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情報収集中

 情報収集として夜のエジックを歩いてまた奴隷商の所に戻ってきた。

 商人は店の前で俺の事を待っており、俺を見つけるとすぐに手招きをした。


「こちらですお客様」

「少し遅かったか?」

「そんなことはございません。どうぞこちらに」


 そう言って商人は俺を手招きしながら裏路地を進む。

 複雑に入り込んだ裏路地を進むと少しずつ賑やかな声が聞こえてくる。

 裏路地を抜けるとそこは予想通りの場所が広がっていた。


 その場所はいわゆる風俗街だ。

 見た目だけは立派な売り子や呼び込みが道で大声で呼び、自分の店に客を入れようとしている。

 看板を見てみると『獣専門店』『熟女専門店』『子供専門店』などと専門店と書かれた店まであった。


「獣専門店は何となく予想できるが、熟女と子供も隠語か?それとも本当にそう言う人間を置いているのか?」

「いえ、専門店と書かれている店はみな隠語ですよ。熟女はエルフ、子供はインプです」

「インプの奴隷もいたのか」

「インプはかなり面倒なので滅多に入荷しないレアものですが……ほとんどは人間から生まれたインプです」

「人間から生まれた?」

「ごく稀にある事ですが、人間の女の腹からなぜかエルフやインプが生まれる事があるんですよ。獣人に関してはそんなに珍しいというほどではなのですが」


 なるほど、隔世遺伝か。

 もしくは先祖返りとでもいうべきか。

 おそらくその奴隷の血縁にエルフやインプが混じっていたのだろう。

 そして偶然その先祖の血が強く出て生まれた来ただけだ。

 だがそう考えるとこのエジックでは相当様々な血が混ざっていると言える。


 少し妙だな。

 このエジックも他の地域同様に獣人などほかの種を見下していたことが多かったし、本気で交わる事はなかったはずだ。

 上手く避妊できていなかった、もしくは酔っ払った勢いだけで犯した、という感じか?

