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『シボラの雪』の世界 登場人物紹介 用語集  作者: 新条満留
『シボラの雪』の世界(マニアックな解説と知識、不読でも支障なし)
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『シボラの雪』の宇宙観(世界観)について

『シボラの雪』の宇宙観(世界観)について


 ここでは『シボラの雪』における宇宙というものについて少し掘り下げた解説をしていくつもりです。かなり長くなるので、ここは徐々に追加していきます。

 但し、単なる物語独自の宇宙観ではありません。ちゃんとした科学的根拠のある宇宙観です。宇宙に関して深い知識をお持ちの方はここを読まなくても理解できると思いますが、ここでは宇宙についてあまり詳しくない方に向けて、解説を試みたいと思います。


 『宇宙』について現代科学はどれくらいのことが分かっているのでしょうか? 結構分かって来ているんじゃないか、と思われている方が多いのではないでしょうか? それは一昔前に比べれば確かに言えることです。ですが、それは人類の認識レベルでのお話です。

 答えを大雑把にはっきり言います。


 『実は殆ど何も分かっていない』


のです。


 私たち人類は古代から自分たちの生きている世界について何千、何万年も考え続けてきました。それぞれの時代の最高の知識人たちがその時代や地域で知られていた汎ゆる情報を収集して宇宙観を組み立ててきたのです。それでも人類は未だに宇宙について何も理解できないって乱暴な意見だと思われるかもしれません。でも本当なんです。ではこれからそれを分かり易く説明します。


 私たち現代人は『宇宙』とか『世界』とかいう言葉を聞くと、一般的に最初にどんなことを思い浮かべるでしょう? たぶん、気の遠くなるような長い時間、果てしなく続く空間とかでしょう。そうです。私たち人間にとって宇宙はあまりにも『長い時間と大きい空間』として眼前に現れるので捉えようがないのです。比較するものもないのです。

 私たち人間はこの宇宙の中で『ほんの一瞬だけ僅かな空間』の中で生きて死んでいきます。私たちは宇宙と比べれば蜉蝣かげろうのような儚い存在でしかありません。そんな存在がこの宇宙を完全に理解することなんて、たぶん不可能でしょう。

 でも私たち人間はそれでも宇宙を知ろうとする欲求に囚われます。

 人間が地球上の他の動物とはっきりと違うと言えるのは、情報を伝達して子孫に伝えることができるという点です。人間に一番近いとされるチンパンジーなどの霊長類は高い学習能力を持っていて教えると人間と同じようなことができるようになりますが、それを子孫に伝えることをしません。完全ではないにしても、地球上で人間だけが数千年前の祖先が残した断片的な記録を通してその情報を知り、蓄積した知識を活用して自分たちの役に立てることができるのです。


 ―シャナスは言葉でダイモーンを否定しましたね―


 言葉って力なんです。


 人間は他の動物に比べてより高度な情報伝達の手段を持てたお蔭でここまで文明を築き上げてこれたのです。


 人類が宇宙を科学という手段で理解できるようになる前は、宇宙を知る手助けをしたのは宗教でした。それ以前になると神話ですね。世界に残されている神話の説明では宇宙は今考えられているほど大きくありませんでした。『無限』とか『無』とかいう概念自体がなかったからです。宇宙は『有限』で常に何かが『存在』しているという宇宙観です。

 『無限』とか『無』という概念はインドで生まれました。インドでは宗教と結びついて宇宙を理解するという方法が発達しました。

 私はここで別に神話論とか宗教論を語るつもりはないので、話しを端折はしょります。科学的な方法―――つまり数学によって宇宙を理解しようと考え始めたのはイタリアの物理学者ガリレオです。

 彼は


 『宇宙は数学という言葉で書かれている』


という有名な言葉を残しました。

 そしてそれを高度に発展させたのは天才ニュートンです。そして現代の宇宙観の生みの親は天才物理学者アインシュタインです。


 さらに飛ばします。

 つまり私たちがよく聞く『ビッグバン宇宙論』、『膨張宇宙論』、『多元宇宙論マルチバース』とかマクロな宇宙の捉え方は全てアインシュタインの『相対性理論』に基いて生み出された宇宙観です。

 しかし彼の理論は当時あまりにも難解で革新的であったため世界でも僅かな人たちしか理解できませんでした。でもその後、彼の理論の正しさが科学技術の発達によって実証されてきたのです。

 ガリレオ、ニュートン、そしてアインシュタインなどが凄いのは、全て理論の積み重ねだけで正しい宇宙の理解へと導いたことです。彼らが理論を完成させた後に、技術が追い付き、彼らの正しさが証明されてきました。

 もちろん彼らの理論は高度な数学を駆使して書かれているので、言葉としては理解できても物理学や数学の専門家でもない限り完全に理解することは難しいでしょう。特にアインシュタインの『アインシュタイン方程式』なんてとても普通の人には理解できません。たった一行の僅かな記号の組み合わせで宇宙の起源から現在までの宇宙の物理法則を全て説明してしまうという恐るべき方程式なのですから。

 ところがそれでも彼らの天才的な頭脳をもってしても、宇宙が漸く大まかに少しだけ理解できるようになったという程度なのです。例えるなら宇宙という大海原の前に広がっている砂浜の僅かな砂や貝殻を少しずつ拾い集めているのが現代科学で理解できる宇宙観なのです。

 『シボラの雪』の宇宙観(世界観)は現代科学で理解できる宇宙に基づき、更に未来という時代ではそれがどんな展開になっているかを想像して構築し、一つの可能性としてあり得る筈の未来世界に設定した物語なのです。

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