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義兄 2

〘 Lvup!〙


ふう、寝返りうつのも楽じゃないわ。

1から2に上がった時より当たり前かもだけど、2から3にあげるほうが時間と体力を使う。上がった分と消費した分を回復するために大人しくしておこう。

そんな私もどうやらそろそろ半年らしい。

あ、転生したと気づいた時はおそらく4ヶ月頃だったのだろう。その時からママは毎日様子を見に来てくれるし、パパも最初の頃は1週間に1度とかだったのがだんだん多くなってきて、いまやほぼ毎日来ているように思う。来た時はいつも人差し指を差し出してくるので、握ると満足したように部屋を出ていく。生存確認でもしているのだろうか。

しかし、義兄だけは最初に会った日以降全く姿を見なかったが、カランカランと音のするおもちゃで私をあやしてくれているメイドさんが、ユーリス坊っちゃまがまたつまみ食いをして…と今現在私に愚痴っているので、元気にはしているんだろう。


「ハルティナ様…」


ベッドから覗いたメイドさんに、今日はあなたでしたか。よろしくお願いします。の意を込めて、あーと手を伸ばすと、メイドさんは私をその胸に抱えて部屋を出た。

あれ、今日は外に行くのかな?外にお散歩行ったことがない訳では無いけれど、必ずママと一緒だったので不思議に思う。

抱えてくれているメイドさんを見上げると、何か焦っているような不安なような表情をしていて、あ、これもしかして誘拐とかそういう?という危険な信号が私の頭の中で鳴り響いた。


「ヴぇ、うええええええええええ!」


「は、ハルティナ様、よしよし、大丈夫ですよ!」


「うええええええええええええええ!」


このメイドさんはいつも私に優しくて、この人の前では泣いたことが無いかもしれないが、赤ちゃんである私に出来る精一杯がこれである。いくら広い家とはいえ、この泣き声が、誰にも届かない等あるはずがない。

慌てるメイドさんを他所に泣き続ける私を1番に見つけたのは、


「おい!何してる!」


その声と、同時に浮遊感を感じ…いや、落ちてる…!?落ちた!!!


〘 ハルティナ HP:20-15 〙


落ちた衝撃で声がつまりヴッとなった瞬間、ステータス画面が点滅して、危険を知らせていた。あっぶな、さっきまでLv.2でHPが15だったから、今朝レベルアップしてなきゃ死んでた…ほっとしたのもつかの間で、背中の痛みに息が詰まる。抱き上げてよしよしして欲しい。


「ヴッヴッ」


「ハルティナ!」


痙攣するように手足を動かして苦しむ私を駆け寄って抱き上げてくれたのはパパであった。いつの間にか抱き方も安定していて、背中をさする手も暖かい。


「ルーナ、治癒魔法を…」


「ええ、もう大丈夫よ、ハルティナ…パパもママもいるからね…」


そう言って背中に触れたのはルーナことママであり、治癒魔法を発動してくれたらしく、背中の痛みは一気に無くなった。凄い。

その後続々と集まってきた屋敷中の人達に囲まれながら、みんなに囲まれているのは私を連れ出したメイドさんと、1番に駆けつけてくれた兄ユーリスであった。

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