違えたらすまない、お前はまさか…元のタラッサか?」

(はい、私がもともとこの体の中にいたタラッサ・レーテカイロスです!)


やっぱりな…って言うことは私、今こんな見た目なんだ、ほぼ骨と皮だけじゃ無いか…


(お願いです、私と家族の復讐をしてください!)

「復讐といっても…何をすればいいんだ?そもそも、相手が誰かわかっているのか?」

(わからないです!)

「なっ…お前よくそれで(復讐してください!)とか言い出すな…」

(わからないですけど…パパとママを殺した人たちは星型を半分に切るようなマークがついたローブを身に付けていました!少しだけですけど、手がかりになるとは思います!)

ヴゥ…

「手がかりと言っても、それだけじゃ少な過ぎる」

(お願いです!私はまもなく、この世界から完全に消えます。だけど、このまま未練を残して消えるのは嫌なのです!家族の記憶が残っている家も…家族を殺されたこの憎しみも…うぅ…)


そう言いながら彼女は涙を流した。

不思議だ。

霊体のはずなのに、涙は出るんだな。

(この二年、私はこのに憎しみを抱えながら、毎日、どんなに辛くても堪えてきました。但しパパとママに宝のように育てられた私には、復讐する能力… いや、生きるスキルすらないのです…なので、貴方様がこの身体を使って果実を取ったその時、この湖にたどり着いた時、この人ならできると思ったのです!!)


元のタラッサ

この、目の前にいる16歳で全てを失って、今も必死に涙をこらえてる少女がふと、レナ()に見えた。

はぁ…しょうがない。

どうせ暇だし、未練を果たしてやろうか。

この身体も彼女から貰ったようなもんだからな。


「わかった、お前とお前の家族の復讐をしてやる、家も取り戻してやる。だから、もう泣くな」

私は思わず彼女の頭を撫でた、昔よくレナ()の頭を撫でるように。不思議に、霊体なのに触れられた…

(あい…ありがどう…ごじゃいまず…)

「あぁ、任せろ。」

(ふふっ、頼もじい…でずね…)

泣きながら喋るな…

(ズルズル)

めっちゃ鼻垂れてる…



っと、色々あったが。

どうやらあの子は私が転生したあの時から見てたらしい。自分の死んだ筈の身体が動き出して不思議と思いながらついて行ったら、私とナロの会話が聞こえるようになって、復讐を頼もうっと思ったんだ。

その後、元のタラッサは礼を言って、安心したんだろう、微笑みながら風に溶け込んだように消えた。

(私の復讐をお願いしましたが、自分を優先にしてください!)っと言い残して。

出現も消えるのも突然な子だった。


はあ…この世界に来てそう経ってないのに色々ありすぎたろ…

もうヘトヘトだ。

『やることが出来て良かったですね!マスター』

面倒ことが増えただけだ…

『だけど今のマスター少し嬉しそうですよ〜』

!!

うるさい。

『素直じゃ無いですね、マスターは』

黙れ。別に嬉しくない。



ふぅ、体も綺麗になって腹も満たされた、水出て仮拠点でも作ろう、もうすぐ夜だし今夜はゆっくりお休みたい。

って

仮拠点の前に服だな、流石に前の服は着たくない、臭いが染み込んでる。

そうだな、せっかくだし《蜘蛛の糸(スパイダーシルク)》がどこまで出来るか試してみよう。

うん…

タイツはどうだ?動きやすいし…ガリガリなのが丸見えでやだな。

じゃローブはどうだ?体を隠せる…今度は動きにくいか。

パーカーはどうだ?いいじゃないか!動きやすいし体も隠れる!そして下半身は短パンにタイトなインナー!髪が少し邪魔だからまとめてっと。


おぉー

さすが私、上出来だ。(パチパチ)

流石に蜘蛛の糸と言う事だから色は白しか出ないが、伸縮性も丈夫さもかなり良い。これなら今日の仮拠点も蜘蛛の糸(スパイダーシルク)でどうにかなりそうだな。



そして私は蜘蛛の糸(スパイダーシルク)を使って木の上で仮拠点を作った、さっき取った果物と植物も忘れず。今日はもう休もう。

にしても良い空だ星が良く見える、風も気持ちいい、最高だな。自分のを優先か…確かに今まではレナ()の為だけに生きてきた、それが私の全てだと思ってたからな。

今度の人生は自分を優先にしてみようか。




そう思いながら風にユサユサと揺られながら、タラッサは眠りに落ちるのであった。


『おやすみなさいマスター、いい夢を。』

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