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この世界でのユニコーンの扱いを知って驚いた。

「よし、村長処理を頼む。」


「本当に食べて大丈夫なのか……ユニコーンって俺の知識だとかなり神聖な存在なんだけど。」


「「「「「「「なんで!?」」」」」」」


俺の意見に全員から驚きの声が返ってきて俺が驚いてしまう。


なんでと言われると……なんでなんだろうな?


ただ馬に角が生えただけなんだけど。


「こいつは家畜にもなれん害獣だぞ?

 角で他の家畜を襲い、囲いを壊して脱走するし気性も荒い。

 そのくせ角の所為で他の骨も弱いからケガもしやすいと来ている……食ったら美味いのだけが取り柄の動物なんだがな。」


滅茶苦茶言われてて少し可哀想に思えてくる。


毛並みは綺麗なのに。


「開様の世界でどう伝わっているか分かりませんが、これを近くに置いてる神は間違いなく無能ですよ。

 非常食として生かしておくにも、オスカー様がおっしゃった通り手間がかかりますし。

 皮の質も悪いので鞣しても普段着に出来るかすら怪しいですからね。」


「毛並みは綺麗だから、そのあたりは装飾品とかに使えたりしないのか?」


「普通の馬でいいわ、そっちの方が質もいいし。」


ウーテから一刀両断、まさにその通りである。


魔族領や人間領では馬を家畜にしてるし、それをわざわざ手間暇かかるユニコーンにする理由は無いだろう。


強いて言うなら物好きな金持ちが希少価値を付与して値段を吊り上げるくらいだろうか……しかしその線も飼育の難しさを考えると薄いだろうな。


この世界の商人は金儲けをしたがるが、生産者を第一に考えている節があるし。


前の世界も資本主義でありながら、こういう気概を皆が持っていたらこの世界のように平和だったんだろうな。


競争が起こりづらいから発展速度は遅くなってしまうけど。


だが、それは星の核の啓示を待てば一気に飛躍するから問題は無いのか……な?


「村長―、まだー?」


「あぁ、すまない。」


お腹を空かせたウーテがまだかまだかと急かしてきたので、想像錬金術イマジンアルケミーで食肉に加工した。


……馬刺し食べたいな。


「ではサクッと焼いて食べるとしよう。

 村長、すまんが村に戻って調味料を持ってきてくれんか?」


「ちょっと焼くのを待ってくれないか?

 生で食べたい箇所があるんだ……ついでにドワーフ族も呼んでくる。」


「ほぅ……気になるな。

 ではもう少しユニコーンを狩ってくるとしよう、さっき群れを見つけたから数には困らん。」


オスカーは涎を拭いながら再びユニコーンを狩りに出発しようとすると、メアリーもついて行きたいと言って2人で狩りに向かった。


ウーテは相変わらず床に寝そべって、大精霊はのんびり談笑。


平和だなぁ、これでメアリーとウーテが試合をするとか言わなければもっと平和なのに。


さて……俺は村に色々取りに戻るとするか。




ドワーフ族に相談して甘口醬油を即席で作ってもらい、その他薬味と包丁・まな板を準備して再びコロッセオへ。


まあこれが終われば解体するけど。


「何じゃこれ、一体こんなところで何をしておったんじゃ?」


「オスカー・メアリー・ウーテの3人が模擬試合をすると言ったから作っただけだよ。」


「これはまた立派な物を……。

 人間領で開かれている闘技祭典のようなものをここでやれば盛り上がるじゃろうな、その時は食い物や酒が売れるのぅ。」


なるほど。


ほぼ忘れていたけど……これをそのまま流用してもいいな、想像錬金術イマジンアルケミーで作ったものだから場所を動かすのは容易だし。


神になったしそのあたりの距離も無制限になってるんじゃないだろうか、帰ったら適当な土地を見繕って試してみるとしよう。


ありがとうドワーフ族。


俺がそんなことを思っている間に、俺が食肉加工したユニコーンを生で食えるように切ってくれている。


「村長が前の世界で見たのはこういうものか?」


「そうそう、これだよ。

 よくわかったな、見たことないはずなのに。」


「馬自体は何度か捌いたことがあるからの。

 熱を通しすぎずとも美味い場所はこの辺だろう、というのを覚えておっただけじゃよ。」


本当に記憶力が凄まじいな、頼りになるよ。


「ちょっとちょっと……!」


ドリアードは空を見た後慌てて飛んで行ったので、どうしたのかと俺も視線をやる。


そこにはユニコーンを数え切れないほど担いだオスカーと、それに乗ったメアリーが帰ってきていた。


ドリアードは力を使って簡易の籠を作り落ちないようにカバー、ああいうことも出来るんだな。


「いやー、大量だったわい。

 メアリー殿の力があればどのような群れでも一網打尽で助かるぞ。」


「僕、僕の力だから!」


恐らくメアリーが武器になるようなものをシルフの力で飛ばし次々と狩ったのだろう、確かに狩りをする人からすれば夢のような能力だ。


シルフは自分の力が使われているのが分かっているのか、メアリーだけの力じゃないと主張してて可愛い。


メアリーに撫でられてるし、それがまんざらじゃないシルフを見ると本当に大精霊かと疑いたくなるな。


しかし、こんなにユニコーンの肉があっても困る。


絶対食いきれないし。


「……村長、生活魔術を使える者とシュテフィ殿を頼む。」


「分かった、任せておけ。」


ドワーフ族に頼まれたのでもう一度村に帰ることに。


どれくらい美味いか楽しみだな。


極力毎日お昼12時更新します!

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