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新たな仲間たちと仕事を分担

ローガーが里に戻っていって1週間ほど経過した。


説得や準備が忙しいんだろう、タイガと離れてて寂しいが仕方ない。


必要と思ったものはあらかた作り終えたし、野菜や穀物も備蓄は十分にあるとのこと。


調味料の材料になる野菜もデニスに預けた。


ポーションの在庫も100個ほど作ってる。


メアリーとラウラはタイガが居ないので狩りに出てくれている。


肉の備蓄もかなりのものになった。


ここまで準備出来て、まだ俺は麦とブドウを作っている。


なぜか。


2日ほど前にドワーフ族が3人こちらへ移動してきて、酒を作りたいからという要望があったからだ。


酒のためならしょうがない、俺だって飲めるなら飲みたい。


嗜好品は心を豊かにするからな。


ビールにワインといろいろ作っているらしい。


楽しみだ。


あらかた作り終え、疲れてきたので休憩。


俺の中の何かを消費してるのか、不思議と想像錬金術(イマジンアルケミー)を使い続けると疲れるんだよな。


まぁ何かを起こすのにリソースは必要だろうし、神が何かしたんだろう。


なんて考えていると、グォォーンとタイガの鳴き声が聞こえた。


戻ったか!


無事でよかった。


タイガが俺にすり寄ってくる、よーしよしよし。


俺も寂しかったぞ。


その後ろにローガーと、ウェアウルフ一族。


そのさらに後ろに、ケンタウロスみたいな種族が割とたくさん。


50人くらいは居るな。


そちらの方々は?


「開どの、ウェアウルフ族の受け入れを感謝する。

 これからは開どののために、一族は力と能力を使うと誓おう。

 それとこちらはケンタウロス族。

里の近くに住んでいたんだが、ウェアウルフ族の事情を話すと一緒に移りたいとのことだ。」


「ケンタウロス族の長、ハインツ・オーゲンです。

 ウェアウルフ族からお話を聞き、一族と話して移動を決めました。

 突然押し掛ける無礼をお許しください、なにとぞ受け入れをしていただけないでしょうか。」


よほど切羽詰まっていたんだろう。


問題ないし、受け入れるつもりだが今後のためにどんな仕事が出来るか聞いておくか。


「ここに住む開 拓志(ひらき たくし)だ。

 受け入れは問題ない、でもケンタウロス族の得意なことや出来ることを聞いていいか?」


「狩り、馬車馬、他の種族を乗せての移動など……色々出来ます。

 後は養蚕、それに伴って裁縫技術も少々。

 養蚕していた蚕も持参しております。」


すごく色々出来た。


養蚕はすごくありがたい、衣服類を頼みたいな。


「すごいな、俺はスキルでしか何も出来ないから技術があるのは尊敬するよ。

 食料と家は任せてくれ、狩りの手助けや養蚕、裁縫はよろしく頼む。」


俺がそう言うとハインツは涙を流してお礼を言ってきた。


本当に氷の季節は死活問題なんだな、他の種族は大丈夫なのか?


メアリーとラウラも狩りから帰っており、皆と挨拶。


仲良くしてやってくれよ。


「メアリー、デニスたちに食事と酒の準備をお願いしてくれ。

 ウェアウルフ族とケンタウロス族の歓迎会をやろう。

 さすがに4人じゃきついだろうから、俺も後で手伝いに行くから。」


「わかりました、そのまま私もお手伝いに入りますね!」


「ラウラもお手伝いするのです!」


「開どの、そんなことしていただかなくても……。

 このまますぐ労働に入るつもりでしたが。」


「今日は長旅で疲れただろう、ウェアウルフ族もケンタウロス族もゆっくり休んでくれ。

 ケンタウロス族は家の簡単な作りを教えてくれたら準備するから。」


「お気遣いいただきありがとうございます。

 ローガーから聞いた神のごとき御業で作るのですね、感謝いたします。」


神からもらったスキルなだけだ、俺は神じゃないぞ?


