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妻達と今後について話し合った。

空を飛んでの村の見回りも終え、その日の夜。


家に帰ると妻達と子ども達が全員リビングで待っていた、子ども達は寝てる時間のはずだけど。


ほら、ペトラとハンナはウトウトしちゃってるし。


「お帰りなさい、村長。

ちょっと話があるんだけどいいかしら?」


「あぁ、それはいいけど子ども達は寝かさなくていいのか?」


「今日はちょっとね、試したいこともあって。」


ウーテを主軸に家族会議が開かれる、こういったの事はいつもならメアリーが主軸だけど珍しいな。


「村長が見回りをしている間にエルケさんの招集を受けて話し合いを開いたの。

 種族の長を集めたものだったんだけど、内容は自身の寿命についてよ。」


近いうちにそういった事を話そうとは思ってたが、ほぼ最速で話を進めてたんだな。


いつもの俺ならダメだと言ってるけど、俺は神になったし流澪は不死になってしまったし……いくら自分の力だとはいっても不公平だと思う人も少なからず居るだろう。


だが誰かれ構わず不死になるのも駄目だと思うので制限は設けたいけどな。


「まず不死になりたい人は流澪ちゃん以外の村長の妻全員。

 2人だけに辛い思いをさせるつもりはないわ。」


不死が辛いという考えはあるのだろうか……いや、種族として長寿だから長く生きる辛さを分かっているのかもしれないな。


俺は今のところ辛いとは一切思っていないけど、きっと何十年かすれば辛くなるんだろう。


「それと各種族の長は考えさせてほしいと言ってたわ、個の成長が見込めなくなるならするつもりはないみたい。

 私達はそれでもするけどね――村長の意見はどうかしら?」


「俺としては概ね許可するよ、流澪は無理矢理不死になったけど俺の力なら全員苦も無く不死にしてやれるだろうし。

 だけどこればっかりは後悔しても遅い――本当に不死になっていいかどうか自分の口から俺に聞かせてくれ。」


この意思確認は大事だ、本当に取り返しがつかない可能性があるし。


「問題ありません。

世界の全てを開様に乗せたまま私はのうのうと天寿を全うするつもりはありませんから。

開様が神をやめるその時までお傍に居させていただきます。」


メアリーから確固とした意思を伝えられた、泣きそうになるほど真剣で嬉しいよ。


「私も問題無いわ。

 神様の妻なんて誰でもなれるものじゃないし……いや、村長の事が好きなのは変わらないわよ?

 村長を支えて陰ながら世界を守ってあげようじゃない。」


カタリナの口から出た言葉とは思えない熱血風の意思を聞かされる、そんな側面も持っていたんだな。


「私は最初に村長にお伝えした通りです。

 一生どころか永遠にお傍に居れることを幸せに思いますので。」


エルケの意思も確認出来た、エルケは少し危なっかしいのでしっかり見てやらないとな。


「最後は私ね――私ももちろん不死になって村長を支えるわ。

 ドラゴン族として強くなれないことは物凄い不安だけど……それでも村長の傍に居たいから。」


「個としての成長があるかどうか確認してからじゃ駄目なのか?」


「そんなのどうやって確認すればいいか分からないもの……。」


「確証はないけど、恐らく不死になっても成長はするわよ?」


「ホント!?」


流澪が横から意見を出すと、それに食いつくウーテ。


何か確証があるんだろうか?


「今日ご飯食べたけど、今お腹空いてるもの。

 もし個の成長が無いならそのあたりの体の活動も止まって、大精霊のような生き方になるのが妥当じゃないかしら?

 それにそんな存在になっても拓志と契約すれば強くなれるし、問題無いじゃない?」


なるほど確かに、体の活動があるということは成長・もしくは衰退しているという事か。


後者の意見も確かにと思う、俺は人間じゃなくなったしいくらでも契約したらいい。


「じゃあ私も安心して不死になるわ!」


とりあえず全員不死になるという事で決定、俺も寂しくないしいいかな?


倫理的には駄目なんだろうけど……本人たちの意思も尊重したいし。


「それより、子ども達は何だったんだ?」


「村長が持ってる神様の力で寝かしつけれないかなーって。

 最近少し寝付きが悪くなってるのよね。」


神の力を便利屋みたいに扱わないでほしい……と思ったが、想像錬金術イマジンアルケミー自体便利屋みたいに扱っていたな。


だがそんな力あるのかな――とりあえず早く寝ろと念じて頭を撫でてみるか。


すると俺が頭を撫でた途端子ども達は全員スカーッと寝息を立てて寝始める、妻達は「すごーい!」と大絶賛。


本当に何でもありだな神様、俺自身色々気を付けて触れたり行動したりしないと何が影響するか分からないぞ。


今ならオホヒルメノムチが不干渉を貫いた理由が少しわかる、これは結構神経をとがらせている時間が長そうだ。


だがこんなことでめげるわけにはいかない、俺はこの星で神として生きると決めたんだし。




その後妻達を俺の力で不死にして就寝……と言ったところで誰かが俺の頭に話しかけてくる。


『ねーまだー?

 オホヒルメノムチはあいつならすぐ来るって言ってて待ってるんだけど。』


『……誰だ?』


『この星の核だよ、契約の話をするって聞いてるでしょ?』


まさか向こうからアポイントを取ってくると思わなかった……普通に忘れてたし。


『すまん、今日は寝たいし明日でもいいか?』


『来る日が分かればいいよ。

 じゃあ明日ね、君はそこで生命の営みを続けるって聞いてるから……じゃあ朝ご飯食べたらこっちに来てよ。』


めっちゃ物分かりが良くて助かる。


『分かった、じゃあ朝ご飯を食べたら向かうよ。』


『はーい、それじゃあね。』


明日は明日でやることが出来たな、村長の仕事以外にもやることが多くて忙しそうだ。


極力毎日お昼12時更新します!

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