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夢【メア】  作者: ルゥ
壱章 出会い
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2話 待ち合わせ

 アシュレーノの町はアリスメリアの東に位置し、自然豊かな土地を生かした第1次産業で発展した町だ。特に木工品は人気が高く、アルスメリア全土の家具だけでなく世界を越えたナナミドやカミールの都市からもわざわざ注文が届くほど。


 もちろん上質な原料には必ず限りがあるもので、3つの世界からの注文など受けきれないのが普通だ。


 それを解決しているのがアシュレーノの東部にある大ダンジョン『スプラシオンの森』であり、今日友達と待ち合わせした場所。アルスメリアの最東端にある大ダンジョンだからか『イーストダンジョン』とも呼ばれている。


 ダンジョンとは世界に点在する空間の歪みで、ダンジョン周辺の環境に合わせながら、ダンジョンの中は外とは違った時間や空間が流れているらしい。


 スプラシオンの森は植物の成長速度が特に早く、1日経ったら元通りになるくらいには資源があふれている。


 このように、ダンジョンには外のルールが通用しない。ここみたく冒険者にプラスに働く場所もあれば、編成や道具の制限が発生するといったダンジョンもあるらしい。


「お?きたきた。お~い!こっちこっち!」


 僕の姿を確認したのか、赤に白のグラデーションの入った髪の女の子がこちらに手を振りながら近づいてくる。

 

「も~遅かったじゃん!待ちくたびれてずっと素振りしてたよ~」


 彼女の名前はシザンナ。見て分かる通り待つことが苦手で、常に動き回っているような子。中性的な顔立ちのせいで女の子と見られないこともよくあるらしい。

 今日はダンジョン探索なので動きやすいレザーアーマーで来たらしい。


「いやボクたちが早すぎただけでフレンは時間通りだよ」

 

 シザンナの後ろからゆったりとついてきたのが群青の髪に狼耳の獣人族のテウィル。

 武闘派の多い獣人族の中で魔術をこよなく愛する珍しい男の子だ。

 昔からこの3人で活動することが多く、今回の目的もテウィルが実験で使う材料の確保だ。


「待たせてごめんよ。でもテウィルが先に来てるとは思わなかった」


 テウィルは連日研究しているせいか朝に弱く、寝坊の常習犯だった。

 今日のような朝集合だと遅れてくるものだと思っていたが、珍しく時間前に来ている。


「いやさ、ボクも想定外でねぇ?朝日が出るちょっと前にシザンナがボクの所に来たんだよ」

「何だか楽しみで早くに目が覚めちゃってね~?いっつも遅れてくるんだからせっかくなので私が連れて来ました~!」


 とても眠そうなテウィルを見るに相当早い時間に叩き起こされたらしい。

 まぁいつも遅れてくるのも事実なのでいい薬と思ってもらおう。


「それにしても今日は入り口混んでるね。やっぱり収穫祭が近いからかな?」

「フレンが来る前に聞いてきたけど、カミールで新しい金属の配合が見つかったんだって。それに合わせる材料を全世界から探して試してるって言ってたよ。」


 普段だともうすぐ来る大収穫の時期に合わせたお祭りの材料集めにこのダンジョンは混み始めるけれど、今日は例年より人が多く感じた。


 「まぁダンジョンに入っちゃえば人混みなんて気にならないし、フレンも来たから手続きしに行こうか」

 

 こうして3人一緒にダンジョンの入口へ向かっていった。

 


 

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