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相当大事な話を秘密にするというイタズラに対して叱った。

あれからイザベルの所へ行き、俺達3人が式典の時に着る服を試着。


俺の服は要望通り派手過ぎず重すぎずのものだが、神聖な雰囲気を醸し出している仕上がりになっていた。


本当は恥ずかしいが、これくらいは我慢しなきゃならないし慣れていかないとダメだろう。


カタリナは顔もスタイルもいいので何を着ても似合うのは分かっていた、実際今のドレスも滅茶苦茶綺麗だし。


フライハイトの服もしっかりしたものが出来ていた。


「しかし、よくフライハイトの服なんて作れたな。

 ここ最近培養液から出たのに。」


「赤ちゃんなんて大体皆同じ体型よ。

 よっぽど細かったり丸っこくなかったりしない限り合うサイズで作ってたから。」


なるほど、言われればその通りだ。




服の試着を終えて子ども達を奥様方に預けた後、妻達を集めて書斎へ。


「どうしてこんな大事な事をもっと前に相談しなかったんだ。」


ちょっと怒り気味の口調で妻達を問いただす、驚かせるための隠し事にしては度が過ぎるからな。


「ごめんなさい……資材と図面さえあれば村長なら大丈夫だろうって思って……。

 驚かせるための悪ふざけだったわ、やり過ぎたと思ってる―ー本当にごめんなさい。」


「申し訳ございません……私と他の方々も同じ考えです……。」


流澪が最初に謝ってきたということは、首謀者は流澪なんだろう。


実際考え付きそうなのは流澪だからな、結構いたずら好きで子どもっぽいところがあるし。


そして、それに他の妻も同調した感じか。


全員年上なんだから、止めてやってくれたらよかったのに。


「起きてしまったことは仕方ない、今度からは気を付けてくれよ。

 全員俺より頭がいいんだから、超えちゃいけない一線は判断が出来ると思ってる――信じてるからな。

 それより、ここまで大規模な神殿兼俺の家の作成だ……ちゃんとした図面と資材の確保は出来てるんだろうな?」


「もっちろんよ!」


俺の説教が終わったのが分かった瞬間、流澪は物凄い元気になって鞄の中にしまってあった分厚い書類を取り出す。


本当に反省しているんだろうな。


「まだ材質は決まってないけど候補はある、採掘班が綺麗で沢山取れる石をより分けてくれてるからそこから選ぶつもりよ。

 装飾には玻璃やステンドグラスに使っているようなガラスに、要所要所でシュムックやオレイカルコスを散りばめる予定。

 それで中の構造と広さ、それに部屋なんだけど――」


「待て、待ってくれ。

 そんな一気に話されても困る、それに構造は図面を見せてくれたら俺でも理解出来るから。

 まずは一番使うであろう神殿の大部分に使う石の選別だ、採掘班の倉庫へ向かうぞ。」


こういう大きい仕事は出来ることを確実に一つ一つ潰していくのが一番だ。


というより、それさえ決まれば後は装飾に使うシュムックを選別してもらうだけ―ー後は俺が図面を読み込めば想像錬金術で全て片が付く。


「ホントに大丈夫なの?

 図面には書かれてない隠し通路なんかも考えてるんだけど……。」


「……後で聞く。」


図面に書かれてない事も理解しなければならなくなってしまった。


普通なら断るが、自分の住む家に隠し通路なんて――そんなのワクワクするじゃないか。


男なら誰だって一度は憧れるから仕方ない。


俺と流澪以外の目線を「何言ってるんだろう……」というものだけど気にしない、だって仕方ないから。


隠し通路はロマンなんだ、分かってくれ。




「よくもまぁバレずにここまで。」


採掘班が建材を貯めている倉庫に到着、外見は変わってないので貯めるといっても控えめなんだなと思ったがそんな事はなかった。


俺にバレないように、その一念だけでこの倉庫を地下へ拡大、そしてそこに建材になる石をしこたま貯め込んでいる。


しかも候補の石すべて、石だけのために地下6階まで倉庫を広げるのはどう考えてもやりすぎだと思うぞ。


「私もここまでやってるとは思わなかったわよ……。」


流澪も知らなかったのか相当驚いている、というよりドン引きしてるなこれは。


村の住民はこういうところがあるから、今後は周りを巻き込むにしても規模の小さいもので頼む。


「村長、ようやっと話を知ったんじゃな。

 さて、建材はどれもあと少しで必要量じゃから好きなものにしてくれて構わんぞ。」


俺を見かけたドワーフ族が声をかけてきた、ようやっとなんて言葉が出てくるということは相当前から動いてたんだろう。


じゃないとこんな風にならないだろうからな。


「分かった、ありがとう。

 好きに選ばせてもらうよ。」


俺はドワーフ族に声を掛けて各階を回り石の選別を始める、どれも建材にしては申し分ない石だとは思う。


だが、一番神殿の素材として映えるのは大理石だろう。


他の建材候補の石を見ても大理石が一番だと思ってしまう、恐らく前の世界で得た知識に引っ張られているんだろうけど。


「やはり大理石が気になるか、こいつは見栄えがいい石じゃから今回の構想には合うと思うぞ。

 他の石も合うと思うが、大理石は昔から何かを祀る場所に使われてきておるからな――仕来りにも習えていいことづくめじゃ。」


何だって、この世界でも大理石はそういう建材として使われてきていたのか。


今思えば魔王の城やダンジュウロウの城も大理石を使っていたような……視野を広く持って得た情報を覚えておく記憶力、両方が欲しい。


全知全能の神なんて絶対虚像だ、神の俺がそう断言する。


建材は大理石に決定だ、他の石は……何か使用用途を皆で考えよう。


流澪、コソコソどこかへ行こうとしてるけど……逃げるなよ?


毎週火・木・土更新になります!

詳しくは活動報告をご覧ください!

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― 新着の感想 ―
[良い点] 415話まで楽しんで読んでいました。 [気になる点] この回はありえない。 [一言] 416話を読んで興味がなくなりました。
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