雪の下のかくしごと
賑やかな時は去り
静けさが残された土地
ましろに染まりゆく中でも
静かに艶やかに花開く命もあって
青々とした葉の裏側では
囁くような幼子たちの話し声
命の終わりを迎える世界でも
次の命を繋ぐために
見守り支える者たちがいて
目にすることない声なき声は
白い大地の下で
絶えず流れ続けている
氷を連れてくる分厚き衣も
地下を潤す恵みでもあって
寒々とした雪の下では
氷の精たちが歌を歌ってる
想いの終わりを迎える世界で
届かぬ願いをその胸に秘め
輝く星を羨む者たちがいて
それすら色褪せぬ良き思い出と
融けずに残った想いの欠片を
忘れず抱き続ける者がいて
すべてがましろに覆われて
明けない夜の日々を過ごして
いつかの始まりを待ち続けている
そんな世界と思っていたけど
すべてがましろに生まれ変わって
多くの星に願いを託して
迎える終わりを受け入れていく
そんな世界でもあるのだと
すべてが凍る氷の世界で
小さな火が灯る歌声が響いた
今日は大雪
本格的な冬が始まり、山野は雪に覆われる季節です。
平野でも所によっては一面が雪に覆われ
長く寒い日々が訪れます。
年の終わりに向けて
普段よりも忙しい日々が続きますが
それは新しい日を迎えるためでもあります。
【登場人物紹介】
○冬姫
別名 氷姫。
温められた世界を冷やす力を持ちます。
自らに与えられた力を制御することは出来ず、
その力は世界を凍りつかせることしか出来ません。
その力が生命の温もりを奪いつくすこともありますが
一方で、彼女によって生み出される氷や雪は、
地の下で新たな生命を育む役割りも持っています。
自分にできることは奪うこと、
眠りにつかせることだけで、
生命を育むことは出来ないし、
他の生命に触れることもできない
そう考えている彼女は
自分は常に孤独であるべきだと思っています。