表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

黄道を刻む二十四の時の詩

雪の下のかくしごと

作者: 日浦海里

賑やかな時は去り

静けさが残された土地


ましろに染まりゆく中でも

静かに艶やかに花開く命もあって


青々とした葉の裏側では

囁くような幼子たちの話し声


命の終わりを迎える世界でも

次の命を繋ぐために

見守り支える者たちがいて

目にすることない声なき声は

白い大地の下で

絶えず流れ続けている


氷を連れてくる分厚き衣も

地下を潤す恵みでもあって


寒々とした雪の下では

氷の精たちが歌を歌ってる


想いの終わりを迎える世界で

届かぬ願いをその胸に秘め

輝く星を羨む者たちがいて

それすら色褪せぬ良き思い出と

融けずに残った想いの欠片を

忘れず抱き続ける者がいて


すべてがましろに覆われて

明けない夜の日々を過ごして

いつかの始まりを待ち続けている

そんな世界と思っていたけど


すべてがましろに生まれ変わって

多くの星に願いを託して

迎える終わりを受け入れていく

そんな世界でもあるのだと


すべてが凍る氷の世界で

小さな火が灯る歌声が響いた

今日は大雪


本格的な冬が始まり、山野は雪に覆われる季節です。

平野でも所によっては一面が雪に覆われ

長く寒い日々が訪れます。


年の終わりに向けて

普段よりも忙しい日々が続きますが

それは新しい日を迎えるためでもあります。



【登場人物紹介】

○冬姫

 別名 氷姫。

 温められた世界を冷やす力を持ちます。

 自らに与えられた力を制御することは出来ず、

 その力は世界を凍りつかせることしか出来ません。

 その力が生命の温もりを奪いつくすこともありますが

 一方で、彼女によって生み出される氷や雪は、

 地の下で新たな生命を育む役割りも持っています。


 自分にできることは奪うこと、

 眠りにつかせることだけで、

 生命を育むことは出来ないし、

 他の生命に触れることもできない


 そう考えている彼女は

 自分は常に孤独であるべきだと思っています。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 冬姫に感謝と愛を伝えたい
[良い点]  静けさの中にもそこにあるもの。  失われていくのではなくて、繋がりゆくための力を蓄えている。  そんな様子に思えました。  現状から目を逸らし、ただ焦がれるのではなく。  この現状がも…
[良い点]  氷に閉ざされ時を止め、歌い灯し心に待つは融ける春まで♪
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