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村の住民が増えることが決定した

ダンジョンコアを食堂裏に設置し、ダンジョンが出来た。


今は俺とオスカーとシモーネを除いたダンジョン攻略部隊で下見に行っている。


鉱石の探査にドワーフ族の1人も付いていってるが。


「さて、これで食料と鉱石の確認が出来れば安泰だな。」


「しかし、ダンジョンコアがここまで便利とは思わなかったぞ。」


ホントにそうだ。


ウーテもダンジョンに行きたがったが、用心棒の仕事は設置したダンジョンの安全が確保できるためだと伝えて我慢してもらう。


「本当に思い通りに行けば、ドラゴン族も住まわせてもらおうかしら。」


シモーネがすごいことを言い出した。


「里に帰って話してみてもいいが、やはり畏縮させてしまうのではないか?」


オスカーが少し残念そうにそう言うと、ウーテが「そんなことないと思うわよ。」と割って入ってきた。


「なぜわかる?

 ドラゴン族はいつの時代も畏怖の象徴だったろう。」


「皆がダンジョン攻略に行ってる間に、何人かドラゴン族が飲食しにきたの。

 あ、ちゃんと牙や鱗は持ってきてたわ。

 この村の人、誰も驚かなくなってるし安心しきってるのよね。」


慣れたのか、順応力すごいな。


「それに、オスカーおじ様に対して誰も恐怖心を抱いてないわ。

 もう他のドラゴンが来たところでどうってことないんでしょう。」


「どうってことないと思われるのは少し癪だが、安心してくれるのは素直に喜ばしい出来事だな。

 みんながいいなら前向きに検討しよう。」


なんか住む流れで話が進んでる、いいんだけどね。


「周りの種族とか今の里とかは大丈夫なのか?

 俺としては全く問題無いからいいんだけどさ。」


「好き好んでドラゴン族の近くに住む種族などおらんよ。

 今の里も、他の種族に関わりを持ちにくくするために高い場所に構えただけのこと。

 場所に固執などはないぞ。」


「私は移住に賛成よ、あの場所嫌いじゃないけど不便なのよねぇ。」


シモーネは言いだしっぺでもあるのでもちろん賛成みたいだ。


「私も賛成!

 食事も美味しいし他種族の交流は楽しいもの!」


ウーテも賛成らしい。


「クルトもこっちに住んでることだしな、帰ったら移住のことで話し合いをしよう。」


移住してくれたら心強い味方が増えるな。


楽しみにしてるよ。




ダンジョンの下見から皆が帰ってきた。


「最高の狩場です、いい感じのグレースディアーや家畜動物が獲り放題!

 しかも、見たことない種類ですが見た感じ肉の質がものすごくいいんですよね。」


大猟で興奮してるし、牛や豚は前の世界のブランド畜産ものだからいいもので当然だ。


「よし、ドラゴン族も村移住を考えてることだしダンジョンで獲れたての獲物を食べてもらうとしようか。」


「え、ドラゴン族が村に移住!?

 いつそんな話に!?」


メアリーが驚く。


村に来ても食料の心配はないし、空からの哨戒を恒久的に頼めるから安全性が上がるからいいだろ?


ちなみにそういう話になったのはさっきだ。


「いえ、そういうことではなく……。

 誇り高きドラゴン族が他種族の住む場所に来ることに驚いているんですけど……。」


そういうものなのか。


「利便性と美味しい食事には勝てないわよ。

 ウーテ、他のドラゴンが来たとのことだけど食事の評価は聞いたかしら?」


「皆絶賛でしたよ!

 次はいつ来ようかと口をそろえてました。」


そこは素直に嬉しいな、ドワーフ族は流石だ。


「鉱石も鉄を始めに鍛冶に有用なものが多数確認出来た、ドワーフ族もこれで移住してくるだろう。」


鉱石の探査に行ったドワーフからもいい報告が得られた。


「しかし、見たことない鉱石もあった。

 あまりに硬すぎて発掘出来なかったが……また鉱山作業専門のドワーフが来たら掘ってもらうことにする。」


硬い鉱石か、いろいろ心当たりはあるがなんだろうな。


楽しみにしておこう。




オスカー・シモーネ・ウーテは一度里に帰り、話し合いをしてくるらしい。


まぁ慕われてる長からの意見だし、ほぼ移住は決定のような気がする。


交易部隊も調味料の補充と、移住の準備が整ったことを伝えるために出発。


「また村が大きくなりますね、いろいろな種族と暮らすことがここまで成功したのは素晴らしいですよ。」


「ですね、遠出する危険を冒す必要が無いのは本当に素晴らしいです。」


「僕もそう思うよ、ここまで成功するなんて思ってなかった。」


この地で一番の懸念事項の食糧が解決してるからな、特に目的は無いが助かる種族が居るなら助けたい。


ドラゴンとドワーフは助かるためではないが、村が助かるので歓迎。


技術と力はいくらあってもいいからな。


「そう言えば、最初に出会ったとき魔族領の町があると言ってたよな。

 未開の地の外らしいが、そことは交流が無いのか?」


「未開の地は四方すべてが越えるのが困難な山に囲まれてるんです。

 そこを越えて交流するメリットもお互い無いので、向こうから腕試しに来た冒険者に話を聞いた程度の情報しか知らないんですよ。」


四方は山しかないのか。


……となると、海産物はダンジョンに発生させるか向こうに行かないと手に入らないんだな。


肉もいいが魚も食べたいと思ってたんだ。


しかし、ダンジョンに発生させても漁獲の技術はこっちに無い。


俺にも釣り程度の知識しかないからな。


「こっちの生活をもっと安定させたら、魔族領を目指してみてもいいかもな。」


「急にどうしたんですか!?

 こちらの暮らしを捨てるつもりで!?」


違う、そうじゃない。


「向こうにしかない食べ物が欲しい。

 あるかどうかわからないが、未開の地には確実に無いからな。」


「向こうにしかない食べ物……!

 興味があります!」


メアリーが目をキラキラさせる。


「僕が飛んで魔族領に行ってこようか?」


クルトが空路の提案をする。


「確かにそれでもいいが、ドラゴン族にばかり負担がかかる。

 もしドラゴン族が移住しない場合、その負担はクルトに全て行ってしまうのもよくない。

 陸路の確保と、鮮度を保つための技術が必要だ。」


俺がそういうと、メアリーとラウラが気まずそうな顔をしてお互い見つめあってる。


何か知っているな?


「その技術、プラインエルフ族なら可能だと思います。」


「生活魔術に関してはプラインエルフ族なら楽々と一から構築出来ると思うですよ。」


ならメアリーとラウラが出来るってことか?


「私たちは生活魔術が苦手なんです、なので狩りと索敵の任務を担ってたんですよ。」


なるほどな。


これは、プラインエルフ族を迎え入れるのも視野に入れなければな。


この世界の住民はアグレッシブ。


隔日投稿(お昼12:00)していきますので追いかけてみてください!

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