『守りたい』
本当にお待たせいたしました!
本当に本当にお待たせ!いたしまし!た!
物語再開です!待っていてくれたひとが居たら、その人一人一人に飴あげます!((
ゆっくり楽しんでいってください!
「のわッ! う、うるさいわね!急に何したのよ!」
慌てて答える俺。
「んぁ、ごめんごめん。こっちの話。」
・・・・・・いやいや、どこのバカップルだっつの。
こんなのはさておき、さっきの話に戻ろうか。
「ゴッホン! いいかしら? 話を続けるわよ? 」
「はい」
空気が変わる。
「さっきの話、あくまでもお伽話よ。まぁ確かにあなたは他よりはずっと特殊だけど、
過信しすぎると本当に死ぬわよ。それと・・・」
「もう時間が無いの。」
夜代はどうしてこの世界に来たのか。
その理由がここにはあった。
「実はね、この世界。二ヴァルヘイストは前からおかしいのよ。
空間変動が多くなったり、時間軸にブレが生じたり。・・・ここの住民が死んだり、ね。
だから私達魔導師は原因を探ったの。原因を探って早くこの世界を安全にしたいと思った! でも、探る度に仲間が死んでったの。」
アスティナは胸を押さえて苦しそうに話を続ける。
そんなアスティナを見ているだけで辛かった。
「どうしようもなくなったのよ。ただ仲間が死ぬだけよ。
等々みんなが諦めかけてた時、ある代物を見つけたの。魔力の暴走跡が残る結晶をね。
そこから、ある仮説が立てられた。それが魔王の復活。」
魔王の復活が意味するもの=世界崩壊
俺でも予想がつきそうな話だ。
「魔王がもし動き始めてるとした、とんでも無いことになる事くらいは予想がつくでしょ?でもあいにく、魔王に対抗出来る術なんてない。ここいらの魔導師は魔王ほど魔力が無い。だから私達はかけてみたの。運命にね。」
「そしたら、俺を見つけた。と?」
「そう。魔王に対抗する希望が貴方よ。葉月夜代。
膨大な魔力反応をたどった先が人間界だったのは驚いたけどね。でも二ヴァルヘイストが召喚せず、何らかの方法で貴方が来たってのも本当に驚いたけどね。そこだけ分からずじまいね、ここだけは。」
目の前の可憐な彼女は、改まって言う。
「葉月 夜代。この世界を守って。」
当然だが、俺は戸惑う。なんせこんな感じの展開はアニメでしか見たことが無い。
でも今はこんなアホみたいな考えをしている暇は無い。
そんな夜代には簡単な問題だった。ついさっきあったばかりのアスティナ。
そしてあの騎士。あったばかりだけどこんな優しいやつらがいる世界を壊されたく無い。
こんなに簡単な理由では「世界を守る」なんて言ってはいけないのだと思う。でもそんなのは関係無い。
守りたい。簡単で重いその言葉は夜代の覚悟を表していた。
「俺、やるよ。アスティナ」
俺はもう逃げない。あっちの世界でまともに生活出来なかった頃とは違う。声についても正体はわかったし怖いものなんてない。しかもここ異世界だから日本人いないし。
「俺にできるか分からないけど、なんかやれそうな気がするんだ。
まだ魔力とか魔法とか分からんから、そこはアスティナ。教えてくれないか?」
ーー運命の線に乗った彼らはもう後戻りは出来ない。
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「違う!違う! だから違うってば! こう、もっとイメージしなさい!」
アスティナの声がキンキンと響く。
「そう言われても、なにやったらいいのかわかんねぇんだよ!どうやったら急に炎とか氷とか出てくんだよ! 知らねえよ!」
この世界に訪れて何週間か過ぎた。俺はアスティナの城に住み、迫り来る脅威に備え準備を進めていた・・・・・・・・・・・・・はずだったのだ。
やはりこの女とは馬が合わないようだ。
どうしてこうも、ねぇ。
「ほら、こんな感じでこう、ドカーンと!こうズバズバっとねぇ!」
アスティナの見せる魔法は凄いと思う。けど教え方がなぁ・・・
音ばっかりでなに言ってるか全く分からんのだわ。よくいるよなこういう奴。
「ああああ!もう!何!何が言いたいんだお前は!」
「だからさっきから言ってるでしょ!?もうバカじゃ無いの!?」
こんなやり取りを見守ってるファレルの身にもなってもらいたい。
「お二方。喧嘩はそこらへんに・・・」
「「うるさい!!!!」」
おっと、ファレルもキレちゃうかもだね?キレちゃうかもだね?
プチン、とキレた堪忍袋の尾。
そのファレルの怒りは騎士の甲冑越しに伝わっていた。
甲冑を伝い、腕へ、そして拳に。
ーーキィィィィィンーー
怒りを纏った拳が二人に落ちる。
「いい加減にしなさぁぁぁぁぁぁぁいッ!」
二人は綺麗な星々を頭上に浮かべ天を仰ぐ。
「「綺麗な空だな・・・」」
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