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「深紅……ウーナ王国……12歳…………いやそんなはずは、でもさっきの魔力反応は……」


どうやらご主人様には何か思い当たる事があるらしい

ボクは何処かのお貴族様の隠し子とかだろうか


ご主人様は意を決したようにボクを見ると

頭からすっぽりと顔まで隠れるフード付きのマントを被せた


「さて、とりあえず服を買いに行きましょう」





宿屋から出て服を買うと言うので商店街にでも行くと思えば裏道の家と家の間にある不自然なドアを開け細い人が2人並んで歩けるだろうかという道を暫く行けば1軒の用品店に辿り着いた

雰囲気からいっても普通の店ではない


「おばちゃーんローズだけど居る?」


ドアを開けながら店の奥へと声をかけてる


「いないのかな?おばちゃーん」


バンッ!


店の奥の扉が勢いよく開きボクは思わずご主人様の後に隠れてしまった


「誰がおばちゃんだ!」

「だって私の母上と歳変わらないじゃない」

「せめておば様と呼べ」

「こんな所で店なんてやってる方がおかしいのよ」


そっとご主人様の後から顔を出すと店の主人らしき女性と目が合った


「なんだいその子供は」

「買った」

「は?」

「ちょっと気になったので買ったのよ」

「母上様に言いつけるよ」

「そういうんじゃないってば、これは人助けだし父上の仕事の手伝いなんだから」

「仕事なら仕方ないね」


ご主人様がボクの背中を押して前に出す


「で、この子に合う服を探してるの。とりあえず国に行かなきゃならないから旅がしやすくて少しくらい成長してもなんとかなるやつをね」


そしてボクのマントを取った

ここまで隠すようにしていたボクの姿を見せるように


「お前これは……」

「見たまんまよ、父上が長年探していたのはこれでしょ」

「そういう事かい、だからうちの裏手に来たんだね」

「そういう事」


何がそういう事なのかボクにはサッパリ分からない、でもボクがご主人様のお父様の捜し物らしい

ボクの両親でも分かったのかな?


店の主人はボクの視線の高さに合わせてしゃがんでくれた


「おばさんがちゃんとした格好にしてあげるからね、ちょっと待ってなさい」

「……はい…」

「ほらやっぱりおばちゃんじゃない」

「うるさいよ」


ご主人様と店主が仲のいいやり取りをしているのをボクはただ眺めてるだけしか出来ない

とりあえずちゃんとした服を着れるようだ


「じゃ君はこっちに来てサイズを測ろうか、ローズはその間にこれに書いた物を買っておいで」


何かメモらしき紙をご主人様が受け取った

ボクはここに置いて行かれるのか?

思わず置いていかないでほしいとご主人様の服の裾を掴んでしまう


「大丈夫よ、おばちゃん口が悪いけど悪い人じゃないから服を選んでもらいなさい」


ボクの手を裾から離しご主人様は入ってきたドアから出ていってしまう


「しかし紅い髪って嘘だろう……」


ぼそっと店主が呟いているのをボクは聞き取ることが出来なかった

初日早々にご主人様に置いていかれたショックで

店主は身内ではなく知り合いです。叔母様ではなくおば様

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