ケンタウロス族が住みやすい家の作りを聞き、家族分作成。


そのまま養蚕場を作って、持ってきてもらった蚕を放す。


期待してるぞ。


牧場には牛・羊・ニワトリを放す。


村みたいになってきたな。


さて、料理の手伝いへ行ってくるか。




料理も出たので、歓迎会。


「メアリー、ラウラ。

 ウェアウルフ族とケンタウロス族を呼んできてくれ。」


「「わかりました」です。」


ドワーフ族と一緒に広場のテーブルへ料理を並べる。


お、来たな。


簡単に自己紹介を済ませて、食事に手を付けていく。


「皆遠慮せず食べていいからの、追加は温めたらすぐ持ってこれるでの。」


ドワーフ族の料理の手際がすごかったので、準備はたくさん出来てる。


俺は出たゴミをまとめたりしてたよ。


ウェアウルフ族もケンタウロス族も、最初はオドオドしてたが徐々に食べて笑顔になってくれた。


笑って過ごせるのが一番だよな。


さて、みんなが集まってるときに言っておかなければならないことがある。


「みんな、食べながらでいいから聞いてくれ。

 今後ここに居る全員で生活していくことになる、他種族も居て大変かもしれない。

 俺も含めて今までとは違う生活だ、だからこそ気づいたことは早めに伝えてほしい。

 改善案や要望はちゃんと言わないとわからないからな、頼んだぞ。」


全員「わかりましたー!」と返事をして食事に戻る。


みんな円満に過ごすには重要なことだったので言えてよかった。


その後ローガーとハインツからめちゃくちゃお礼を言われる。


もう仲間なんだから気にしなくていいんだぞ。




歓迎会も終了し、俺・メアリー・デニス・ローガー・ハインツで話し合い。


ラウラはタイガと寝ている。


今後うまく過ごしていくためには、仕事の分担が大事だ。


「ケンタウロス族は養蚕、裁縫、ドワーフ族の里との交易を主に頼む。

 人員に余裕があれば狩りにも出てくれ。

 馬車は明日作るから、また要望を聞かせてくれ。」


「わかりました、伝えて明日から取り掛かりますね。」


「ウェアウルフ族は畜産、村と交易の警備、狩りを主に。

 こちらも必要なものがあれば要望を頼むぞ。」


村っぽくなったのでこの場所は村と定義しよう。


「わかった、早速申し訳ないのだが。

 この村を柵などの仕切りで囲っていただけないだろうか。

 多少の足止めと、通行場所を制限することで見張りを減らし、交易の警備に人員を割きやすい。

 あとは櫓を、敵の早期発見に繋がりやすくなる。」


「わかった、それも明日用意するよ。

 あとこれは皆にお願いしたいんだが、畑と田んぼは拡張していきたい、完全に手の空いてる者は想像錬金術(イマジンアルケミー)で育てたものの収穫をお願いしたい。」


皆から同意の声をもらう。


 「それからドワーフ族は料理と酒作り、交易に必要なものと持っていくものの選別を。

  助けが必要ならメアリーとラウラもそちらに回ってくれ。」


「わかったぞい、任せてくれ。」


「わかりました、それ以外では私は何をすればいいですか?」


「俺だけじゃ全体を見れないかもしれないから、俺の補佐を頼むよ。

 気づいたことや周りの声を俺に伝えてくれ。

 みんなも俺だけじゃなく、メアリーにも要望を伝えていいからな。」


さて、役割分担はこんなものか?


どうしたメアリー、めちゃくちゃ嬉しそうだが。


「私が開様の補佐役…お任せください!

 この仕事は誰にも譲りません!」


そんな気合入れなくてもいいぞ?


「仲睦まじいご夫婦ですね。」


ハインツがにっこりしてそう言うと、メアリーが顔を真っ赤にしてうずくまった。


夫婦じゃないからな?


拠点規模が大きくなりました。


隔日投稿(お昼12:00)していきますので、是非ブックマークして追いかけてください!

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