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第66話 通商破壊

 盗賊が商人を襲い始め品物が完全に届かなくなった。

 通商破壊って奴か。


「おはよう」

「あら、あなた達も盗賊退治の依頼を受けに来たの」


 冒険者ギルドの受付でそう言われた。

 いよいよギルドも本腰を入れるらしい。


「受けられそうなら受けるよ」

「ギルドとしては採取や雑用もやって欲しいから、先着100名までだけど。あなた達は特別よ」

「何か頼み事がありそうだな」


「そうなの、手紙を運ぶ鷹を増やしてもらいたくて」

「そんな事。お安い御用だよ」


 鷹を納入して、盗賊討伐の依頼を受けた。

 盗賊討伐は生死を問わないと書いてある。

 何人か下っ端を捕まえてあるそうで、首実検が出来るらしい。


「マリー、街道を見張る事にしよう」

「うん」


 盗賊を恐れて街道を通る馬車の姿はない。

 囮の馬車を用意すべきだな。

 ポリゴンで作って偽物だと思われないかな。


 やるだけやってみよう。

 俺はポリゴンで馬車を作り、街道を走らせた。

 盗賊は出て来ないな。


 道が森に差し掛かる。

 その時矢が飛んできてポリゴンの馬車に突き刺さった。

 消えるポリゴンの馬車。

 俺とマリーは尻餅をついた。


「痛た」

「きゃ」

「盗賊のお出ましだ。気を付けろよ」

「うん」


 しかし、待てども待てども盗賊は現れない。

 馬車が消えたので幻術の類だと思われたようだ。


 本物の商人と馬車を用意しないと駄目か。

 待てよ。

 ポリゴンの馬車を最初は見抜けなかった。

 なら、攻撃されない物を餌にすれば良いんだ。

 金じゃなければエロだろ。

 ボンキュッボンの美女をポリゴンで作れば騙されるかも。


 俺はポリゴンで美女を作った。

 作成依頼したが顔の造形は甘いので、ポリゴンとばれる可能性がある。

 フードで顔をよく見えないようにした。

 フードなどの衣類は本物を使った。


 腰を揺らして街道を美女が歩く。

 こんなのいねぇと言う突っ込みが入りそうだ。

 俺もこれは失敗したかなと思った。


「ぐへへっ、ねえちゃんちょっと待ちな」


 おー、釣れたよ。

 俺とマリーは美女の兄弟という設定だ。


「【具現化】巨大ゴム輪。縮め」


 盗賊達は全員が拘束された。

 ちょろいぜ。

 と思ったら、森の奥から大柄なスキンヘッドの男が現れた。


「捕まりやがって。お前ら罰として飯抜きだ」

「お頭、酷い」


 こいつが頭目か。


「【具現化】巨大ゴム輪。縮め」

「ふんがぁ」


 ポリゴンのゴム輪は引き千切られた。

 能力を使わせないと。


「【具現化】大岩。落ちろ」

「ふん、ふんがぁ」


 大岩がパンチで粉砕される。

 まじかよ。

 素の筋肉で負けるとは。


「【具現化】ファイヤアロー。飛べ」


 ファイヤアローは頭目に当たり消えた。


「ふん、効かないな」


 ファイヤアローが効いてない。


「今度はこちらの番だ」

「不味い。【具現化】石の壁」

「こんなの何でもない。とりゃー」


 ポリゴンで出来た石の壁が壊された。


「【具現化】サンダーアロー。飛べ」


 サンダーアローは頭目に当たり、頭目は少しよろけた。


「ぐがっ。ちょいと痺れたぜ」

「ディザ、援護するよ」


 マリーがライフルを撃つ。

 弾が当たり頭目がのけぞる。

 弾が砕けたのだろう。

 マリーのライフルが消える。

 弾に当たっても平気だなんて、物凄いタフな奴だ。


「飛び道具を使われたら堪らないぜ。おいお前らいつまでも寝てる。ずらかるぞ」

「へい」


 頭目によって盗賊達の拘束が解かれると、盗賊達は森の中に逃げて行った。


「逃げられちゃったね」

「そうだな。能力が分からないのは痛いな。こちらの手の内はほとんど通用しなかったし」


 盗賊を殺していたら、頭目も本気になったのかもな。

 それだとこちらの負けだったかも知れない。

 少し変なんだよな。

 ファイヤアローが効かなくて、サンダーアローは効いた。


 それに拘束もライフルの弾も生身で打ち破れるものだろうか。

 大岩を砕くのもそうだ。

 もしかしてスキルを使われていた。

 何のスキルだろう。

 外見に変化がないから分からない。

 筋力強化系だろうか。


 ジュエルスターがやられたのとは別の頭目という可能性もあるな。

 盗賊団が一つだとは限らない。

 下部組織があるのかも。


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