19
ブリュワーズに戻ってきた。
色々あって少し疲れたかな。
ゆっくり休もう。
休日の後だった。
私は、ラピュアス大学のキャンパスを、手紙を手に走った。
いい知らせ、ステップは軽かった。
教授室にノックも忘れて駆け込んだ。
「せんせい!!」
「なに、大きな声で」
マリエーヌ教授に手紙を見せた。
それはまさしくバランティア国、マーティスさんからのラブレターだった。
『僕は、君と出会い、君と過ごし、君と困難を乗り越え、心を取り戻すことができました。火災での出来事がなければ、ずっと変わることはなかった。
すべては、君がバランティア国に来てくれたおかげです。ありがとう。本当にありがとう。
僕は、君を……エミリアさんを、愛しています』
マリエーヌ教授の瞳が潤んでいた。
「読ませてもらった。この手紙は確かに、テーマモデルからラブレターよ」
ホッとした顔をした私。
「合格」
と、言ってくれた。
教授の入れてくれたティー、とてもいい香り。
飲んでも美味しくて。
「お相手の心をつかむ恋愛って、感動的じゃない?」
「はい、表面的な派手さで男性を選んできた自分にとって、また少し前進した気がします」
「そうね。この世界の恋愛は様々、違ったミッションをこなすことで、新しい自分に気づいたり、まったく違った自分に生まれ変われたり」
「はい」
「楽しんだらいいわ。この大学に通いながら」
「ありがとうございました」
やったぁ~
単位修得!!
レゼッタさんにも報告しなくちゃ。
今夜は、ぐっすり眠れそう。
な、なんと単位修得のお祝いに、1階パン屋さんからケーキが送られてきた。
レゼッタさんの作るごちそうも豪華で。
お腹一杯食べたら眠くなった。
こうして一日は終わった。
学業は続く。
次の講義をどうするか?
相談室では、各講座についての説明や受講の資料などが手に入る。
どうしたらいい? 迷っている。
学生食堂で一人ランチ。
単位修得といういいことがあったので、ちょっと奮発。
デザートにパフェを注文。チョコレートのプリンがのっていて美味しそう。
「どう? 一人ランチのお味は?」
勝手に手前の席に座ったテリウス。
「邪魔しないで」
「それはないだろ。僕のおかげで単位がとれたんだから」
確かにマリエーヌ教授の講座を紹介してくれたのはこの男。
お礼は言わないと。
「ありがとう」
「心がこもってない」
「ありがとうございました」
丁寧に言ってみた。
「なによ!!」
テリウスは、私の隣に移動してきた。
「ちょっとぉ」
一人ランチを邪魔しないでって。
「なに?」
テリウス、自分の頬を指さしている。
「お礼にキスを」
はぁ? 馬鹿じゃないの?
「単位がとれたのは、素敵な出会いがあったから……そして運命的な出来事があったから」
なんでキスのサービスまで。
テリウスは、横顔をよせ、目を閉じている。
私は、チェリーを無理やり口に入れてやった。
ムゴムゴ……ムゥゥ
チェリーを食わえたまま目を開けるテリウス。
私は、ランチのトレーを持って、別の席に移った。