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断章 灰色の夢
衝動的に書きあげました。初投稿故につたない出来ですが、よかったら見てやってください。
―夢を見た。女の子が泣いている夢。誰かに謝っている夢。
大きな生き物の前でずっと泣いている夢。
大きな生き物は女の子の声に反応したのか小さく動いている。
たくさんの人が大きな生き物を見ていた。
武器を持ったお兄さん、買い物帰りのおばさん、広場で遊んでた子供たち。
「―だれか…」
灰色の世界で彼女だけが色を持っていた。
「助けて…みんなを助けてよ…」
手を伸ばした。なんだかほっとけなかった。
手をとるために手をのばす。でも夢の中のせいか彼女の体をすり抜けてしまう。
夢だからか彼女に話しかけることもできない。
何もできない。ただ見ているだけ。
とたんに夢の世界が崩れ始めた。灰色の世界が音を立てて崩れていく。
自分の意識も薄れていく。
崩れゆく景色の中で最後に見たのは、大きな生き物と、こっちを見て手を伸ばしている女の子の姿だった―