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天才とお馬鹿は紙一重!?  作者: ハンターX
1/2

日常1 私とお馬鹿の化学反応


「あ~暑いな~。何でこんなに暑いんだ~?」


クーラーが壊れた自室のベッドでゴロゴロしながら、私、飯名(いいな) 天虎(てんこ)は呟いた。まだ4月の始まりだと言うのに、何なんだこの暑苦しさは。最早この部屋サウナでしょ。もう沢山汗かいたから、少しくらい涼しくなってよ。

そんな事を考えていると、電話がなった。スマホの画面を見ると、喜衣菜(きいな)と表示されていた。うわぁ、めんどくさい奴からかかってきたなと思いながらも一応でる。


「もしもし、天虎だけどー」

やる気のない声単調な声で言うと、向こうはアホみたいに元気な声で言った。


「もしもしトラちゃん?ヤッホー!皆のアイドル的存在、アッキーだよ!今暇?暇なの?ねえねえ暇なの!?暇だよね!遊ぼう!」


「嫌だ。五月蝿い。暇じゃない。遊ばない。じゃあね」


そこまで言いきると私は通話終了ボタンに指を近づけた。


「ちょっと待ってよ酷いな!アッキーはただ可愛い可愛い(いと)しのトラちゃんとラブラブデートしたいだけなのに…何でいつもそんなに冷たいの!泣くよ!泣いちゃうよ!いいの!?」


あぁ、凄くめんどくさい。もう早く通話きりたい。そうだ、きろう。きっちゃおう。うん。


「ちょっと?聞いてるの?トラちゃーん?聞こえてますかー?おーい!」ブチッ!ツーツー…


よし。これでいい。てか、何で私あの子と仲良くしてるんだろう。自分でもよくわからん。暑い。そういえばこの部屋暑かったんだ。喜衣菜のおかげで暑さ吹っ飛んでた。ありがとう。よし!暑いし暇だから図書館行こう。そうだ、そうし…プルルルルっ♪♪♪ピッ!あ、しまった。


「あ、トラちゃん?皆のアイドル的存在、アッキーだよ!さっきはなんかスマホ壊れてたのかな?トラちゃんの声途中から聞こえなかったから心配したよ!でね!遊ぼう!」


「最初の台詞さっき聞いた。それと、スマホが壊れたわけじゃなくて、私が喜衣菜の話を無視しただけだ。気にするな」


「そっか!良かった!このスマホね、買ったばかりだからもう壊れたの?って思ってビックリしたよ~。えへへ~…って!何で無視するの~(泣)」


ここは正直に言った方がいいな。うん。


「めんどくさいから」


…言ってやった!【ガッツポーズ】


「酷い!ストレートに酷いよ!心にストライクしちゃってるよ(泣)」


「言っている意味が理解できないんだけど」


「頭いいトラちゃんでもわかんないことあるんだね!」


「そうだな。馬鹿の言っていることだけは理解できないな」


「馬鹿じゃないもん!ちょっと頭が悪いだけだもん!」


「テストで毎回赤点しかとらないような人は、馬鹿以外の何者でもないと思うけど?」


うぅ!っと小さなうめき声が聞こえた。よくわからないけど、勝った。いや何にだよ。と自分でつっこんでみる。あぁ、私まで馬鹿になってきてる。馬鹿って感染するんだなぁ。嫌だなぁ。私はベッドから降りて、図書館に行くための準備を開始した。電話はまだつながっている。


「ねぇ、そんなことより遊ぼうよ。アッキー暇すぎて死にそうなんだもん。今トラちゃんのお家向かってるからさ!」


おもわず持っていたスマホを床に落とすところだったぞ。私の家に向かってる?今?まてまてまて!困る!こんな暑い部屋で、あの子と二人っきり…嫌だ!此方(こっち)が死んでしまう!早く図書館に行こう。その前に返事返事…


「あ、いや、えっと…今家に居ないんだ。だから遊べない。ごめん…」 ピンポーン♪


「ついたよ!」


「人の話を聞けよ!今居ないんだって」 ガチャ


何か聞き覚えのある音が聞こえたような…


「あ、トラちゃん居ますか?」


「あら喜衣菜ちゃん、おはよう。天虎なら部屋にいるわよ。さあ、はいってはいって!」


「お邪魔しまーす!」


はぁ。本当に邪魔だよ。帰れよ。てかお母さん、純粋(ピュア)すぎるよ…産まれて初めて恨んだよお母さん…辛い。

スマホの通話終了ボタンをタッチして、諦めて図書館に行く準備をやめる。数秒後ドアが叩かれた。しかもテンポよく。あ、これ知ってる。チューリップの歌だ。懐かしいな。小学1年生の時、鍵盤ハーモニカで一生懸命練習したっけ。あれから8年もたつのか。早いなぁ。いつの間にかこんなに大きくなって、頭よくなって、時の流れは速いね。まったく。てか、ドンドン五月蝿い。わかった、わかったよ!開けるから!雪だるまは作らないから!


「あ、やっと開けてくれた!おはようトラちゃん!遊ぼ!」


「はぁ。わかったからそんな大きな声ださないでよ。こんな至近距離で」


「わかった!」


声の大きさ変わってない…わかってないだろ絶対。てか、この子に言ったところで変わると思うことが悪いんだ。そうだよね。うん。納得。


「ねぇこの部屋暑くない?暑いよね?暑い!図書館行こうよ。涼しいしさ!」


「え?あ、うん。わかった。準備するからちょっと待ってて…」


「了解のりょ!」


あれ?なんだかんだで図書館には行けることになった。けど喜衣菜と一緒じゃあ、静かに本読めないな。まあいいか。涼しいところに行けるなら。うん。そう思うことにしよう。





































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