 答えは出ていないがなんとなく気になる。


「お客様、どうぞこちらに」


 商品がそう紹介した店は看板も出ていない。

 ただ人がいる気配だけはする店と言うよりは誰かの家のような場所だ。

 だが外側から攻撃されても問題ないように鉄格子でしっかりと守られているのはこの辺りの治安の悪さか、それとも逃げられないためか。


 商人は家の鍵を開けると俺を家に入れた。

 中は結構広く、見た目通りと言う訳ではなかった。

 家の中はいきなりホールのようになっており、丸いテーブルを囲むようにさらに巨大なソファーがテーブルを囲んでいる。

 テーブルの上には様々な種類の酒がバケツいっぱいの氷の上に置かれており、その隣にはグラスが置かれている。

 そしてテーブルを囲むソファーに座っているのは様々な種族の女達。

 人間だけではなく獣人、エルフ、インプと色々揃っている。

 しかも1人だけではなく1種族につき5人、合計25人が俺を見て舌なめずりをしている。

 服装はそれぞれの種族の伝統衣装を着ていた。


「いかがでしょう。これで今夜は寂しくなく、寒くもないでしょう」

「ああ、悪くないな。で、お前も楽しむのか?」

「まさか。これはお客様が楽しむために用意したもの達です」

「よく見ると何人か見たことのあるやつがいるな」


 高級奴隷として販売されていた人間の女が混じっていた。

 他の獣人やエルフも見たことのある顔であり、初めて見るのはインプだけか。


 俺がソファーに腰かけるとすぐに女達は身体をくっつけながら酌をする。

 わざと当ててくる胸や太ももは柔らかく肌もきめ細かい。

 髪の色や肌の色も様々でバリエーションが多い。

 全員娼婦としての技術だけではなく、ここでうまく売り込む事が出来ればこの奴隷商から出られるという事もあり真剣だ。

 俺にただ触れるだけでも女の魅力を最大限発揮するように計算しながら俺に触れる。


「で、こいつらいくらだ」

「無料です」

「…………酒と飯は」

「そちらからはお代をいただきます。あくまでも無料なのは初回限定であり、次回からはそれなりにいただきます」

「なるほど。それは聞いて安心した。お前も楽しむか」

「いえ、私はあくまでもお客様に奴隷を提供する立場。お客様とともに楽しむつもりはございません」

「それは少しつまらないな。ならもう少し話に付き合ってくれ。こいつらをどう調教したのか興味がある」


 奴隷達は空気を読むのが上手いらしく、まだヤる気がないと分かると酌をし始める。

 両手に花どころか花束が敷き詰められているようなものだが、商人の方には花が一切ない。

 確かに彼の言う通り提供する側だからっと言ってしまえばそれまでだが、もう少し聞いてみたい事がある。


「この奴隷達は少々特殊な香を使って調教しました。簡単に言いますと羞恥心などを取り払い、ほんの少し特殊な薬を飲ませているだけです」

「あまり中毒性の高い物は使っていないだろうな」

「それはお客様によります。元々そう言った薬漬けになった奴隷を求める方もおりますし、自分で調教したいからそういった事はされていない奴隷もおります。今回の奴隷達は非常に軽い物で薬も常飲しないといけない物ではありません」

「そうか。薬漬けは楽だがあとが面倒だ。そしていくつか聞きたいが今も奴隷剣闘士は人気だったな」

「はい。最近ですと獣人の奴隷を掛け合わせて作った奴隷を戦わせるのが貴族達の楽しみとなっております」

「戦うのは獣人ばかりか」

「そうですね……最近は非常に多いかと。人間の奴隷は性的な目的か、召使いとしてご購入される方の方が多いです。獣人の雌もほとんどが繁殖用として使用されております」

「つまらん使い方だが、それが現在いまだというのなら仕方ないか。その奴隷剣闘士達はコロッセオにいるのか」

「いえ、舞台はコロッセオで変わりませんが、所有者が屋敷に連れて帰っていますのでコロッセオにはいません」

「まさか自分で調教しているのか」

「その通りです。ほとんどは奴隷同士を戦わせることで調教していますが、本格的に行っている方はエサから戦闘技術まで教え込んでいると聞いております。すでに引退した奴隷剣闘士を購入し、剣技や戦闘技術を教えさせているとか。そのため人気のあった奴隷剣闘士が競りに出されることもあります」


 やっぱり時代が変わればいろいろ変わるもんだ。

 俺が知っている300年前の奴隷剣闘士と言ったら人間同士が普通で、というかルールで人間同士でしか試合が行われていなかった。

 当時の獣人の奴隷はただのステータスで、強い獣人を飼っているというだけでワンランク上の人間として扱われるために購入していた貴族も少なくない。

 今の奴隷剣闘士がどうなっているか気になるな。


「今の奴隷剣闘士の試合はどうなってる」

「奴隷剣闘士の試合は無料で入れますよ」

「無料だと?チケットによる収入はどうした」

「チケットを購入しないといけない席は貴族しか買っていません。平民は自由席で勝手に座り、賭け事で収入を得ています」

「賭けか。試合は全て1対1か」

「その試合によりますが、ほとんどはバトルロワイヤルで行われます。1対1となるとその年のチャンピオンが新しい挑戦者チャレンジャーと戦うときになるでしょうか。ですがこの試合も年に1回あるかないかという物でして、ほとんど行われません。バトルロワイヤルの方が収入も大きいですから」


 試合を楽しむというよりは単なる賭け事の一種になった感じか。

 そうなるとモンスター対人間もなくなったのかな?

 あれは勉強になったんだけどな……レベルが低い時、どの魔物がどんな攻撃をしてくるのか研究する目的でも観戦価値があった。

 意外なスキルがモンスターを倒したり、意外な使い方を見せてくれることもあったので結構楽しかった。

 でも今話を聞いている限りだとそう言うもよおしはなさそうだ。


「なるほど、理解した。では明日はそこで遊ぶのも悪くないな」

「私どもの店でも奴隷剣闘士を出場させていますので良ければその者に賭けていただけると嬉しく思います」

「そいつの名前は」

「アレックスと申します」

「覚えておこう。こいつらも我慢できないようだ」


 獣人の奴隷がわざと口だけを使い、俺の物を取り出そうとズボンを噛んで引っ張る。

 他にも顔を俺の物にこすりつけ、まるでまたたびを嗅いだ猫のようにゴロゴロと喉を鳴らしながら媚びる。

 インプも上質なエサがあると感じているのか、いつまでも餌をお預けされているペットのように涎を垂らしていた。

 人間の奴隷達も先に購入してもらおうとひたすらにあざとく、胸を寄せて強調したり、俺の肌に触れるか触れないかの所を指でなぞったりしてアピールしてくる。

 珍しいオッドアイの猫の獣人が尻尾を俺の腕に巻き付けてきた。


「ありがとうございます。では朝までお楽しみください」


 そう言って商人はこの店のカギを置いて出て行った。

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