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メアリーの名案?

大分寒くなってきた。


メアリーが言うには、あと数日で氷の季節になるらしい。


牧場に居る羊の毛もモコモコだ。


温かそうだが、氷の季節が過ぎるまで刈るのは忍びないな。


テレビか何かで春ごろに刈るのを見た気がする。


氷の季節が過ぎたら刈らせてもらおう。


ケンタウロス族によると、服は最低限にして絹で毛布を作っているらしい。


俺の服が3着もあるんだけど、本当に最低限か?


「最低限です!

 開様には朝は絶対に洗濯したての服に袖を通していただきたいので!」


俺だけ不公平な気がするが。


どうやらそんなことはないらしい。


この村を作ってくれた神のような人とのことだ。


俺がこの世界に来たのは神のおかげだから、神に感謝してやってくれ。


メアリーと出会えて、みんなと出会えて。


異世界生活を楽しくさせてもらっている。


次会ったら一発は殴るが、俺も神には感謝。


あと2日くらいで村全体にいきわたる量の毛布が作成できるとのこと。


無理してないか?


休む時はきちんと休むんだぞ。


前の里よりよく休めてる?


ならよかった。




2日続けての宴会で食料の備蓄事情をデニスに聞きに行く。


狩りは氷の季節ギリギリまでするらしいので、肉は問題ないな。


「野菜と穀物は少し怪しいの、足りんことはないが無理をするのが数日あるやもしれん。」


無理はさせたくないし、したくない。


人手を借りてまた作るさ。


「メアリー、穀物の種蒔きと収穫を手伝ってくれー。」


家に向かってメアリーを呼ぶ。


「メアリー姉なら狩りに出たですよ?

 食べ過ぎ飲みすぎで運動しないと太るー!って言ってたです。」


ラウラからの返事が返ってきた。


狩りなら仕方ない。


「ならラウラ、種蒔きと収穫をするから手が空いてる人を呼んでくれ。」


「わかったです。」


その間に俺は想像錬金術(イマジンアルケミー)で肥料を畝に混ぜ込む。


皆が来たので種蒔き、錬成、収穫っと。


30分ほどでデニスからもう充分だと合図。


さすがに2日の宴会分の補充だったので早かったな。


みんなありがとう。




狩り部隊が帰ってきた。


グレースディアーが5頭、イノシシも3頭いる。


オークもかなり狩れているので大猟だな。


肉にしてケンタウロス族に運んでもらう。


メアリーはグレースディアーを3頭仕留めたらしく、大喜びだ。


「メアリー様の弓の腕前が凄すぎます。」


ウェアウルフ族が絶賛している、本当にすごいんだな。


今度本気のメアリーを見てみたい。


自分の妻のかっこいい姿とかいいじゃないか。


メアリーは照れくさそうに頬を掻いている。




狩り部隊と食事。


軽く酒を飲みながら談笑と、花の季節に行うダンジョン攻略の話だ。


「俺も行きたい。

 ダンジョンとか見てみたいぞ。」


そう俺が言うと満場一致で


「「「「「ダメです。」」」」」


と言われた。


なんでだ。


「開様は実質村長的立場であり、村の食糧事情の要です。

 もし来られても全身全霊でお守りしますが、何かないとは言い切れません。

 不用意に危険な場所へ連れていくことはできないのです。」


ウェアウルフ族から理由を説明される。


村長はローガーとハインツがすればいいと思っているが、ダメらしい。


まぁ嫌じゃないけど、そこまで慕われてたんだな。


ありがとう。


でもやっぱりダンジョンには行ってみたい。


「どうすればダンジョン攻略なんだ?

 攻略後なら行っていいか?」


「ダンジョンコアを破壊して攻略なので、攻略後ダンジョンはただの洞窟になってしまいますよ?」


だめじゃないか。


ところでダンジョンコアってなんだ?


「ダンジョンコアは、ダンジョンの魔物を発生させる機構です。

 機構といっても人工物ではなく、自然に生成されるものですよ。」


メアリーから説明を受ける。


魔物を発生させるなら破壊するしかないか、残念。


でも待てよ、ダンジョンを自分のものに出来ればすごく便利じゃないか?


「ダンジョンコアを自分のものに出来れば、狩りが楽になると思うんだが。」


「お気遣いいただきありがとうございます、ですが今の狩り部隊は安定しております。

 オーガや上位種の魔物との遭遇が無い限り問題は無いですよ。」


「だがそういう事故があるかもしれない、極力事故は無くしたいんだ。」


そこでふと、メアリーが何か思いついた顔をする。


「開様、ちょっとお試ししたいことが。

 少々お待ちください。」


メアリーが食堂から出ていく。


いいけど、どうした?


するとすぐ戻り、石を持ってきた。


「開様、これを石に錬成してみてください。」


「いや、これは石だぞ?

 どうしたんだ?」


「えぇ、これは石です。

 ですから()()()()()()してください。」


「ま、まぁいいが……。」


どういうことだと思いながら、石を石に錬成する。


「錬成し終わったぞ、どうかしたのか?」


「そのものをまったく同じものに錬成も出来るのですね。

 でしたら、少々の危険を冒してダンジョンコアを持って帰れば開様の願いはかないます。」



そういうことか。


「ダンジョンコアをダンジョンコアに錬成して、所有者を俺にするんだな。」


「その通りです!

 今までいくつかダンジョンに潜りましたが、ダンジョンコアを守る魔物と、そのダンジョンに一番多い魔物は同じ種族なのがほとんどだったんです。

 それならコアを守る魔物は、魔物の発生をある程度自由に操作できるのではと考えたんです。」


確かに、その説はかなり筋が通ってる。


「大丈夫だろうか、そのようなことは今まで前例がないが……。」


「試す意味も方法もありませんでしたからね。

 ですが所有者になれる可能性のある開様が居る以上、試す価値は十分にあるでしょう。

 グレースディアー、イノシシ、オーク食べ放題かもですよ?」


全員がジュルリとよだれをすする。


「よ、よし!

 花の季節になったらダンジョン攻略だ!

 氷の季節は鍛錬をして、万全の布陣にするぞ!」


「「「「「おぉぉーー!!」」」」」


食欲で団結がすごい高まったな。




「開どの、狩り部隊がものすごい鍛錬に打ち込んでるのだが何かあったのだろうか?」


ローガーから疑問を投げかけられる。


食欲の力だと説明したが、理解した様子ではなかった。


本当なんだけどな。


食欲は偉大、美味しいお肉食べたいです。


隔日投稿(お昼12:00)していきますので、まだの方は是非ブックマークして追いかけてください!

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