魔法使いの旅
「第3話透けてる者は幽霊ですか?」
僕とサチは今絶賛ありえない現象を目の当たりにしている。
それは4時間前
「師匠歩き疲れたー、車で旅しましょうよー。私の愛車、ソラでさー」
機械国を去ってから2ヶ月サチは魂のある機械を作るのに執着していた。どうやら僕の言葉を鵜呑みにして魂ある機械を作れたら魔法が使えるかもしれないと思ったらしい。だがサチは非人道的な方法は決して取らなかったと僕は知っている。
「僕あいつ苦手なんだよー」
「もう師匠、人口知能ソラちゃんの可愛さが分からないんですか?」
サチの作った機械の類は大体魔法収納に入れてある。そしてその中にサチがこの前作った車という凄い速い馬車のようなものができて珍しい。こんな物を作れるのはこの広し世界でも天才サチ以外誰もいないだろう。彼女は人口知能という独自の思考プログラムを作った。というか機械が人間のように喋る物を作った。それがソラである。
「ああもう、分かった。車で旅をしよう。だけど風景を覚えたいからゆっくり走るようにソラに指示だせよ」
「あいあいさー」
僕は魔法収納から車を取り出す。
すると4人は座れる車が現れた。
そしてドアが勝手に開く。
僕とサチは前座席に右と左に座った。
「お久しぶりですね、サチ様。そして愛しきわがきみオズ様」
「はいはい久しぶり」
「オズ様私の愛の歌を聞いてください」
「ダメだよソラちゃん、オズ様そういうの嫌いだから」
「そんな、私の存在意義が否定されるなんて」
「スクラップ」
「師匠スクラップは酷いですよ、ソラちゃんは人口知能にして愛があり心ある機械人です」
また説明すると機械の国に行ってからサチはなんとかして心ある人間味溢れる人口知能を作ろうとした。勿論、誰も犠牲にしない方法で!それで生まれたのがこのソラちゃんである。
「そうかい?僕には思考回路が死んでると思うんだけど」
「すごくたまらない表現です。もっと私のことについて言ってください」
「ポンコツ」
「んーたまらないです」
「サチこいつ直してあげれば?たぶん壊れてるよ」
「はっ!そのプレイ最高です」
「プレイじゃねーよ」
「師匠が楽しそうで良かった」
「楽しくねーよ」
そんなことを言いつつ車いや、サチが止まった。
話に夢中で外を見てなかったオズとサチは防弾ガラスから外を眺める。
「建物があるのに人がいる雰囲気じゃないね」
サチは不思議そうに呟く。
「まだ夕方だから寝てるわけじゃないだろうし、なんだろうか?」
「ソラなんで止まったの?」
「以前オズ様が面白そうなものが好きだから旅してると言いました。この廃墟みたいなところは幽霊がでそうでワクワクドキドキしませんか?」
「珍しく気があったな」
「お褒めに預かり光栄です」
夕日が落ちていくのを車から眺めながら僕たちは休憩していた。
そして、夜になると急に明かりがつき始めなんと人がいて家と家の間には屋台が出ていた。
「僕は夢でも見ているのか?」
「サチも同じこと考えてました」
「これは夢ではありませんよ愛しの人よ」
「そんなことは分かってるんだーぼけーあと愛しの人ちゃうわ」
僕たちは車から降りると商店街に歩いて行くと、なんと人が屋台が食べ物が透けているのだ。
「サチ、僕は怖いものなんて本当に少ししかないが幽霊とは怖いものかな?」
「へい、いらっしゃい嬢ちゃんたちもしかして旅の人かい?」
「そうだよ」
「おお、俺たちは100年前の亡霊ってやつでさ、死んでもなんとか死にに生きてるのさ」
「死にに生きてる?」
「そうさ、いつ自分が天に召されるか分からんが楽しく死んでても生きてるのさ」
「ふむふむ、興味深い」
「ほら嬢ちゃんたち可愛いからサービスね。特性のイカ焼きだ」
「ふむ生きてる人でも食べれるのか?」
「おうよー、この100年たまに旅人が来るがおっかなびっくりしながらこの屋台の店の食べ物食べて去っていくよ」
僕は食べ物を魔法で鑑定したが本当にただのイカ焼きである。
「この街の先に国はあるかい?おっちゃん」
「どうだろうな近くに海があるくらいだ。あとトンネルがあるんだが決して振り向いてはいけないからね」
「ありがとう、振り向くとどうなる」
「この街から出られなくなる」
「ありがとうイカ焼き20本買うよ」
イカ焼きを魔法収納に入れる。生きてる命はいれれないが食べ物をしまうには丁度良い。腐らないのである。
「あいよありがとうございました」
僕たちは夜の間に車に乗ってトンネルをただ真っ直ぐ見て出口に向かうのだった。
ソラは360度カメラで見ているがなんともなかったようだ。そして勿論、運転はソラがしている。自動運転というやつだ。