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1話ごと短いですがお付き合いください
ボクは今、宿屋の一室に備え付けられた浴室で
お湯をたっぷり入れたバスタブを見ながら全身を女性に洗われている
奴隷という立場なのにご主人様に洗われると言うのはどうだろうか
自分で出来ますのでと言ったのだが断られてしまった
洗いながらご主人様は色々と話をしてくださった
まずは呼び名
この女性はご主人様と呼ばれるのは嫌だと仰られた
「私の名前はローズと呼んでちょうだい。それ以外の呼び名は却下よ」
「ローズ様?」
「様もつけない、ローズ!」
「はいわかりましたローズ」
そしてボクの首から下がっていた札に書かれたステータスについても教えてくださった
ボクは文字が読めない
名前はそのうち付けてくださるそうだ、ボク自身本来の名前を知らない
奴隷番号21-9252(21は奴隷商人の登録番号らしい)
契約奴隷
歳は12歳
出身は隣国のウーナ王国
属性 火、水、風
使用可能魔法 回復魔法、解毒魔法、炎壁、火球、水球
付属 魔法封印の指輪
私物 封印されしペンダント
奴隷は私物を1つだけ持てる
思い出の物だったり、出生が証明される物だったりする
ボクのは何をやっても開かなかったロケットペンダント
何が入ってるのだろうか気になるけど開かないのは仕方ない
そして奴隷についても説明された
奴隷と言ってもそんなに酷いものではない
終身奴隷と契約奴隷
どちらも一定期間で金額が決まっており奴隷を買う人は奴隷商人との契約、更新し金額をその都度支払えばいい
更新しなければ奴隷商人の元に返される
契約奴隷の場合は自身を買い取る事で開放される
こちらは契約金の3割が奴隷の稼ぎとして保証される
それ以外は終身奴隷と変わらないルールで貸し出される
自身の買取が出来れば奴隷から開放されるのだ
そしてもう1つ
隷属解除
これはご主人様が多額の金を一括で支払い通常の契約書と隷属契約書の2種類を買取、契約解除の魔法を使い開放するという
まぁ殆どがそんな事をする変人……もとい、お人好しのご主人様なんて居ない
そしてボクは契約奴隷らしい
きっと親が借金でもして子供を売ったのだろうと言っていた
他にも食べ物は何が好きとかどんな色の服を着たいとか、色んなことを話してる間にボクの汚れた体はすっかり綺麗になった
ついでに伸び放題の髪も切ってくださり
ご主人様が魔法を使い暖かい風を出し髪を乾かしてくれた
お礼を言おうと振り返ったボクの目にはこれ以上はないという程に見開いた目をしたご主人様
「あ…かい……」
何かおかしな事でもあったのだろうか
ボクの髪は明るい茶色
でもそんなのはよくあるし驚く事でも……
ふと視界に入る自分の前髪の色に驚く
確かに赤毛だった
足元に落ちている切った髪も紅い
でもボクの髪は普通の茶色に近い赤毛だったはず
今の髪は真っ赤だ、深紅と言っていいほどの赤
鮮やかな色であればあるほど魔力が高く階級も高い人間が多いそうだ
どういう事だろうとご主人様を見上げる
「深紅……ウーナ王国……12歳…………いやそんなはずは、でもさっきの魔力反応は……」
どれくらい赤いのかって紅と書くくらいには赤い←わかりにくい