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氷の季節の間に出来ることをまとめよう

氷の季節も半分以上過ぎたらしい。


ダンジョン攻略部隊にオスカーとシモーネが加わることを伝えたら、みんな喜んでた。


ドラゴン族の戦闘を間近で見れるのは貴重らしい。


喜んでるならいいか。


「開様、ご相談したいことがあるのですが。」


家へ向かう途中、ハインツに呼び止められた。


珍しいな。


「どうしたんだ?」


「氷の季節になり、仕事もだいぶ片付いたのでケンタウロス族で話し合いをしていたら、交易部隊から荷車が道中で引っかかってしまうと意見があったのです。

 何か改善案はないでしょうか?」


木だけで作った車輪だからな、それはそうなる。


あるにはあるが、ゴムのような素材ってこの世界にあるのかな。


「案はあるが、素材が足りない。

 そもそも存在するかわからないからな、とりあえずドワーフ族の里まで街道を敷いたのではダメか?」


「街道だけでも充分ありがたいです、交易部隊もやりやすくなるでしょう。

 しかし別案の素材とはどのような素材なのですか?」


ゴムってなんて説明すればいいんだ?


「固いけど弾力がある程度あって、伸ばしても戻る物質があればいいんだが。」


「グミのようなものですね、グッダペルカの木から開様の言う素材が取れますよ。」


名称が違うのか?


確か前の世界でもゴムは木からも取れるんだったよな。


クラフトなゲームでもそんな描写があった、公式じゃない遊び方のやつで。


「あるならそれでさらに快適にできるぞ。

 しかしその木はどこにあるんだ?」


「森に点々と自生してますよ、グミの採取もそこまで難しくはありません。」


ケンタウロス族は器用だな、助けられる。


「なら花の季節になったらケンタウロス族はグミの採取をお願い出来るか?

 ある程度の量が集まれば荷車を改造するよ。

 俺は街道を敷きたいから、一度どこかでドワーフ族の里まで乗せていってくれ。」


「えぇ、わかりました。

 話し合いで仕事の割り振りをしておきます。」


そう言ってハインツは戻っていった。


頼んだぞ。


しかしゴムがあるのか、ここではグミというみたいだが。


タイヤくらいしか使い道が思いつかないが、仕事が快適になるなら導入するべきだな。


花の季節は忙しくなりそうだ。




家に戻ると、メアリーに食事に誘われたので食堂へ。


「花の季節はやる事が多いな、さっきもハインツから要望があってドワーフ族の里まで街道を敷くことになった。」


「いいと思いますよ。

デニスさんによると、ドワーフ族はいずれこちらに移られるので道標になりますから。」


確かに。


「しかし仕事があるのですね、オスカー様とシモーネ様が居れば開様もダンジョン攻略に行けるかなと思っちゃったりしてたのですが……。」



確かに、あの2人が居れば何か起こる前になんとかしてくれそうだ。


「ちなみに、どういった部隊編成なんだ?」


「オスカー様とシモーネ様、ウェアウルフ族とケンタウロス族の狩り部隊、ラウラとクルトさん、タイガ様に私ですね。」


過剰戦力では?


「実際ここまでの戦力でダンジョン攻略は初でしょう、というかオスカー様とシモーネ様でどうとでもなりそうです。

 ですから、開様もご一緒してくれたらダンジョンコアを持ち帰らずに済むなぁ、と思いまして。」


確かに、俺が所有者になるために持って帰るのだからその手間が省けるな。


「クルトとラウラがドラゴン族の里に行っている間に街道を敷き終わらせる、俺もダンジョンを見てみたいし何とかするよ。」


その間に狩り部隊は消費した肉の補充を頼むぞ。


気楽に考えてると、ふと不安なことがあるのに気づいた。


「待て、村の戦力が警備以外ほとんど抜けてるぞ。

 さすがに手薄になりすぎないか?」


「クルトさんがオスカー様に頼んで、他のドラゴン族を連れてきてもらうらしいです。

 そのドラゴン族の方に村を守ってもらうとか。」


ドラゴン族を便利屋みたいに扱って大丈夫なのか?


「食事とお酒を出しておけば大丈夫と言われてました。」


まぁ大丈夫だと言うなら信じるか。


しかしダンジョンに行けるとなるとちょっとワクワクするな。


危険な場所だろうから油断は出来ないが。


「俺も行くとなると、何か準備したほうがいいかな?」


「ポーションを作っておいてください、可能なら魔力回復も出来るものを。

 皆の傷と開様の生命力を守るために必要なものですので。」


それはするつもりだったが、戦闘面の準備はいいのか?


「開様は戦闘に参加しませんよ?

 攻めも守りも他の者が行います、開様はダンジョン攻略の役割で言うならサポーターですね。」


不必要そうだけど。


でも連れていってくれるだけで嬉しいぞ。


次に天然ダンジョンが見つかるのはいつになるかわからないからな。


一度見ておくと、次同じようなことがあった時に対策が立てやすい。


まぁメアリーの意見を聞けば解決するかもしれないが、それはそれだ。


しかし魔力回復のポーションか。


出来るかわからないが、花の季節になったらとりあえず想像錬金術(イマジンアルケミー)発動して作れるか確かめよう。


魔術を使うラウラに聞けば素材がわかるかもな。




食事を終えて家に戻る。


トラブルも無く氷の季節を越せそうでよかった。


体調不良者も出てないしな。


「旅をしてる時はもちろん、里で暮らしてた時も氷の季節は厳しかったです。

 この村の快適さはすごいですよ。」


ラウラが毛布にくるまったまま俺に話しかけてくる。


だらけてるようだが、索敵魔術を使ってくれてるので何も言わない。


「そうだラウラ、魔力回復のポーションの素材を知らないか?」


食事の時にメアリーと話したことを思い出す。


そう言うと、ラウラはキョトンとした顔で俺を見る。


「タイガ様が言ってましたが、開様の作ったポーションは体力も魔力も回復するですよ?」


え、そうなの?


「知らなかったですか?」


知らなかった。


準備、一瞬で終わりそうだな。


タスクをまとめるのは異世界でも大事。


隔日投稿(お昼12:00)していきますので追いかけてみてください!

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